No.40 ラミア:情念の泥沼とHカップの重圧抱擁
恩着せがましい上司の「お前のために言っているんだ」という言葉や、絡みついて離れないネチネチとした人間関係は、底なしの泥沼のように足元から精神を絡め取り、自由を奪い去っていく。
前世の俺は、断りきれない「貸し」や「借り」という名のドロドロとしたしがらみに囚われ、常に誰かの顔色を伺いながら、濁った空気の中で窒息しそうになっていた。
現在、俺はどこまでも続く、ジメジメとした暗い泥沼の迷路を彷徨っていた。
足元からは「あの時の恩を忘れたのか」という湿った囁きが泡となって弾け、空中からは有刺鉄線のように鋭いトゲを剥き出しにした魔物、ワイヤー・ネクタイが、蛇のようにうねりながら俺の首筋を狙って這い寄ってくる。
「……くそっ、離せ! 俺を縛るな!」
鋭いトゲが皮膚を掠め、ネチネチとした呪いの言葉が耳元でリピートされる。
このままでは、また誰かのための「道具」として、このドロドロした関係の中に埋もれてしまう。
誰か、この汚れた執着を、もっと強烈で純粋な「独占」で塗りつぶしてくれ……。
俺は縋るような思いで、魂の呪文を叫んだ。
「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー40! 俺のすべてを、占領してくれ!」
ぼよよぉん!
召喚の光と共に、泥沼を切り裂いて巨大な蛇の下半身が躍り出た。
そこにいたのは、情念の籠もった紫色の瞳を持つラミアだった。
Hカップの圧倒的な質量を誇る双丘を、申し訳程度の面積しかないエキゾチックな布切れで隠した彼女は、現れるなり俺を品定めするように見つめた。
「ふふ、一肆様……。お呼び立て、ありがとうございますわ。こんな醜い紐たちに触れられて、さぞお辛かったでしょう?」
彼女は巨大な蛇の下半身をくねらせ、真っ先に俺の体に絡みついてくる。
その独占欲に反応するように、ワイヤー・ネクタイたちが一斉に牙を剥いた。
「お前は組織の駒だ」「勝手な自由など許さない」という不快なノイズが物理的な殺意となり、彼女の白い肌、そして豊かなHカップの胸元にまで突き刺さろうと収縮してくる。
俺は自分を「利用」しようとする外敵を排除するため、魂のスキルを発動した。
「万物円満!」
俺の『π=314』の力が、ラミアの巨大な体躯に宿る情念のエネルギーを百倍に増幅させる。
「ふふ、よく見ていてくださいませ。あなたを縛るノイズは、こうして差し上げますわ」
──とぐろ巻きクッション!
百倍の包容力を得たラミアは、迫りくる有刺鉄線の束を、自らのHカップの双丘と蛇の体躯で一気に包み込んだ。
鋭いトゲが彼女の柔らかな肌に触れる瞬間、Hカップの暴力的な柔らかさがトゲのすべてを呑み込み、その攻撃性を甘美な弾力へと変換していく。
蛇の下半身が目にも止まらぬ速さでとぐろを巻き、鋭角なネクタイたちを次々と巻き取って押し潰した。
ガチガチと鳴っていた金属音は消え、トゲだらけのネクタイは一瞬にして、丸くて巨大なヘビのぬいぐるみクッションへと姿を変えていた。
不快な泥沼の迷路は、いつの間にかラミアの甘い香りが漂う、暗く温かい彼女の巣へと変貌していた。
ラミアは先ほど作り出した巨大なクッションの上に俺を横たわらせると、自らの巨大な蛇の下半身で、俺の全身を逃げ場のないほど完璧に巻き上げた。
「さあ、一肆様。蛇のぬくもりギュッギュしてあげますわ。もう、外の世界の濁った声なんて、何も聞こえませんわよ」
「……っ、ラミア。これ、すごい力だ……でも、不思議と怖くない。重たいのに、守られてる感じがする……」
「ふふ、当然ですわ。私の心臓の音を、あなたの全身で感じてくださいませ。一肆様は、ただ私の温度だけを吸い込んで、私に溺れていればよいのですわよ」
ラミアの甘やかしは、圧倒的な重みによる完全なる「独占」だった。
正面からはHカップの豊満な双丘が顔を埋めるように押し付けられ、背後からは強靭で温かい蛇の腹が、俺を逃がさぬよう完璧な圧迫感で包み込む。
それはまるで、命を持った重たい毛布のようだ。
恩着せがましい人間関係などという不確かなものではなく、ただ「圧倒的な重みを持つ純粋な執着」だけが、俺を全方位から物理的に支配してくる。
俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白を開始した。
恩着せがましい人間関係という名のネガティブなノイズデータが、彼女のHカップと蛇体による絶対的な占有によって、完全に物理的に上書きされている……!
精神を蝕んでいた閉塞感のエラーが、この『物理的な重圧と密着』という最強の肯定によって、深い安心感へと変換されていくのがわかる……!
「ラミア……あんたの胸、本当に熱いな。……もう、外の誰が何を言おうと、どうでもよくなってきたよ」
「ええ、そうですわ一肆様。ずっと、ずっと……ここで私のとぐろに巻かれて、私だけを見つめていればいいのです。ふふ、死ぬまで逃がしませんわよ……?」
ヤンデレなラミアの重たすぎる囁きと、肺の空気が押し出されるほどのHカップの接触圧に完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に深い安心の闇へと沈んでいった。
やはり、世界は丸いほうがいい……











