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竜の娘  作者: 飛鳥弥生
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羽化でもするってか?

第四十一章~ビーンズの駐車場で丸焼きになっていたサンバーバンの巻


 十二時までビーンズで粘っていた我々だが、さすがにランチタイム、客が増えてきたので撤退することにした。

「バカ少尉はどうする? サンバーにカブ乗っけて、一緒に行くか?」

 カーディガン、薄いピンクのそれを羽織ったミサキ氏が尋ねる。

「アホの鳩羽の車両は蒸し風呂だが、しかし、カブで行くのも同じであろうから、厄介になるとするか。のう? 少年?」

 大道少尉に問われて、はあ、と返して、二人が会計を済ますのを待つ。

「七百五十円になります」

「いつ、なるのさ? 羽化でもするってか?」

「……はい?」

 慌てて僕は割って入る。

「気にしないで下さい! ほら、美咲さん! お金!」

 こういう所、大人気ないですよね、全く。

「吾輩はカードで。アメェェリカン! エキスプレェス!」

 こっちはこっちでうるさい。

 ともあれ、どうにか無事に会計を済ませ、僕らはサンバーバンに乗り込んだ。

「ちょっと待て! これ! 暑いというより熱いぞ!」

「ふん、だから貴様はアホの鳩羽なのだ。精神集中が足らぬぞ」

 大道少尉が言うが、僕はミサキ氏に賛同だった。ビーンズの駐車場で丸焼きになっていたサンバーバンは、サウナどころではなかったのだ。

「自販機行ってきます、お二人は?」

「……麦茶」

「吾輩はコーヒー、ブラックで頼む」

 駐車場傍にある自販機までの数歩が、照り付ける太陽で、くらくらする。

 帽子か日傘を用意しておけば良かった。

 二人にそれぞれ飲み物を渡し、僕はポカリを片手にサンバーバン発進。と、その前に、目的地を聞いていなかった。

「よし、今日は葵{あおい}ちゃんの職場で涼もう」

 ミサキ氏が言った。

 露草葵{つゆくさ・あおい}氏は、前日に会った天海真実{あまみ・まなみ}氏が理事を務める、私立桜桃{おうとう}学園高等部の、スクールカウンセラーをしている。さすがに勤務中だろうが、ミサキ氏がスマホで連絡を入れるとスピーカーで『ええで』と返事が聞こえた。

 僕は初めて行くのでナビを桜桃学園にセットして、サンバーバンを改めて発進させた。

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