No.39 マイア:深海の沈塞感とCカップのぷかぷかセラピー
仕事の波に溺れ、次から次へと押し寄せるタスクの渦中で息継ぎすら許されない沈塞感。
それは人間の生存本能を摩耗させ、思考回路を重い鉛のように沈み込ませていく。
前世の俺は、終わりの見えない業務の深海で、ただ酸素が尽きるのを待つような絶望の中にいた。
今、俺の視界は光の届かない濁った海底に沈んでいた。
上空からは、鋭利に尖った巨大な鉄の塊、魔物「シャープ・アンカー」が、無数の鎖を引き連れて俺の体に絡みつこうと降り注いでくる。
逃げようとしても、足元に絡みつく「未処理の案件」という名の重りが、俺をさらに深い暗闇へと引きずり込んでいく。
「きゅきゅ! 一肆くん、そんなところで何してるんだきゅ! ここは暗くてお魚さんもいないんだよっ!」
泡の音と共に、聞き慣れない明るい声が鼓膜を震わせた。
暗い海中を突き破って現れたのは、イルカのような滑らかで弾力のある肌を持つ水棲獣人の海女、マイアだった。
濡れたような青いショートヘアを揺らし、スクール水着を思わせる海女着に包まれた彼女は、俺を見つけるなり全力で泳いで近づいてくる。
「一肆くん! 見ーつけたっ! きゅきゅーっ!」
「わっ、ちょっとマイア、近い、近いって!」
彼女は人懐っこい笑顔で俺の首筋に抱きつき、流線型のしなやかな体を全力で擦り付けてきた。
海女着の薄い生地越しに、Cカップの胸のぷにぷにとした弾力が二の腕を圧迫する。
水に濡れた肌の滑らかな質感が、焦燥感で乾ききっていた俺の意識を強引に引き戻していく。
「だって一肆くん、すごく苦しそうな顔してたんだもん! ほら、わたしの肌を触って! つるつるで気持ちいいんだよ!」
「あ、ああ、確かにすごい弾力だけど……今はそれどころじゃ……上が、来るぞ!」
俺たちの頭上で、巨大なシャープ・アンカーが鋭い先端をこちらに向けて静止した。
次の瞬間、それは音もなく急降下し、俺たちを海底の泥の中へと完全に固定しようと、鋭利な鎖を四方八方から伸ばしてくる。
「きゅ!? これ、すごく邪魔だきゅ! 一肆くんとのハグを邪魔するなんて、悪いアンカーだね!」
「くそっ、鎖が……! マイア、このままじゃ二人とも沈んでしまう!」
鋭い鎖がマイアのCカップの胸元にまで迫り、彼女の自由を奪おうとする。
重圧、沈塞感、そして息ができないという恐怖。
俺はマイアの滑らかな肌の温もりを支えに、最後の力を振り絞って魂のスキルを叫んだ。
「万物円満!」
俺の『π=314』の力が、マイアの流線型の体に宿るまあるいエネルギーを百倍に増幅させる。
「きゅきゅきゅーっ! なんだか体がもっとつるつるのぷにぷにになったきゅ! 一肆くん、見ててね! バブル・リング・ダイブ!」
百倍の滑らかさを得たマイアは、Cカップの胸を突き出し、イルカのように華麗な旋回を見せた。
鋭い鎖の包囲網を、彼女の流線型の胸が滑るようにすり抜けていく。
鋭利なアンカーの角がマイアの弾力ある肌に触れた瞬間、激しい摩擦エネルギーが水を沸騰させ、アンカーの角を瞬時に丸く削り取っていった。
「それっ! きゅきゅきゅーっ!」
削り取られたアンカーは、次々とパステルカラーの丸い浮き輪へと姿を変えていく。
俺たちを海底へ引きずり込んでいた「重圧」は、一瞬にして俺たちを水面へと押し上げる「浮力」へと書き換えられた。
「きゅっふー! お日様だきゅ! 一肆くん、お顔を出して!」
水面へと浮上した俺たちは、太陽の光が優しく降り注ぐ、温かい浅瀬へとたどり着いた。
そこにはもう、俺を沈めるアンカーも、俺を縛る鎖も存在しない。
マイアは仰向けに浮かぶ俺の下に潜り込み、俺を抱きかかえるようにして固定した。
──波間のぷかぷかセラピー
「一肆くん、もっと力を抜いて。全部わたしに預けちゃうんだきゅ!」
「マイア、これ……。浮力がすごくて、体が浮いてるみたいだ」
「そうでしょ! わたしの胸は、海で一番の浮き輪なんだよ! きゅふふ、ぷかぷかセラピーだきゅ!」
彼女のCカップの胸が、俺の背中をやさしく、力強く支えている。
海女着の下にある、イルカのような弾力に満ちたその双丘は、物理的な重力を完全に無効化し、俺を無重力のような至福の感覚へと誘う。
マイアは俺の耳元で、透き通るような美しい歌声を響かせ始めた。
「きゅ〜、きゅきゅ〜……」
言葉ではないが、心に直接語りかけてくるようなメロディ。
俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白を開始した。
仕事の波に溺れる沈塞感という負のデータパケットが、彼女のCカップの浮力という『完全な脱力状態』によってすべて破棄されていく……!
脳波が彼女のイルカの歌声によって理想的なアルファ波へと同期され、慢性的なストレスのキャッシュが、温かい海水と共に完全にクリアされていくのがわかる……!
「マイア……本当に、息がしやすいよ……」
「よかったきゅ! 一肆くんが苦しい時は、いつでもわたしが迎えに行ってあげるんだきゅ! だから、もう暗いところに一人で行っちゃダメだよ?」
「ああ。……マイアの胸、本当に柔らかくて……温かいな……」
「きゅきゅっ! もっとくっついちゃうきゅ!」
人懐っこいイルカ海女の激しいスキンシップと、Cカップの胸がもたらす無重力のような安らぎ。
俺は彼女の温かい肌の感触に完全に自我を溶かされながら、寄せては返す波の音と共に、賢者タイム気味に深い眠りへと落ちていった。
やはり、世界は丸いほうがいい……











