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海を渡る蝶  作者: バルさん
第一章  新しい人生
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第十三話 「勝者の心境」

昭監督の王者剥奪の一言を聞く一方で

大成高校の平監督と南投手の

インタビューが始まっていた。


「平監督、優勝おめでとうございます。

 今の心境をお聞かせください。」


「そりゃあ、嬉しいですね。

 何て言ったってあの神明高校に

 初黒星をつけたわけですからね。

 うちのもんがようやってくれましたわ。」


「それだけ神明高校相手ということに

 特別な意味があったわけですね。」


「そやね。

 もう二連覇ですか、三連覇?

 甲子園で神明さん相手というだけで

 気持ち的に負けてしまうほど

 絶対的強さみたいなものがありましたからね。

 でも南をはじめ、うちのもんは

 負けん気だけは日本一でしたから、

 そういう相手の時こそ実力以上の力を

 出して戦ってくれましたね。

 その結果が全国優勝ですからら大金星ですよ、ほんま。」


「やはり大金星の中にも、

 結果を裏付ける日々の練習があったんですよね。」


「そらな、

 これまでのわしの無茶な特訓にも

 ようついてきてくれましたわ。わしもホッとしてます。」


「神明の強力打線をわずか一失点に抑えた

 南投手と二得点奪った打線について

 監督から見ていかがだったでしょう。」


「ナイスピッチング!!

 うちのエースナンバーを背負って、

 重圧もあったでしょうに、

 南はよく投げぬきいてくれました。

 ひとまず休んで、次も夏に向けて頑張ってくれると信じてます。

 打線も好投手ぞろいの神明さんから

 よく打って得点してくれました。うちのもんを誇りに思います。」




「南投手、一失点の完投お疲れさまでした。

 優勝兼勝利投手になった今のお気持ちお聞かせください。」


「神明さんの無敗伝説に

 終止符をつけられてとてもすがすがしいです。ただ・・・」


「ただ?」


「新幡投手と最後まで

 投げ合えていないので、

 嬉しさはありません。」


「新幡投手に特別な想いでも?」


「彼は私が知る限り、

 高校史上最高の投手です。

 現に彼からうちも含めて得点できていません。

 彼と投げ合ったうえで勝利してこそ、

 私にとっては本物の勝ち投手になれるのです。」


「なるほど

 しかし、神明には新幡投手以外にも

 阪堂選手などの強打者揃いですよね。

 そこを抑えたことについては?」


「それは先ほども言いましたが、

 ただすがすがしいだけです。

 確かに阪堂さんは強打者ですが、

 私からしてみれば、これまでの神明の打線から

 今日バックスクリーンに本塁打を打たれた

 矢羽君の方が個人的に警戒してました。

 彼の一発で完封が完投になったわけですからね。

 それにバックスクリーンにもっていかれたのは、

 甲子園で投げて始めてでしたから。」



「それでは夏

 また新幡選手と矢羽選手との

 対戦が待ち遠しいですね。」


「はい、是非またこの場で

 対戦できることを楽しみにしています。」




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