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不運の集大成で死んだら、悪神のミスで絶対死なない豪運おもちゃにジョブチェンジしました  作者: 社会不適合者
聖剣エクスカリバー編

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第六十五話 玉藻とデート

 誰も構ってくれない状態になったハジメは不貞腐れて勝手に会場を後にした。

 会場では変わらずエクスカリバーが袋叩きにされているし、ドリトンも奥さんといちゃついているし、ハジメの相手をしてくれる人はいないという状況だった。

 すると、玉藻が大人の姿でハジメを追いかけてきた。


「オトンどこ行くねん」

「ちょっと買い物だよ。置手紙しておいただろ?」

 俺はラグちゃんたちに少し買い物行ってきますと置手紙をしていた。


「なら、私も付き合うわ」

 玉藻が俺の腕に抱き着き、当然と言わんばかりにそこに納まる。


「い、いいよ。てか、エクスカリバーへのお説教はいいのかよ」

「あれはもうええねん。それにオカンの興が乗ってもうて、多分戻ったらあのオッサン、ボロ雑巾やで」

 さらりと怖いこと言うな。


「そ、そうか」

 俺は引き気味にそう答えて、玉藻とつかの間の買い物に行くこととなった。

 ヴァルは武闘都市であるから、店も露店も主に戦闘に関するものばかりでだ。

 女性と二人で歩くにはどうにもに合わない雰囲気なのだが玉藻は楽しそうだった。


「オトンとデートってのは悪くない気分やな!あ、オトン!あっちにスイーツの店あるで!行こ!」

 玉藻は俺の手を引いて、店の前まで俺を連れていく。

 だが俺は店の看板を見て、違和感を感じた。


 ――――ヘパイストスのおいしいスイーツ店


 おい、この店名、まさか。

 俺は玉藻に手を引かれ、店に入る。


「いらっしゃいませぇ~!っって、ええ!アンタ、ハジメじゃない!」

 知っている顔だった。

 ラグナロクの鞘を作ってくれて、俺と魔族とのきっかけを生み出してくれた、ニブルの武器屋の主人。

 あのヘパイストスがカウンターから顔をのぞかせていた。 


「あんた、何やってんだよこんなところで」

「いやぁ、ちょっと趣味が高じまして」

「なに、脱サラしたオッサンみたいなこと言ってんだよ……」

「ダツサラってのは知らないけど、アンタこそどうしたのよ。今日はラグナロクじゃなくて狐ちゃん連れてるの?この子初めましてよね?」

 へパさんの雰囲気は変わらなかった。


「今日は散歩みたいなもんだよ」

「あ~。あんたそれ浮気だよ浮気。今にラグナロクが吹っ飛んできて切り刻まれるんじゃないのぉ?」

 怖いこと言わないでくれ。


「ちゃうでー。今日はオトンとデートやねん」

「アンタ、自分のことお父さんって呼ばせて、そのうえデート??これ、ロキが言ってた地球のパパ活ってやつかしら」

「変な誤解はよしてくれ!!!」

 それに、ロキよ。

 お前は、お隣さんの神話の神様になんつう余計な知識放り込んでんだ……。


「オトンはオトンやねん」

 玉藻、それ説明になってない。


「この子は玉藻。俺とラグナロクの娘だ」

「娘ぇ!?アンタらそんなにすすんでたの!?式は??なんでアタシ呼ばれてないわけ!?」

「まてまて落ち着け。玉藻は卵から孵って俺たちが引き取ったんだよ」

 するとへパさんはハッとしたように気づき一言いう。


「あなた、妖狐だね?」

 さすがギリシャ神話の神様。

 ところどころ知識というかオツムが足りていないが基本的には博識だ。


「お姉さんようわかったなぁ。そやで」

 玉藻もあっけらかんと肯定する。


「たしかに、あなたならこの魔剣に愛されちゃうぐらいの男の方がいいかもね」

「???」 

 俺は言っている意味が解らなかった。


「せやろ?最高のオトンやで」

 ちょっと待って。

 ハジメさん涙腺崩壊しちゃう。

 これ、玉藻が嫁に行くとか彼氏連れてきたりしたら俺どうなっちゃうんだろ……。


「オトン、何想像してんねん……」

 玉藻がいぶかしそうに俺を見ている。


「き、気にするな。ちょっと将来をだな……」

「そ、そか?まぁええわ。とにかく何か食べよ!」

 玉藻はメニューを開き一生懸命選んでいる。


「オトンなににするん?」 

「じゃあ俺はこの、チョコレートケーキとコーヒーのセットで」

「ならうちも同じのにするわ。オトンの好み知りたいねん」

 なにこの娘。

 めっちゃ愛くるしいっ!


「やぁねぇアンタら。いちゃつくなら外でやってよ」

 へパさんに茶化された。

 へパさんが出してきたケーキセットは本当においしくて、俺らも驚きだった。


「うまっ!へパさん、まさかこんな乙女なケーキ作れるとか以外!!」

「アンタ喧嘩売ってんの!?」

「でもほんとに旨いわぁ、オトンの好みも知れたし収穫バッチリや」

「タマモちゃんは健気ねぇ」

 俺はへパさんから厳しい視線を浴びつつもケーキを平らげる。

 ふと思ったことを聞いてみた。


「なぁへパさん。へパさん、こっちでも武器って作ってるのか?」

「やってないことは無いけど、こっちはスイーツ屋のへパさんだからねぇ、ちょっとしたものならってできるよ」

 なーにがスイーツ屋のへパさんだよ……。

 どっかの洗濯屋なのか?ケンちゃんなのか?


「ちょっとしたものってどんなんよ?」

「見てみる?」

「邪魔にならないなら」

「じゃあ、今日はそろそろ店も飽きたし閉めるからついてきな」

 飽きたから閉める!?

 大丈夫かよここの経営。

 俺たちはへパさんについていくと、スイーツ店の裏に通された。

 ニブルの店とは違い、小さな作業場で、そこにはいろいろなアクセサリーが売られていた。


「武器じゃないじゃん」

「アンタ!わかってないわねぇ。アクセサリーにはバフ効果があるのよ」

「しらんかった」

「オトン、それは無知すぎるで……」

 玉藻に呆れられてしまうとは。

 ハジメ反省。

 俺は壁に向かって片手を点き、まるで反省している猿のポーズを取った。


「何してんねん……」 

 さすがにこのネタは伝わらないか。


「これって、武器とかになるの?」

「基本的にはならないけど、こういうのならなるわよ」

 へパさんは指輪を出すと、俺に渡し、魔力を流すように言われた。

 俺は言われた通り魔力を流すと、それは小さな盾に形を変えた。


「おおお!すげー!!ナニコレ!トランスフォームするんかよ!!」

「とらんすふぉーむ??」

 へパさんが頭にはてなを浮かべている。


「オトンのたまに出る発作や。ほっといてやってんか……」

「どっちが保護者なのよ……」

 俺はひとしきり感動すると、へパさんに質問した。


「玉藻に似合うアクセサリーってある?」

「オトン!?私に!?」

 玉藻は驚いていた。

 すると玉藻は意外にも断ってきたのである。


「私いいわ。オトンに金使わせんのも気が引けるし、先に店出て会場帰ってるわ」

 そういって走って店を出てしまった。


「あんた、最低のジゴロね」

「はい!?」

 俺はいわれのない烙印を押された。



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