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堕落聖女と変態魔王  作者: 竹輪
〜勇者編〜
25/117

4、教会



デブリンに渡ると、ルークたちは早速聞き込みを行った。だがいくら声をかけども「すまない」「忙しい」の一言で、去っていってしまう。


「どうして、皆さん足を止めて下さらないのでしょう?」


聞き込みを始めて1時間経つ。

こうも話が聞けないと、避けられているのではないかと疑ってしまいそうだ。サラはおそらくそう思っているのだろう。悩ましげに眉を下げていた。



「手伝うよ!」


「あ、ああ!すまないね」



木材を運んでいた男に声をかける。

先ほどからそう声をかけてはいたが、逃げられなかったのは彼が始めてだった。

背丈ほどもある木材の端に肩を掛けて、男を前にルークは足を進めた。



「あんたら旅の人かい?それなら、運が悪かったね。誰も話なんか聞いちゃくれないだろう」


「なにかあった?」


「聖遺物が破壊されたんだ。それで結界が保てなくなって、バリケードをね」



困っちまうよ、と苦笑いする男。

魔物は神出鬼没だが、結界が機能していないと知れば好奇だと攻めてくに違いない。

立ち話に付き合えないほど、大忙しなのも頷けた。



「王城から助けは」


「あの人たちは手伝ってなんかくれないよ!ここに来てはいるけど、木材の一つも運びやしない!」



男の声に木材を運んでいた数人が頷く。

誰も隠す気が無いのか、口々に愚痴をこぼす。

近くにいた兵士が罰が悪そうに、裏路地へと姿を消して行った。それでも手を貸さないのは、なにか別の目的があるのだろう。

ルークは兵士を横目に、気遣いの言葉をかけた。



「怪我人はいる?簡単な回復魔法なら使えるけど」


「いや、怪我人はいないさ」


「魔物は全部、倒してくれたからね」


「へえ!聖女たち?」


「あっ、いや...」


「助けてくれたのは旅人さ。聖女は...」


「なあ?」


「被害者ってのかな」



魔物の討伐に関わっていないのに、被害者とは。

首を傾げるルークに、街人たちは困ったように話してくれた。



「俺たちも詳しくは知らないんだが、聖遺物が破壊された時に当直だった聖女が被害にあったらしい」


「完全に気が触れちまってな」


「可哀想に」


「ひとりだったから、なにされたか本人以外は誰も分からなくてな。教会はピリピリしてて、手伝えなんて言えねぇのよ」


「悪いことは言わないから、あそこには近付かない方がいいよ」


「犯人にされちまう」



あんがとな、と街人たちは作業に戻って行った。遠くで様子を伺っていたサラが小走りでやってくる。話は聞いていたらしい。



「どうなさいますか?」


「行ってみようか」



当直の聖女なら、詳しい事情を知っているかもしれない。










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