No.34 ジン:熱血サウナとEカップの打ち上げ花火
理不尽な怒号や、ロジックのない感情的な叱責は、精神の論理回路をショートさせる致命的なバグだ。
前世の俺は、筋の通らない上司の感情的な爆発や、ただ大声で威圧されるだけの環境に晒され続け、自律神経のパラメーターが常に異常値を叩き出していた。
現在、俺は異世界の乾いた荒野で、炎の精霊である格闘家、ジンと共に体力作りのための厳しい修行を行っていた。
燃えるような赤髪のショートヘアを揺らし、熱気を感じる褐色の肌に汗を光らせる彼女。
道着のズボンの上は、Eカップの豊満な双丘を真っ白なサラシで乱暴に巻いただけという、見ているだけで汗をかきそうな暑苦しい姿だ。
「気合いが足りねえぞ、一肆! もっと声出して、腹から気合い入れろ!」
バテ気味の俺に対し、ジンは体育会系全開の怒号のような大声で檄を飛ばす。
彼女に悪気はなく、純粋な熱血と励ましのつもりなのはわかっている。
しかし、その大きすぎる声と圧の強さが、俺の脳内にこびりついていた前世の「理不尽な怒号」のトラウマを強烈に刺激してしまった。
唐突に空間がバグのように歪み、鼓膜を破るような不快な高周波が荒野に鳴り響く。
空間の裂け目から無数の魔物、ギザギザ・ノイズが出現した。
それは、耳を劈く不協和音の波形が物理的な鋭い刃となって空を飛ぶ、ロジックのない感情の暴力そのものだった。
「なんだこのうるせえギザギザは! オレの気合いでぶっ壊してやるぜ!」
ジンは全く怯むことなく、正面からノイズの群れへと突撃していく。
しかし、物理的な打撃が通用しにくい音波の刃に囲まれ、彼女の拳は空を切り、逆に鋭い波形に胸元のサラシを切り裂かれそうになる絶体絶命のピンチに陥ってしまった。
理不尽なノイズの刃が、ジンと俺をミンチにしようと全方位から殺到する。
俺はトラウマの恐怖を振り切り、ジンをかばいながら限界の精神力で魂のスキルを発動した。
「万物円満!」
俺の『π=314』の力が、ジンの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。
「うおおお! み・な・ぎ・る・ぜー!!」
百倍の熱量と弾力を得たジンは、脚を大きく開いて大地を踏みしめ、サラシの下で弾け飛びそうなEカップの双丘を限界まで反らしてエネルギーを溜め込んだ。
そして、迫り来るギザギザ・ノイズの中心に向かって、Eカップの圧倒的な弾力とバネを乗せた渾身の正拳突きを放つ。
「オレの熱気で、全部丸く燃やし尽くしてやるぜ!──爆熱・大玉花火!!」
Eカップの反発力から放たれた強烈な衝撃波と炎の熱気は、鋭利な音波の波形をことごとく丸く打ち砕き、一直線に夜空へと吹き飛ばした。
空中で限界まで膨張したノイズたちは、大音響と共に爆発し、夜空を彩る巨大で丸い、色鮮やかな打ち上げ花火へと美しく変換されたのだ。
戦闘が終わり、花火の熱気が周囲を包み込むと、荒野は一瞬にしてヒノキの香りが漂う適温のサウナ室へと変貌していた。
ジンは俺をサウナのベンチに座らせると、汗だくの褐色の肌を密着させ、Eカップの熱く豊かな双丘で正面から俺をガッチリと抱きしめてきた。
「さあ一肆、一緒に限界まで汗流して、嫌なもん全部出し切るだろ!」
サウナの心地よい熱気と、彼女の暴力的で柔らかな胸の圧迫感。
限界まで汗をかかされた俺は、その後ジンに抱えられたまま冷たい水風呂へと放り込まれ、最後は満天の星空の下で外気浴のベンチへと寝かせられた。
夜風を浴びながら、俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白を開始した。
理不尽な怒号という論理的破綻のエラーデータが、サウナの熱気による強制デトックスとEカップの圧迫によって完全に初期化されている……!
交感神経と副交感神経の急激なスイッチングにより、過負荷状態だった自律神経のパラメーターが完璧に『ととのう』状態へと最適化され、すべてのノイズがクリアな静寂へと変換されていく……!
「ジン……すげぇ、気持ちいい……体も頭も、真っ白だ……」
「へへっ、いい顔になったぜ一肆! オレの胸で、ゆっくり休むだろ!」
炎の精霊の暑苦しいほどの熱意と、Eカップの極上の弾力に完全に自我を溶かされながら、俺は夜空に咲いた花火の残像と隣で笑うジンの温もりの中で、俺は賢者タイム気味に完璧なトランス状態に陥っていく。
やはり、世界は丸いほうがいい……











