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No.21:マシロ:雪見大福のDカップ

5人の女の子たちによるカオスな「あっち向いてホイ」争奪戦から一夜明け、俺はようやく平穏な歩みを取り戻していた。


限界を超えた眼福と柔らかさの記憶を反芻しながら、俺は気温の高い火山地帯の入り口へと足を踏み入れた。

しかし、そこは理のバグによって引き起こされた、焦燥と熱狂の牢獄へと変貌しようとしていた。



バーニング・エッジ。

空中のあちこちで空気が爆ぜ、無数の鋭角な火の粉と、ギザギザに尖った炎の刃が俺を焼き尽くそうと飛来してきたのだ。


俺の脳内のデータ分析プロセスが、周囲の急激な温度上昇と、致死量の熱的ストレスを警告する。

それは前世で俺を精神的に追い詰めた、常に高いモチベーションを強要される熱血指導や、少しでも立ち止まれば浴びせられる怒号、そして心身が燃え尽きる寸前まで追い込まれた「炎上」のトラウマそのものだった。


あんな息の詰まるような熱さとプレッシャーの中で、再び俺の心が燃えカスにされてたまるか。

俺は迫り来る無数の炎の刃に向かって、魂の呪文を叫んだ。


「出でよっ、ぱいぱいっ! ナンバー21!」


ぼよよぉん!


灼熱の空気を凍てつかせ、次元の弾力境界が突破される音が響いた。

冷たい吹雪と共に現れたのは、透き通るような白い肌と銀色のストレートヘアを持つ、着物風の分厚いルームウェアを着込んだ雪女の少女だった。

だぼっとした部屋着の胸元からは、ひんやりと冷たく、雪見大福のようにもちもちとした極上の双丘が存在感を主張している。


挿絵(By みてみん)


Dカップ。

俺の脳内データが瞬時に弾き出す。

熱狂を静かに冷まし、究極のチルアウトを提供する、ひんやり甘い奇跡の双丘だ。


「ふぁあ……お呼びだよねぇ。ナンバー21、氷の番人のマシロだよぉ。あんな暑苦しくてトゲトゲした火の粉なんて、見ているだけで疲れるでしょ」


マシロは気だるげに欠伸をしながら名乗りを上げ、俺を焼き尽くそうとする炎の刃の前にだらりと歩み出た。

無数の熱の刃が全方位から迫り来る中、俺はすかさずスキルを発動する。


万物円満オール・ラウンド!」


俺の『π=314』の力が、マシロの丸いエネルギーを百倍に増幅させる。


「もう、あっついなぁ……スノー・グローブ」


マシロが指先で空中に円を描くと、百倍に増幅された極寒のエネルギーが空間を包み込んだ。

その冷気に触れた瞬間、荒れ狂っていた鋭角な炎の刃たちは強制的に丸く凍結させられ、ガラス玉のような美しい丸いスノードームの中へと閉じ込められてしまった。

戦闘は一瞬で、そして熱い脅威は丸くて無害な、ただの冷たいインテリアへと収まったのだ。


「あーあ、溶けちゃうかと思ったぁ。はい、おしまいだよー。ねえ一肆、あんな熱いところにいたら頭がショートしちゃうでしょ。こっちで冷まそ」


マシロはポンッと手を叩き、分厚い氷でできた巨大で丸いかまくらを作り出した。

俺が手を引かれて中に入ると、そこにはぽかぽかのコタツが用意されていた。


かまくらコタツ。

それはただの避難所ではない、外界の暑苦しい熱気を完全に遮断した丸いかまくらの中で、冷え性の彼女と一緒にコタツに入り、オーバーヒートした俺の頭にDカップの冷たい胸を密着させて強制冷却する究極の甘やかし特技だ。


「あの炎の刃を見たら……前世で常に結果を出せって急かされて、怒鳴られて、燃え尽きる寸前まで働かされていたトラウマが蘇ってきて、息ができなくなりそうだったんだ」


俺がコタツの温もりと冷たい空気の絶妙なバランスの中で愚痴をこぼすと、マシロは俺の頭を引き寄せ、自らの胸にすっぽりと埋めた。


「人間ってバカみたいだよねぇ。熱くなっても、結局自分がドロドロに溶けちゃうだけなのに。意識高い系とか、見てるだけで暑苦しいでしょ」


ルームウェア越しに伝わる、マシロのDカップのひんやりとした感触。

雪見大福のような極上の弾力と冷たさが、俺のオーバーヒートした脳髄をじわじわと甘く冷却していく。


「でも、頑張らないと置いていかれるって、ずっと焦ってて……」


「いいんだよぉ、そんなの。燃え尽きるまで努力するなんて、ただの無駄な自己犠牲だよね。一肆はもう何もしなくていいの。マシロと一緒に、ここでずっと冷たくひきこもろぉ」


マシロのダウナーな声が、俺の心にこびりついていた焦燥感を心地よく麻痺させていく。

彼女は冷たい胸に俺の顔を埋めさせたまま、白い指先で器用にみかんを剥き始めた。


「ほら、お口あけて。あーん」


俺が口を開けると、甘酸っぱくて冷たいみかんの実が放り込まれる。

ひんやりとしたDカップの感触、コタツの温もり、そして前世の熱血や努力を溶けて消えるだけのバカみたいな行為と全否定してくれる彼女の徹底した怠惰の肯定。

そのすべてが、俺の心にまとわりついていた炎の呪縛を綺麗さっぱり凍結させてくれた。


「マシロの胸、ひんやりしててすげぇ気持ちいい……。もう、焦って頑張るのなんて、本当にどうでもよくなってきた……」


「ふふっ、えらーいえらーい。そのまま思考停止して、マシロで涼んでてねぇ……」


「やはり、世界は丸いほうがいい……」


雪女の徹底的な怠惰の肯定と、雪見大福のようなDカップの極上の冷却に完全に自我を溶かされながら、俺は賢者タイム気味に平和を噛み締めていた。

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