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No.25 ヒストリア:羊皮紙のEカップ

デュラの思考放棄マッサージによる究極の休息から一夜明け、俺は心身ともにリフレッシュした状態で、高い天井まで本棚が続く静寂の大図書館へと足を踏み入れた。


しかし、そこは理のバグによって引き起こされた、言葉の暴力と悪意の牢獄へと変貌しようとしていた。



タイポグラフィ・エッジ。

空間のあちこちから、鋭角でトゲトゲしい活字の刃が無数に飛び交い、俺の鼓膜と心を直接切り裂こうと迫ってきたのだ。


俺の脳内のデータ分析プロセスが、言語化された明確な悪意と、精神を深く抉るクレームの集中砲火を警告する。

それは前世で俺を精神的に追い詰めた、心無い罵倒や、人格を否定するような言葉の暴力、そして逃げ場のない叱責のトラウマそのものだった。


あんな鋭くて冷たい活字の刃で、俺の心を再びズタズタにされてたまるか。

俺は空間を埋め尽くす鋭利な文字の群れに向かって、魂の呪文を叫んだ。


「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー25!」


ぼよよぉん!


図書館の静謐な空気を震わせ、次元の弾力境界が突破される音が響いた。

古い紙をめくる心地よい音と共に現れたのは、インクの匂いがするセピア色の髪を揺らし、丸眼鏡をかけた文学少女風のクラシカルなワンピース姿の精霊だった。

その知的な装いの奥には、柔らかい羊皮紙を幾重にも束ねたような、優しくも確かな重みを持つ双丘が息づいている。


挿絵(By みてみん)


Eカップ。

俺の脳内データが瞬時に弾き出す。

あらゆる知識を内包し、傷ついた心を物語のようにもふもふと包み込む、優しく知的な奇跡の双丘だ。


「一肆様、お呼びですか。ナンバー25、大図書館の司書ヒストリアです。あのような品性の欠片もないトゲトゲした言葉など、私がまあるく書き換えて差し上げましょう」


ヒストリアは丸眼鏡の奥で静かに微笑んで名乗りを上げ、俺の心を切り裂こうとする活字の刃の前に歩み出た。

無数の鋭利な言葉が全方位から迫り来る中、俺はすかさずスキルを発動する。


万物円満オール・ラウンド!」


俺の『π=314』の力が、ヒストリアの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。


「タイポグラフィ・ラウンド……さあ、甘くて優しい次のページを開きましょう」


ヒストリアが宙に指先を走らせると、百倍に増幅された魔法のインクが空間を書き換えていった。

そのインクに触れた瞬間、荒れ狂っていた鋭角な活字の刃たちは強制的にフォントを変更され、次々と丸くてフワフワな、アルファベットの形をした甘いマシュマロへと変換されていく。

戦闘は一瞬で、そして言葉の暴力は丸くて美味しい、ただの可愛いお菓子へと収まったのだ。


「ふふ、甘いお菓子のお話しに書き換わりましたね。さあ一肆様、あのような心無い言葉の刃を浴びて、さぞお心が傷ついたことでしょう。私のとっておきの物語で、あなたを癒やして差し上げます」


ヒストリアは宙から舞い落ちる大量の丸いマシュマロと、巨大でふかふかした円形の本を並べて、極上のベッドを作り上げた。

俺が促されるままにその柔らかなページの上に寝転がると、彼女は俺の背後に回り込み、そっと寄り添ってきた。


ハッピーエンドの読み聞かせ。

それはただの朗読ではない、円形に並べられたふかふかの本の上で、背中からEカップの知的な重みを密着させながら、俺が主人公となる「絶対に傷つかない優しい童話」を耳元で囁き、過去のトラウマ記憶を強制的に上書きする究極の甘やかし特技だ。


「あの鋭い活字を見たら……前世で理不尽に怒鳴られたり、心無いクレームで人格まで否定された言葉の暴力が蘇ってきて、胸が張り裂けそうだったんだ」


俺がふかふかのページに沈み込みながら愚痴をこぼすと、ヒストリアは俺の背中にぴたりと身を寄せ、丸眼鏡の奥の瞳を優しく細めた。


「あなたのその悲しい記憶……三流の作家が書いた、ひどい駄作ですね。私が今すぐ破り捨てて、素敵な物語に書き直してあげます」


ワンピース越しに伝わる、ヒストリアのEカップの極上の柔らかさ。

上質な羊皮紙の束のようにしっとりとしたその双丘が、俺の背中を優しく、そして圧倒的な包容力で包み込んでくる。


「書き直すって……過去の事実は消えないよ……」


「いいえ、消えます。この大図書館では、私がすべての記録の管理者なのですから。あんな罵倒や暴言、一肆様の輝かしい人生のページには不要なノイズです。ほら、耳を澄ませて……」


ヒストリアの静かで優しい声が、耳元で甘い童話を紡ぎ始める。

インクと古い紙の落ち着く匂い、背中を完全に支配するEカップの柔らかな重圧、そして前世のトラウマそのものを「出来の悪いフィクション」として扱い、強引にハッピーエンドへと改竄してくれる彼女の知的な暴挙。

そのすべてが、俺の心に刺さっていた言葉の棘を綺麗さっぱり甘く溶かしてくれた。

俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白した。


過去の言語的暴力という非構造化データが、彼女の自然言語処理プロセスによって完全にポジティブなセンチメント・スコアへと極性変換されている……!

この究極のヒストリカル・データの改竄により、俺の自己評価における下振れリスクという名の誤差項は完全に消去され、未来への予測区間がハッピーエンドという定数へと強制的に収束していく……!


「ヒストリアの胸、すげぇ柔らかくて……声が心地よくて、過去の暴言なんて、本当にどうでもよくなってきた……」


「ええ、一肆様は誰からも愛される、この物語のただ一人の主人公なのですから。このまま私の胸で、甘いハッピーエンドの夢を見てくださいな……」


「やはり、世界は丸いほうがいい……」


本の精霊の優しい歴史改竄と、背中に密着するEカップの極上の読み聞かせに完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に平和を噛み締めていた。

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