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イケメン女子ちゃん視点

扉を潜った僕は桜が舞い散る校門の前に立っていた。立ち止まっているのは僕だけの様で他の生徒達は僕を避けてクラス分けの掲示板前へと歩いていく。

 

 その中に幼馴染ちゃんを見つけたので声をかける。

 

 イ「幼馴染ちゃん!僕たちは戻れたんだ!これでまたやり直せる!」

 

 そう喜んで言う。しかしその返事は予想外の返事だった。

 

 幼「え?貴女誰ですか?と言うかなんで私の名前を?」

 

 幼馴染ちゃんの言う事が理解できなかった。暫く固まっていると頭の中に女神の声が響いて来た。

 

 女神『言い忘れてたけどやり直しは個別だから。自分の力でどんな手を使っても主人公くんを勝ち取りなさい。

 それとこのやり直しは個人戦よ。貴女達の誰か1人がやり直しで主人公くんと付き合ってハッピーエンドに到達すればその時点でやり直しはおしまい。

 そして貴女達を現実に戻す際に私の力で現実を改変するわ。その改変内容はハッピーエンドに到達した誰かと主人公くんが恋人同士になっていると言う改変よ。

 そうそう、このチャンスを逃せば主人公くんとは2度と付き合えないと思いなさい。

 それじゃあ貴女達の健闘を祈るわ。』


 なるほど、女神様は個人戦だけど僕達が争わない様にしてくれているのか。


 他の人の邪魔が入らないならやり易い。


「今回こそは間違えない。

 待っててね主人公くん、このチャンスをものにして絶対僕の彼氏になってもらう。」


 覚悟が決まった僕はそうブツブツとまだ出会っていない主人公くんに宣言をして、主人公くんとハッピーエンドを迎える為の計画を練り始めるのだった。


主人公くんを彼氏にする為の計画がまとまった。そこからの行動は早かった。


 イ「可愛い子猫ちゃん達、良ければ主人公くんの行動を調べて来て欲しいな。いや、彼の事が気になるのさ。だって彼は他の男どもと違って僕のイケメンなその顔に嫉妬しないからね。どんな生活をすればそんな余裕が持てるのか気になったのさ。

 ちゃんとお礼はするからさ、だからお願い。僕の為だと思って彼を調べて来てくれ。」


 僕は女でありながらテレビに出ている様なイケメンアイドルよりもイケメンだ。だから僕が何もしなくても勝手に学内と学外の僕のファンクラブが出来上がる。それを僕は利用する。少し頼めばすぐにこなしてくれる。

 

 主人公くんの情報を集めているのは主人公くんの全てを知った状態で挑むと言う理由である。

 

 もちろん元々好きだったが為に主人公くんの事を沢山知っていたが、それだけでは心許ないので今回のやり直しで主人公くんの事を隅々まで知る。それにより僕と主人公くんだけのハッピーエンドに進むのだ。


 そして1ヶ月後、遂に僕は主人公くんと初めて対話を行った。


 イ「君が主人公くんかい?僕の名前?僕の名前はイケメン女子さ。

 君の事が興味があって声を掛けたのさ。今日から僕と君は長い時間関わる事になるだろう。

 まぁこれからよろしくね。」


 ここからは僕だけの力でやる。僕だけの力で主人公くんとハッピーエンドに行くんだ!


それから僕は主人公くんと楽しい毎日を過ごした。

 

 だが主人公くんと関わるに際に主人公くんの近くに幼馴染ちゃん達も居るので幼馴染ちゃん達による邪魔が入らない様にファン達を足止めに使った。そのお陰で僕は主人公くんと最高の青春を送れている。

 

 そして主人公くんにも変化があった。私と話している主人公くんの顔が少し赤くなっている。試しに褒めてみたら嬉しそうな表情をする様になった。これは脈アリである。

 

 それを確信して喜んでいると、主人公くんの親友である親友くんが声を掛けて来た。

 

 親友「主人公といい関係を築けている様だな、イケメン女子。

 主人公からイケメン女子への好感度は『最高』だ。このまま主人公を幸せにしてやってくれよ。

 …ここからが本題なんだが、最近アンタのファンクラブの動きが怪しい。何が起こるかわからないから気を付けろよ。」

 

 そう言って親友くんが去っていった。


 それにしても僕のファンクラブが怪しいか。毎日主人公くんの為にこき使っている。だけど何も変わってない様に思うけど。まぁいいか。


 その親友くんの言葉を忘れて更に1ヶ月、私は主人公くんから空き教室に呼ばれた。


 イ「どうしたんだい?主人公くん?こんな所に僕を呼び出して?」

 

 何も知らない感じで聞いたが僕は確信していた。これから僕は告白される事を。


 主「イケメン女子ちゃん、僕はイケメン女子ちゃんの事が…」


 遂に告白される。「好きだ」と言われたらいい返事をしよう。僕は気持ちが高鳴って居た。


 主「好k 「私のイケメン女子様に近づくな!イケメン女子様を誑かすこの穢らわしい男がァァァ!」グサッ…え?」


 主人公くんの告白を突然誰かが遮った。そして突然の邪魔に驚いて固まっていた主人公くんが刃物で刺されていた。私の目の前で。

 

 イ「え…え…?」

 

 モブ「この男に何もされていませんかイケメン女子様!もう大丈夫です。『イケメン女子様ファンクラブ』である私達が助けに来ました。

 さて、この男も死んだ様ですし証拠隠滅をしましょう。皆さん!この男をブルーシートに包んでこの学校の裏山に埋めて来てください。」

 

 僕は動けなかった。主人公くんが死んだ。主人公くんを殺したのは僕のファンクラブのメンバーだった。

 

 ファンクラブのメンバーが主人公くんを殺して山に埋めようとしている。


 イ「嘘…嘘だ…嘘だぁぁぁぁぁ!!」


 僕は叫ぶ。僕の大好きな主人公くんは僕の事が好きなファンクラブの人間に殺された。

 

 それを理解すると同時に世界が黒に染まる。空き教室もファンクラブの人間も僕に告白しようとしてくれた主人公くんも消えた。


 黒く染まり僕以外が居なくなった空間で女神様の声が響いた。

 

 女神『あと少しだったのに残念ね。イケメン過ぎると言うのも問題ね。

 そんな貴女に私からのアドバイス!ファンクラブは使わない方が良いわ。なぜならファンクラブを少しでも使えばどう足掻いてもこの結末になるからよ。

 それじゃあ次があればこのアドバイスを守ってみよう。もしかしたらハッピーエンドに行けるかもね。』

 

 その言葉を聞いた僕の意識は深い闇へと沈んだ。


 BADEND①『ファンは推しを幸せにしない。』

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