↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕落聖女と変態魔王  作者: 竹輪
〜勇者編〜
36/117

14、内緒話



「あんがとな兄ちゃん!」



街人に手を振ってルークは教会に戻った。

時刻は黄昏時。あたりはすっかり暗くなり、長い影が後ろからゆらゆらと付いてくる。

思ったよりもバリケード作りが難航した。

手際の悪い彼らのペースに合わせたのは、悪手だったかもしれない。夕飯には間に合うだろうか。腹の虫に急かされて、ルークは足を速めた。

ようやく教会に辿り着くと、テックが鳩を飛ばしていた。



「テックさん」


「ん、ルークじゃないか」


「鳩ですか?」


「おお、王様にな。サンタフの所業をびっっっちり書いてやった」


「それはそれは」



降格かな。降格だといいな。

笑って王都へ旅立つ鳩を見送る。



「枢機卿に対しての罰ってどんな感じ?」


「減俸が基本だが、流石に今回はそれ以上の厳罰が下るとは思うぞ」


「そっか」



左遷されればいいのに。

舌打ちと共に聞こえて来た女性の声に振り返れば、白いフードを目深かに被った少女が去っていった。聖女だ。

テックと顔を見合わせて頷く。

サンタフの支持率はすでに奈落。

認識を擦り合わせ、ふたりは教会へと戻った。






**********



「それじゃあ、報告を聴こうかな」



日も完全に落ちた時刻、報告会としてルークの部屋に仲間たちは集まっていた。各員がそれぞれの場所で得られた情報を報告していると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。

テックが柄に手をかける。

アルトも袖に手を忍ばせていた。

報告会のことはメンバー以外に告げていない。つまり、夜更けにルークの部屋を訪れる不埒者がいるということ。

教会はまだ結界内だが、魔族が入り込んだ可能性も否定できない。

緊張した面持ちでルークは口を開いた。



「どちらさまですか?」


「やぶ遅くに申し訳ありません。聖女長です。内密のお話があります」


「聖女長?」



こんな時間に話とは、緊急だろうか。

視線を寄越すサラにルークが頷く。

念の為にテックに扉を開けさせると、そこには聖女長が深刻な面持ちで立っていた。

テックの姿に目を見開いて驚く。



「出直した方がよろしいでしょうか」


「俺に用事が?」


「いえ、皆様にお話があってきたのですが.....」


「緊急か?」


「はい」


「聴こう」



緊急だと言うくせに、慌てた素振りを見せない彼女を不思議に思いながらも話を促す。

だが、目を伏せるだけ。

これは本格的に怪しい。やはり聖女長は誰かに操られているのではないか。

疑念を抱き始めた頃、ようやく彼女は口を開いた。固く、緊張した声だった。



「部屋にお邪魔してもよろしいでしょうか。ここでは誰が聞き耳を立てているか分からなくて」


「......いいよ、入って」


「ありがとうございます」



ほっと胸を撫で下ろす。

試しに解除魔法(ソルブ)を掛けてみたが、変化は見られない。

緊張していただけか。

問題ない、とサラたちに視線を送った。

テックは柄から手を離したが、アルトは警戒姿勢を崩さずにいる。そんな様子に気付いた様子のない聖女長は、蝋燭を棚に置くと深々と頭を下げた。



「まずは感謝を、それと謝罪を」


「謝罪?」


「単刀直入に申し上げます。どうか、聖遺物をこの街に持ち込まないで欲しいのです」




いいね、ブックマークいつもありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。