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神戯大戦   作者: シノウミ
一章 異世界転生編
12/34

森の異常とコボルト

 説教が終わり、いい時間だったので朝ごはんを食べることになった。気分を切り替えるためにもここのご飯を食べるのはいい。前世と遜色のないレベルで美味しいのだ。


「やっぱりマナ殿の作るご飯は美味しいでござる」


 とすごい勢いで料理を食べていくシオリも言っている。シオリが言うとすごい説得力だ。

 マナ殿と言うのはさっき会った少女のことだろう。

 それにしても前世では朝ごはんはあまり食べなかったのだが今日のようにご飯を食べる前に体を動かすと結構食べれるものなんだな。


 朝ごはんを食べ終わり、今日はギルドへ向かうことにする。クエストを受けて早くSランクになっておいた方がいいだろう。

 ギルドに入ると視線が集まってくる。だが、この前のような不躾な感じではなく、好奇の眼差しという感じだろうか。小声であれがビッグスライムを倒したなどと聞こえてくるし、敵意があるわけではないなら別にいいだろう。

 しかし、この前に来た時にも見たやつが何人もいるがこいつらは暇なのだろうか?クエストを受ければいいものをギルドに居座って何をしているのだろう?

 とりあえずクエストを見に掲示板の方へ行ってみる。

 明らかにクエストの量が少ない。


「おかしいでござるな、クエストがこんなに少ないことはないはずでござるが」

「そうですよね。これだけ少ないとクエストを受けれる人も少なくなってしまいますよね」

「何かあったのかな?とりあえず受付に行って聞いてみるか」


 お姉さんに事情を聞いてみるとどうやら森で異常が発生しているらしい。普段奥にしかいない魔物が町の近くに現れているらしい。この前倒したビッグスライムもその異常のせいらしい。

 そして、どうやらAランク冒険者のジューダスのチームに森の調査をした結果森の主であるグレートポイズンスネークが森の中域で出たらしい。

 ジューダスたちはそこで引き返してきたようだ。グレートポイズンスネークはAランクのクエストでもこの辺では最も難しいクエストらしく、町が他のところにいるSランク冒険者に調査の依頼を出すらしい。

 ということで、クリスたちと相談した結果Bランククエストのコボルトの討伐をすることになった。

 普段コボルト討伐はDランクのクエストらしいが異常が起きていて、コボルトの集団が出来ているらしい。

 グレートポイズンスネークについてだがクリスがいる限り魔物が近づいてくるとわかるのですぐに逃げればいいだろう。


「今回のクエストは他の魔物との遭遇もあり得ますので気をつけてください」


 お姉さんからの忠告を受けて、気を引き締めてロンディミニアムの森へと向かう。

 今回は道を間違えることなく行くことが出来た。


「なんか今は森が危険らしいし慎重にコボルトを探すとしよう」

「そうですね、私がザッと探知しただけでもこの前より大分魔物がいるみたいです。そして、多分コボルトと思われる反応もあるんですがちょっとおかしいんです。多くて50とかかなって思ってたんですけどこれ100は超えてる量いますよ。どうしますか?」

「それって全部倒すのは難しいのか?」

「いけると思うでござるよ、とりあえず奇襲で数を2割程度減らせたなら拙者とシュン殿で前衛を務めクリス殿が後衛から魔法で倒していってくれれば大丈夫でござろう。それにここまできて戦わず帰るのは拙者嫌でござる」


 自信満々に言っているが正直ノープランに等しい作戦な気がする。シオリのやつの戦闘狂が発揮されてしまっている。

 まぁなんとかなるだろう。


 気配を消しながらコボルトに近づく。そして、木の陰から様子を見る。コボルトたちは木がないひらけた場所にいた。

 結構な壮観だ。この光景を上から見たら人っぽい見た目なので人がゴミのようだと言える景色だろう。なんでこんなに集まってしまったのだろう。正直これだけいると気持ち悪いので戦いたくない気持ちが芽生えてくる。


「私が風の魔法を中央に撃つのでそれを合図に斬り込んでいってください。ただ威力は今朝のシュンさんのウィンドの魔法の10倍くらいはあると思うので最初は木に捕まっておいた方がいいかもしれません。


「了解」

「わかったでござる」

「ではいきます。

 風の精霊に乞い願う、我が力となり顕現せよ―

 ウィンドブロウ」


 一瞬の間をおいて、コボルトたちの中央から暴風が吹き荒れる。中心地となった場所にいたコボルトたちは上に舞い上がったりして、飛んでいく。吹き飛ばされはしなかったコボルトたちも突然のことに驚いて、辺りを見回しているだけだ。

 危うく吹き飛ばされかけたのはバレないようにして、バラバラになったコボルトに突っ込んでいく。

 一瞬で近づき昨日買った愛刀で斬りつける。

 囲まれると厳しくなるので囲まれる前に斬っていく。斬りつけてはすぐ他の標的を捉え懐に入り斬る。その繰り返しで20体ほど倒したところで、コボルトたちも落ち着きを取り戻したのか連携を取ってくるようになった。一体が攻撃をしてきた横から同時に攻撃してくる。先に前からくるコボルトを斬りつけ、刀を切り返し横からくるコボルトも斬る。

 そこにクリスの援護の氷の粒の魔法が飛んできて、後ろにいたコボルト他4体を倒してくれる。シオリの方をみると圧巻だった。一閃するだけで3体は斬りつけている。どういう原理でやっているのだろうか?わからないがシオリにだけやらせる訳にもいかないのでバッサバッサ斬りつけていく、俺かシオリどちらかが囲まれそうになるとクリスが的確に魔法を撃ってきてくれる。囲まれてしまった時はそちらを助けに行く。そうこうしているうちに途中何体かは逃げていったが残りも数える程度になっていた。それも3人で瞬時に片付け終わりとなる。

 何体倒したかは20を超えたあたりからもう数えるのはやめていた。

 ただシオリの方が倒したのは確実だろう。この世界で一番強くならなければいけないのにこれではやばいかもしれない。

 シオリの方をみるとすごく満足そうな顔をしていた。たくさん倒して満足なのだろう。これくらい戦いが好きにならないと強くならないのだろうか?


「ちょっと暴れすぎたかもしれません。一体少し強い反応の魔物がこちらに向かってます。グレートポイズンスネークではないでしょうが結構強そうです」

「逃げられそうか?」

「え?戦わないのでござるか?拙者少々物足りなかったので戦いたいでござる」


 さっき満足そうにしていたのは誰だよと突っ込みたかったが一応我慢する。まぁ、強くなるためにも戦いの経験は大事だろうし戦うとするか。


「仕方ない、戦うとしよう」


 やってきたのは車くらいの大きさの蜘蛛だった。


「こいつは粘着性の糸と麻痺液を吐いてくるパライズスパイダーです。どっちの攻撃もくらうと厄介なので気をつけてください」

「わかった」

「承知致した」


 俺とシオリで左右から斬りかかる。ガキンと音がして、刀が弾かれる。シオリの方はスッと脚を斬ってしまっていた。これが技術の差だろうか?

 ただ斬りつけても弾かれるだけなので朝に斬撃が魔法といわれ思いついた技をやってみるとしよう。

 斬撃の時のように刀に力を流し込む。このまま放出すれば斬撃になるのだがこの力を込めた状態で蜘蛛を斬りつける。

 ビュンという音とともに蜘蛛が体半分が弾け飛んでしまった。緑色の体液が飛び散ってくる。

 少しかかってしまう。ただそんなことよりも驚きが優っていた。普通に脚を斬るつもりだったのだが予想外の威力が出てしまった。


「シュン殿そういう攻撃をする時はやって欲しいでござる!体液がたくさんかかってしまったでござるよ」

「わ、悪い、まさかこんな威力出るとは思わなくて」

「は、ははシュンさんはめちゃくちゃですね」

「本当でござるよ、とおよよ」


 シオリがドサっとその場に倒れこんでしまう。


「どうやらこの蜘蛛の体液は麻痺の効果があるようでござる。シュン殿も少しかかっていたでござるがなんともないのでござるか?」


 手を動かしたりしてみるがなんともない。シオリに比べるとかかった量も少なかったのでそのせいだろう。


「なんともないな。この麻痺ってどれくらい続くんだ?」

「1時間くらいでしょうか、普通は麻痺を治す薬だったりを飲むんですがあいにく持ち合わせていませんし、私も麻痺を治す魔法は使えないので自然治癒に任せるしかないですね」

「なら、俺のせいでこんなことなっちゃったしシオリは俺がおぶって帰るよ」


 あれ?自然と言葉に出てきたが今とんでもないことを言ってしまった気がする。


「本当でござるか、それは助かるでござるな。それではよろしくお願いするでござる」


 もうおんぶする流れになっている、クリスの方を見てみるが少し睨んでいるように感じるが何も言わない、これはおんぶするしかなさそうだ。

 シオリに近寄り、動けないシオリの手を取ってそのまま背負うように立ち上がる。


「ウォッと」

「どうしたでござるか?もしかして拙者重かったでござるか?」

「いや、全然重くないよ、ちょっと姿勢を崩しただけだ」


 想像以上の破壊力だった。普段はそこまでの大きさには思えないのに背中から伝わってくるこの感触がやばい。意識してるとやばい事態になりそうなので無心になるよう心で唱え続ける。

 そしてもう一つ怖いのがさっきからクリスがこちらを無言で睨んでいることだ。クリスは気づいているのかもしれない。

 役得のはずなのにすごい緊張感だ。


 そんなアクシデントに見舞われながら魔物とは遭遇することなく町へと戻ってきた。



次回は18日に投稿予定です。

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