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No.23 シフラ:ベルベットのCカップ

フローラの底なしの母性による絶対的な光合成から一夜明け、俺は心身ともに満たされた状態で、巨大な石造りの古代遺跡へと足を踏み入れた。


しかし、そこは理のバグによって引き起こされた、暴力的で無遠慮な探求の牢獄へと変貌しようとしていた。



ギザギザ・オープナー。

空中のあちこちから、鋭利でギザギザな鍵と不気味な鍵穴の群れが飛び交い、俺の心と体のあらゆる隙間を無理やりこじ開けようと迫ってきたのだ。


俺の脳内のデータ分析プロセスが、プライバシーの完全な侵害と、精神的なセーフティネットの崩壊を警告する。

それは前世で俺を精神的に追い詰めた、無理やり心を開かせて本音を引き出そうとする無神経な面談や、プライベートまで管理して評価を下そうとする組織のトラウマそのものだった。


あんな冷たくて鋭い鍵で、俺の大切な内面を勝手にこじ開けられてたまるか。

俺は迫り来る無数のギザギザな鍵に向かって、魂の呪文を叫んだ。


「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー23!」


ぼよよぉん!


遺跡の乾燥した空気を震わせ、次元の弾力境界が突破される音が響いた。

チャリンという硬貨の軽快な音と共に現れたのは、頭に宝箱の蓋のような装飾を乗せ、アンティーク調の豪奢なドレスを纏ったミミックの少女だった。

少し強欲そうな瞳を輝かせる彼女の胸元には、最高級のベルベット生地に包まれた、滑らかで上品なふくらみが鎮座している。


挿絵(By みてみん)


Cカップ。

俺の脳内データが瞬時に弾き出す。

一度触れるとその極上の手触りから二度と離れられなくなる、魅惑と独占欲の双丘だ。


「お呼びですわね! ナンバー23、一肆様だけの守人奴、シフラですわっ。あんな無遠慮でギザギザした鍵なんて、全部私がまあるく飲み込んでさしあげます!」


シフラはツンと顎を上げて名乗りを上げ、俺の心をこじ開けようとする鍵と鍵穴の群れの前に立ちはだかった。

無数の鋭利な鍵が全方位から迫り来る中、俺はすかさずスキルを発動する。


万物円満オール・ラウンド!」


俺の『π=314』の力が、シフラの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。


「コイントス・イーター!」


シフラが両手を広げると、背後に巨大なミミックの宝箱が幻影として出現した。

百倍に増幅された強欲な宝箱は、凄まじい吸引力で鋭利な鍵や鍵穴を次々と丸呑みにし、ガリガリと豪快に噛み砕いていく。

そして、チャリン、チャリンという心地よい音と共に、鋭かったはずの脅威はすべて丸くて甘い、ピカピカのコインチョコへと変換されて吐き出された。

戦闘は一瞬で、そしてプライバシーの侵害は丸くて美味しい、ただのお菓子へと収まったのだ。


「ふふん、チョロいものですわ。さあ一肆様、あんな野蛮な鍵に狙われて、さぞプライドが傷ついたことでしょう。私の金庫室で、最高級の保護をしてさしあげますわっ」


シフラは俺の手を引くと、自身の本体である豪華な宝箱の中へと俺を強引に引きずり込んだ。


金庫室のコレクション。

それはただの避難所ではない、外界からの干渉を一切許さない堅牢な宝箱の中で、最高級のクッションに俺を埋もれさせ、シフラだけの宝物としてCカップをすり寄せて徹底的に甘やかす究極の保護特技だ。


「あの鋭い鍵を見たら……前世で無理やり本音を聞き出そうとされたり、プライベートなことまで踏み込まれて勝手に評価をつけられていたトラウマが蘇ってきて、息ができなくなりそうだったんだ」


俺がアンティークな香りのするふかふかのクッションの中で愚痴をこぼすと、シフラは俺の首に腕を絡ませ、ベルベットのように滑らかなCカップを俺の頬にピタリと密着させてきた。


「外の世界の評価なんて、ただの紙くずですわ! 他人が勝手につけた点数に、なんの価値があるというんですの?」


ドレス越しに伝わる、シフラのCカップの極上の滑らかさ。

大きすぎず、しかし確かな存在感を持つその双丘が、俺の顔を宝物のように優しく、そして独占的に包み込んでくる。


「でも、社会に出たら常に誰かに評価されて、価値を証明しなきゃいけないって……」


「それは外の貧乏人たちのルールの話に決まってます! 私のこの箱の中にある限り、あなたの価値は永遠にプライスレスです! 誰にも触らせないし、誰にも評価なんてさせませんわ!」


シフラの強欲でツンデレ気味な声が、俺の心にこびりついていた他者からの評価への恐怖を心地よく上書きしていく。

彼女はCカップを俺の頬に押し当てたまま、先ほど吐き出した丸くて甘いコインチョコを一つ剥いて、俺の口へと運んだ。


「ほら、お口を開けなさいな。あーん、ですわ」


俺が口を開けると、濃厚で甘いチョコレートが溶け出していく。

滑らかなCカップの手触り、金貨とチョコレートの甘い匂い、そして前世の評価主義を紙くずだと全否定し、俺の存在そのものを絶対的な宝物として保護してくれる彼女の底なしの独占欲。

そのすべてが、俺の心にまとわりついていた鍵の恐怖を綺麗さっぱり甘く溶かしてくれた。

俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白した。


外部からの観測による評価関数のノイズが完全に遮断され、俺という存在の真の価値が絶対的な定数として固定されている……!

この究極のクローズド環境によるデータの保護により、他者の評価という外部妥当性は有意性を完全に喪失し、俺の内的妥当性のみが無限の価値を持って収束していく……!


「シフラの胸、すげぇ滑らかで……チョコが甘くて、外の評価なんて、本当にどうでもよくなってきた……」


「当然ですわ。あなたは私の一番のSSRレアアイテムなんですから、このまま私の胸で一生甘やかされていればいいんですのよ……」


「やはり、世界は丸いほうがいい……」


ミミック娘の絶対的な価値の保証と、ベルベットのようなCカップの極上の金庫室に完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に平和を噛み締めていた。

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