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竜の娘  作者: 飛鳥弥生
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僕の第六感

第二十一章~ランサーエボリューションの巻


「僕の車でナイトドライブでもしませんか?」

 アルマーニ男のしつこさは続いていた。ハイブランドの腕時計にオールバック。顔はいいし先入観で悪い人だと決めるのは良くないのだが、何だか胡散臭さもあるのだ。これは僕の第六感。

「ドライブ大好き! あなた、お車は何を?」

 愛犬パピーの散歩とドライブが趣味の天海{あまみ}氏がとろけそうな具合で尋ねた。

「エボですよ、ランサーエボリューション……」

 ぷっ、と噴き出したのはミサキ氏だった。

「お兄さんよう、今時エボはないっしょー。ミスファイヤリングシステムでパンパンうるさいだけの小僧マシンじゃんか」

「ミスナントカってそうなの?」

 天海氏が尋ねる。同じく4WDのSUVであるアキュラを運転している天海氏だが、国産車には疎いらしい。

「おたくやぁ、バーにおって車て、大丈夫なんか? 飲酒運転は免停もんやった筈やけど?」

 喫煙スペースを右往左往する露草氏が付け加える。

「はは、今飲んでいるのはウーロン茶ですよ。それにエボだって乗れば分かるいい車ですよ?」

 完全にナンパ目的ではないか、ウーロン茶などと。

「吾輩と小僧はどうしたらいいのだ? 全員は乗れないだろうにのう」

「あ、あなた方に御用はありませんから」

 大道少尉にそう返したアルマーニ男は大道少尉に殴られればいいのに、と思った。

「あたしは断じてエボのシートなんぞ御免だね。プライドがゆるさん」

 ミサキ氏は断言したが、天海氏はちょっと違っていた。

「夜景を見つつのドライブ、いいわよねえ」

「真実、そないな遊びしおったら月詠{つきよみ}さんに怒られるで?」

 露草氏が言って、僕はそういえば月詠さんもいたな、と我に返った。

「あ、ちなみにうちはパスな? そろそろ晩飯を用意しとかんと旦那、泣いてまうわ」

 え? 僕は驚いた。露草氏って妻帯者だったのか、と。

 指輪をしていないので今日の今日まで知らなかった。

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