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神戯大戦   作者: シノウミ
一章 異世界転生編
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森の異常とマナの依頼

 町に戻ってきたところでシオリも歩けるようになったようなので歩いてもらう。このままシオリを背負ったまま町を歩いていたらそれはもう人の目を集めただろう。

 俺がシオリを下ろすことでクリスも睨むのをやめてくれた。

 とりあえずギルドに報告に行くことにする。

 ギルドにつきお姉さんにクエスト完了の報告をする。

 ついでにパライズスパイダーも倒したことを報告すると素材を売ると換金してくれるということだった。これは半分くらい爆散させちゃったし換金は期待しない方が良さそうだ。ついでにパライズスパイダーを倒したというとお姉さんはなんか呆れていた気がする。

 あと6回BランクのクエストをこなすとAランクになれるらしい。


 お姉さんへの報告も終わりクエストの報酬も受け取り帰ろうとしたところでギルド併設の酒場で飲んでいたジューダスがこちらへやってきた。


「この前は悪かったな兄ちゃん、あんまり生意気なことを言うもんだと思って絡んじまったが兄ちゃん強すぎだろ。俺もこの町じゃ結構強いんだが手も足もだなかったしまさかビッグスライム倒した上に今日はパライズスパイダーだろ。この前のお詫びも兼ねて兄ちゃんとそっちの嬢ちゃんたちを奢らせてくれや」


 また絡まれるかと思ったが拍子抜けだ。まぁ絡まれるよりいいし、お詫びとはこいつもいいやつなのかもしれないな。

 俺はいいのだがと思い2人を見る。2人が頷いたのでありがたく今晩は奢ってもらうことにしよう。


「じゃあ、頼むよ」

「おうよ、じゃあ俺のチームの奴らもいるけどこっちに来てくれ」


 ジューダスの案内してきた席には先に6人が飲んでいた。

 この6人がどうやらジューダスのチームらしい。

 異常の起きた森へと探索を依頼させられるチームらしいから結構強いのだろう。

 男5人女2人とか逆ハーレムみたいな状況だけど5人ともクソ厳ついんだよな。なんか異世界モノに出てくるザ・冒険者って感じの風貌の奴らが5人と魔法使いって感じの子と盗賊系っぽい子で7人か。

 7人もいたら報酬とか分けるの大変そうだよな。


「おお、てめえがジューダスがやられたって言う調子に乗ってるやつか。まあ、ビッグスライムを倒したってんならその実力は間違いわないんだろう」

「ふっ、女性を2人連れて両手に花ってか、くそっ羨ましいぜ」

「そちらの女の子2人こちらにいらっしゃい。そいつらうるさいからこっちで飲みましょう」

「おい、お前らうるせえぞ、悪いな兄ちゃんたちとりあえずそこの空いてる席に座ってくれ」


 呆気にとられつつ言われた通りに席に着く。

 座るとジューダスが自己紹介をしていく。

 厳ついおっさん5人の中でジューダス合わせた4人が前衛らしい。名前はギド、ボードス、ライマンそれとジューダスらしい、そして前衛後衛自由に動く中衛の盗賊系の女の人がサテラで残り2人が後衛。まさか厳ついおっさんのくせに後衛だとは思っていなかった。おっさんの方がシモン、女の人の方がフィナらしい。

 向こうの自己紹介が終わりこちらの自己紹介も終えるとライマンから質問がきた。


「でも、どうして一気にFランクからBランクに昇級するクエストなんか受けたんだ?普通はどれだけ早くランクを上げたくても実力を確認するためにコツコツとやっていくもんだろ?」


 まぁ、そうなんだろうな。正直に話しても問題ないだろうか?それにこいつらもAランクなんだからSランクの冒険者がどれくらい強いのかも知ってるかもしれないしな。


「俺は神戯大戦に出たくてさ、早くSランクになりたかったんだよ。でさ、Sランクのクエスト見たことないんだけどどうやってなるんだ?」

「神戯大戦か、俺もそんなこと言ってた時期もあったがありゃやべえぜ。この町にはSランク冒険者はいないからわからんかもしれんがSランクになるにはもうすげー難しい試験があってなそれをクリアしてなれるんだ。そこからさらに国などからSランクしかできないようなクエストを依頼されて強くなるわけだ。俺も数度しか見たことないがあれはやばい。今回の森の調査もSランクに頼んだと言っていたがグレートポイズンスネークぐらいなら一撃だろうな。それでも人族の代表にはなれやしない。それくらい難しいってことかな」

「なるほどな、まぁ地道に目指していくしかないか」

「おう、あと4年ほどあるし、この先まだまだあるんだ俺は応援するぜ、その憧れは誰もが通る道だろうしな」

「よし、じゃあ気をとりなおして乾杯といくぞ、兄ちゃんたちも俺たちと同じエールでいいか?そっちの2人は女性に人気のハニーエールってのもあるがどうする?」


 エールってことは酒だよな。酒なんて親が飲んでたのを少しもらったことぐらいしかない。しかもあれもチューハイだったしな。なんか苦いって聞いたことあるしというか俺の年齢って何歳なんだ?この国は何歳からでも飲めるのか?

 まぁいいか飲めって言わせたんだしな。

 2人はハニーエールにするみたいだし俺も最初はハニーエールにしておこう。


「なんだ兄ちゃんエールにしねえのか?」

「俺エール飲んだことないんだ。だからまずは軽いのからにさせてくれ」

「ほう、冒険者になってエールの味を知らんのは損だ。今日は俺の奢りだしバンバン飲みやがれ」


 そう言って乾杯をする。

 ハニーエールってくらいだ甘いと信じよう。そう思いグビッとグラス3分の1程度飲んでみる。

 おお、これはうまいな。予想より甘い、苦味はないな。この世界じゃ水しか飲んでなかったのでこんな飲み物があるならもっと早く知りたかった。

 そこからはもうドンチャン騒ぎだ。すでに半分出来上がっていた奴らがそこから飲み比べを始めたり大声で叫びあったりしていた。

 かくいう俺もハニーエールの美味しさに調子に乗ってバンバン飲んでるうちに思考がだんだん回らなくなっていってそいつらと一緒に踊ったりしていた。こんなにはっちゃけたのは久しぶりな気がする。

 クリスはどうやらお酒に弱いらしく、途中からシュンさんシュンさんシュンさんと機械みたいに俺の名前ばっかりよんで返事したら笑うだけになってしまった。

 すげー可愛いんだけどクリスはあまりお酒を飲まない方が良さそうだ。クリスはその後は眠ってしまっていた。シオリの方は飲む食べるはで忙しそうだった。

 そうして夜遅くまで騒ぎまくって解散だったのだがシオリが食いまくってすごい金額になった食事代に青い顔をしているのを笑い、宿へ戻る。

 クリスが起きなかったのでおんぶで背負い宿に戻る。昼間シオリを背負った時は恥ずかしい気持ちが大きかったが酔っているのか今は全然気にならない。

 宿に戻り、クリスを部屋に届けて自分の部屋のベッドにダイブする。

 今日もいろいろあったがジューダスに誘ってもらえてよかったかもしれない。正直クリスたちに心配かけないよう顔に出さないようにしていたが人型の魔物や肉感のある魔物を斬ると結構精神にくるものだ。

 こういうところは前世の記憶がある弊害なんだろうな。でも、この世界じゃこれが常識だしと考えていると眠気が襲ってきてそのまま寝てしまった。


 そこから一週間はさしたる事件もなく朝のトレーニングにクエストを受けるという日々を送った。

 事件というか大きい出来事というと酒を飲んだ翌日の朝寝坊をしてしまいクリスから氷の魔法で布団の中に冷気を送られるという凄まじく寝起きが悪い起こされ方をされたので仕返しに今日は大丈夫なのか?昨日は起きなかったのでおんぶして帰ってきたけどというとありがとうございますと言いながら真っ赤にしながら出て行ってしまった。これはまぁ酒の飲み過ぎに注意ってとこだな。

 他にはトレーニングでランニングを別々にしたのだが、俺の方向音痴が炸裂してしまい、宿に帰れないという事件が起きたのも笑い話だろう。

 最後はあれだな。 Bランクをこなし続けたことで俺たちはAランクとなった。

 こんな風に朝のトレーニングでやる剣術、魔法もだいぶ上達もしていき、身に危険が起きるようなこともなく一週間を過ごした。


 そんなある日今日も朝からトレーニングと思い宿を出ようとしたとこで宿をいつも手伝っている少女のマナとクリスとシオリが話しているのを見かけたので声をかける。


「3人ともおはよう。なんかあったのか?」

「おはようでござるシュン殿。実はでござるな…」


 シオリ曰くこの宿の主人でマナのお母さんのナナさんが倒れたらしい。それで薬がいるのだが今は森の異常のせいで薬が全然市場に出回ってないらしい。

 その薬というのがロンディミニアムの森の外れにあるパルティア山という山の頂上付近に生えているらしい。だが、この山に行くには森を通らなければならず今は誰も取りに行きたがらない状況なのだ。Sランク冒険者もまだきておらずいつになるかわからない。ということで相談されたらしい。

 そういうことなら俺たちで取りに行こうということになった。いつも宿を利用させてもらっているのだ恩返しのようなものだろう。クリスもシオリも同意見らしく、今日はトレーニングを取りやめて山に薬を取りに行く準備を始める。


 この一週間で通い慣れたロンディミニアムの森にやってくる。ここから普段はなんとなく真っ直ぐに進んで魔物を探すのだが今日は右へと向かう。


「この先に魔物の反応があるんですがそこまで強い反応ではないのでこのまま行きますか?」


 クリスが魔物の反応を確認し聞いてくる。まぁ強くないなら気にすることないだろう。弱いとなるとコボルトだろうか?


「弱いならこのまま行っても問題ないだろうが一応戦う準備だけしておいてくれ」


 真っ直ぐ行って現れたのはスライムだった。そうあのスライムだ。だがこのスライムはすごく俺の知っているスライムだ。ビッグになると気持ち悪いのに小さい時はこんなに可愛いのか。ポヨポヨしていて正直異世界モノの主人公たちが仲間にしたりするのも納得の見た目だ。


「これを討伐するのは気が引けるから無視して行かないか?」

「拙者は斬っても分裂されるだけで倒せないので別に構わないでござるよ」

「私もビッグスライムなら倒しましょうと言いますがたしかにちょっとスライムって可愛いですし倒すのは気が引けます」


 満場一致でスルーして行く。少し進むとだんだんと山が見えてくる。その山は森と繋がっているクセに木が全然生えていない岩がゴツゴツとしている山だった。


「おかしいです。この一週間でこの森の魔物の活動もなんとなくわかっていたつもりだったんですがこの辺からパルティア山にかけて全然魔物の反応がありません。普段でも少しはいそうなんですけど…」


 やっぱり森におきている異常のせいだろうか?


「まぁいないなら魔物を気にすることなく森を進めるんだ。このままぱっと薬草とって町に戻ろう」


 山に近づいて行くと意外と山が大きくないのがわかった。1日は野宿かと思っていたがすぐに登れそうだな。

 そう思っていると軽い地震が起こった気がした。


「なんか今地面揺れなかったか?」

「少し揺れたでござるな」

「そうですね。あとこの先魔物の反応です。少し強そうですがどうしますか?」

「急ぎたいしこのまま直進しよう」


 現れた魔物はゴーレムだった。岩がくっついてできた人型のゴーレムだ。


「また嫌な敵でござる。動きはそこまで早くないでござるが一撃一撃が強いので攻撃に当たらないようにするでござるよ。あとあの岩全然斬れないので拙者また役立たずでござる。それにこのゴーレムは普通もっと上の方にいるはずなんでござるが…」

「私の魔法も多分あまり効果はありません。迂回して行きますか?」

「いや、あの蜘蛛を爆散させちゃった技を試してみるから離れておいてくれ」


 そう言ってゴーレムの方へ刀に力を込めながら向かう。この前より多めにマナを込める。

 ゴーレムもこちらに気づいたようで腕を振り下ろしてくる。それをかわしながらゴーレムの胴体を斬りつける。すると刀は体面で止まってしまったがゴーレムは爆発してしまった。小さな岩となりあたりに飛び散っていく。

 それを見ながらさっきシオリが言っていた言葉を思い出す。このゴーレムはもっと上にいるはず、ということは多分森の異常の原因もこの山の上にいるのだろう。これは警戒しておいた方が良さそうだ。


次回更新は20日の予定です。

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