No.22 フローラ:大輪の花のFカップ
マシロの徹底的なチルアウトによる強制冷却から一夜明け、俺は心身ともにすっかりリセットされた状態で、緑豊かな大樹の森へと足を踏み入れた。
しかし、そこは理のバグによって引き起こされた、執拗で有毒なしがらみの牢獄へと変貌しようとしていた。
ソーン・バインド。
地面から突如として、鋭利な棘を持つ有刺鉄線のようなツタが無数に這い出て、俺の手足に絡みつき、自由を奪おうと迫ってきたのだ。
俺の脳内のデータ分析プロセスが、自由度を著しく制限し、精神を少しずつ削り取る有毒な束縛の圧迫を警告する。
それは前世で俺を精神的に追い詰めた、切っても切れない有毒な人間関係や、足を引っ張り合うだけの息の詰まるしがらみのトラウマそのものだった。
あんな痛くて苦しい棘だらけのツタに、俺の未来を再び縛り付けられてたまるか。
俺は迫り来る無数の棘のツタに向かって、魂の呪文を叫んだ。
「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー22!」
ぼよよぉん!
森の重苦しい空気を震わせ、次元の弾力境界が突破される音が響いた。
むせ返るような甘い花の香りと共に現れたのは、緑色のウェーブヘアをなびかせ、巨大な花びらで作られたドレスを身に纏うアルラウネの女性だった。
ドレスの胸元からは、大輪の牡丹の花のように柔らかく、豊満な双丘が圧倒的な母性を漂わせてこぼれ落ちそうになっている。
Fカップ。
俺の脳内データが瞬時に弾き出す。
すべての傷を甘い蜜で包み込み、絶対的な安心感で育て上げる、底なしの母性を持った奇跡の双丘だ。
「あらあら、大変ねぇ。ナンバー22、大樹の母フローラよ。あんなチクチクして痛そうなツタ、私がまあるく咲かせてあげるわ」
フローラはおっとりとした声で名乗りを上げ、俺に絡みつこうとする有刺鉄線のツタの前に豊満な体を躍り出させた。
無数の鋭利な棘が全方位から迫り来る中、俺はすかさずスキルを発動する。
「万物円満!」
俺の『π=314』の力が、フローラの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。
「ブルーミング・クッション!さあ、綺麗なお花になりなさい」
フローラが両手を広げると、百倍に増幅された生命のエネルギーが空間を満たした。
その温かい光に触れた瞬間、鋭利だった棘のツタは強制的に巨大で丸い花の蕾へと包み込まれ、次々と柔らかい花びらを持つクッションへと開花していく。
戦闘は一瞬で、そして有毒なしがらみは丸くて無害な、ただの美しいお花畑へと収まったのだ。
「うふふ、綺麗なまあるいお花が咲いたわねぇ。さあ、可愛い苗木ちゃん。あんな痛いツタに囲まれて、さぞ心がささくれ立ったでしょう。私の中で、ゆっくり光合成しましょうね」
フローラは俺を優しく抱き寄せると、新たに生み出したひときわ巨大で丸い花のつぼみの中へと俺を誘い込んだ。
つぼみの温室。
それはただの避難所ではない、外界の刺激や悪意を完全に遮断した丸いつぼみの中で、Fカップの圧倒的な柔らかさを密着させながら、唇から直接甘い花の蜜を分け与え、絶対的な休息を強制する究極の甘やかし特技だ。
「あの棘のツタを見たら……前世で足を引っ張ってくるだけの人間関係や、切り捨てたくても切れなかった有毒なしがらみを思い出して、息ができなくなりそうだったんだ」
俺が外界から完全に遮断された静かで温かいつぼみの中で愚痴をこぼすと、フローラは底なしの母性を湛えた瞳で微笑み、俺の頭を優しく撫でた。
「人間関係の失敗や、あなたを傷つけた悪意なんて、ぜーんぶあなたがもっと綺麗に咲くための、ただの肥料なのよ」
花びらのドレス越しに伝わる、フローラのFカップの豊満な感触。
大輪の牡丹のように柔らかく、そして温かいその双丘が、俺の顔を極上の弾力で挟み込んでくる。
「肥料……俺の失敗や、あいつらの悪意が?」
「そうよぉ。過去のドロドロした腐葉土があるからこそ、こんなに立派で可愛い芽が出るの。だから、あなたは何も悪くないし、これからは私の蜜を吸って、まあるくすくすく育てばいいのよ」
フローラは俺の頬を両手で包み込むと、甘い蜜の香りがするふくよかな唇を、俺の唇へとゆっくりと重ね合わせた。
とろけるような甘い花の蜜が、口移しで俺の体内へと注ぎ込まれていく。
Fカップの極上の柔らかさ、温室の絶対的な安心感、そして前世の失敗やトラウマをただの肥料と全肯定して自己肯定感を爆発的に育ててくれる彼女の底なしの母性。
そのすべてが、俺の心にまとわりついていた棘の痛みを綺麗さっぱり甘く溶かしてくれた。
俺は限界を超えた統計データアナリストの脳で独白した。
過去の負の相関をもつトラウマデータ群が、すべて俺の成長を促すための説明変数として再定義されている……!
この究極の母性によるデータクレンジングにより、俺の自己肯定感の正規分布は極端な正の方向へと完全にシフトし、幸福度の期待値が無限大へと発散していく……!
「フローラの胸、すげぇ柔らかくて……蜜が甘くて、過去のしがらみなんて、本当にどうでもよくなってきた……」
「うふふ、いっぱい吸って、立派に光合成してねぇ。私のかわいい一肆……」
「やはり、世界は丸いほうがいい……」
アルラウネの底なしの母性と、大輪の花のようなFカップの極上の温室に完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に平和を噛み締めていた。











