表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の娘  作者: 飛鳥弥生
44/136

ハードワーク

第四十四章~吾輩の無敵のカイザーナックルの巻


 煙草でけむたい以外は快適な保健室で僕らは露草氏と談笑していた。

 と、ミサキ氏はベッドに横になっていた。

「寝るんやったらカーテン閉めるで?」

「ああ。アイマスクして横になるだけだから、お構いなくー」

 と言った五分後には寝息を立てているミサキ氏。薬がなくても徹夜で、かつ色んな意味でハードだったので――主に前村歩{まえむら・あゆむ}氏とのことで――疲労が出たのだろう。

 時刻はもうすぐお昼の十一時半過ぎ。露草氏がそっとカーテンを閉め、また事務机に戻り煙草を咥え直す。

「露草よ! ――」

 僕はあわてて「静かに!」と耳打ちする。大道少尉はふんと鼻を鳴らしてから、小声の「つもり」の声色で続ける。

「露草よ。この学園には食堂があるだろう?」

「生徒の半分しか利用しとらんけど、あるで? 味と品揃えは真実{まなみ}のお墨付きや」

 そういえばこの学園の理事長は、あのチェリー・ビーンズで酔っぱらっていた天海真実{あまみ・まなみ}氏だった。一言挨拶でも、と思ったが露草氏に制された。

「真実はハードワークやからかえって邪魔になるで? 伝言はうちが受けとくわ」

 では、よろしくと、とお願いし、大道少尉を見る。

「む? どうした少年? 吾輩の無敵のカイザーナックルでも見たいのか?」

 確かにあれは無敵だったが、この人は話を全く聞いていない。

 なんでもないです、と返し、露草氏を眺める。露草氏は呆けた様子で窓の外、少し雲のある、しかし晴れた空を眺めていた。

 何度目か、やっぱり美人だな、と溜息が出てしまう。

 濃紺に見えるロングヘア、少し眠そうな目にはアイシャドウ。口紅は付けていないらしいが桜色をしており、シャドウ以外、化粧はしていないように見える。白衣の下は白いブラウスで胸元までボタンが外れている。そこに十字架のネックレスが小さくあり、下はマイクロスカートで足先はピンヒール、どちらも黒だった。

 白衣で隠してはいるが、かなり露出が多い。

 そしてほんのり香水の香りもする。身だしなみに気を遣うのはスクールカウンセラーからなのか、女性だからなのか不明だが、印象はすこぶる良い。

 そんなだから口から吹き出している煙草の煙も許せてしまうのかな、僕はふと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ