第七章:宴会
宴は次の段階へと進んだ。
理解不能な悪夢が訪れた。
その場にいる全ての者を凌駕する絶対的な支配者たちが、巨大な円形の石卓を囲んで座っていた。
卓上には豪華な料理が並べられていた。脂がのった焼き羊は芳醇な油と肉の香りを放ち、大きな円皿に盛られ、その周りには色とりどりの果物や新鮮な付け合わせが飾られ、高価な香辛料がふりかけられていた。
丹念に育てられた妖艶な血ブドウが次々と運ばれ、拳ほどの大きさの竜眼が最も目立つ場所に置かれ、脂ののった羊の排骨はきれいに切り分けられ、上品な磁器の皿に盛られていた。
甘く炊かれた糯米は稲の香りを強く放ち、巨大なサンデーグラスには新鮮なチーズと上質なクリームがたっぷり詰められ、その隣には、火腿や肘で何時間もじっくり煮込んだスープの濃厚な香りを放つ、白菜のスープのような料理も並んでいた。
卓上には、石猿たちが丹精込めて用意した数十もの美味がずらりと並び、前菜、メイン、魚料理、スープ、デザート、そして食後の菓子や飲み物までもが完璧に用意されていた。洞窟全体には、まるで国宴のような厳かな雰囲気が漂っていた。
石卓の中央に鎮座していたのは、巨大な龍の形をした桃。成人の頭ほどの大きさで、それはもう本物の龍が丸まっているかのようだった。
宴の目玉として用意されたその桃は、真紅の血のように赤く、その上には九本の幻の蛟龍が絶え間なく旋回していた。九匹の龍は咆哮し、狂ったように身をくねらせ、尾を絡め合いながら桃の周りを不規則に動き回る。その体からは無数の精華が零れ落ち、まるで干ばつに苦しむ大地に雨を恵む龍王のごとし——これこそが、伝説の天材地宝の異象であった。
火雲洞天の主、石猿王・季は、自らの結拜兄弟である、同じく第一層の地域的首領たちを宴に招いていた。
そこには、山羊の頭骨で素顔を隠した黒衣の魔導師。豚の面を被ったピンク色の巨大な獣人。身の丈は一メートルにも満たない、猫背の半身人でありながら、金銀を纏い王冠を戴く者。石猿王と同じ霊長類の猿型怪物で、頭蓋骨のおもちゃを弄っている者。人間と変わらぬ姿ながら、頭部の皮膚だけが露出し、顔の筋肉や内側の組織が見え、肌は暗く、人間とは異なる特徴を持つ異形の類人型。そして最後に、髪を振り乱し、全身を濃い毛で覆われ、澄んだ瞳だけが異様に輝く怪人。
人間に似た外見を持ちながら、その内面は正真正銘の怪物である彼らこそが、人類に最も深刻な害をもたらす頂点捕食者だった。
どの者も、人間を狩ることに長けた“良き君主”であり、公敵たちを操り人間を虐げる高危険生物であった。
――その時、猿型の大王が、雷のシンボルが刻まれたバナナの皮をむき、一口かじった。口内に広がるかすかな痺れ。禁忌の快感。彼は満足げな、悍ましい恐笑を漏らした。
この唯一無二の味わいを楽しみながら、彼は口を開く。なんと人間のように言葉を発し、少し訛りのある南方諸島のアクセントで言った。
「季の弟よ、我ら兄弟を招いて一族の集まりを開くのは良いが、この場の主は宴会場の片付けというものを知らんのか?」
「このような血腥い場で飯を食うとは、あまりに無作法とは思わんか? 我ら高級生物の美的感覚や社会的身分にそぐわん」
彼は実に自然に、流暢にそう言った。
そう言いながら、地面に残る人肉のかけらと暗赤色の血痕を見やる。その顔には、人間らしさすら感じさせる嫌悪の色が浮かんでいた。
その言葉には明らかな非難の色が込められていた。
「すまない、我が友よ。我が配慮が足りなかった。子供たちが先ほどご馳走を平らげたばかりで、後片付けが間に合っていなかったのだ。お前たちに悪い印象を与えたこと、心から詫びる。その証として、我が長年秘蔵してきた百年猴児酒を振る舞おう。詫びと思って飲んでくれ」
兄弟の問責に対し、石猿王は素直に謝罪した。その態度は誠実そのもので、頭を垂れた。石猿王の声色はまるで衰退期に入った老人のようであり、老いの兆しがはっきりと感じられたが、それでもなお力強く、温かみのある美声であった。
石猿王は主位に座ったまま手を振ると、やがて数匹の猿が数壇の陳年佳醸を運んできた。それは石猿たちが天然発酵で醸した極上の果実酒であり、様々な貴重な果実を材料としており、一般の価値では計れないものだった。
猿型の大王がその清冽な混合酒の香りを嗅ぐ。無数の果実と奇妙な花の香りが自然発酵した複雑な芳香。彼は恍惚とした表情を浮かべた。
すぐに一口、味わうように飲んだ。
一口含んだだけで、彼は思わず満足げな吐息を漏らした。
彼に連れられた従者たちもまた、恍惚とした表情を浮かべ、皆、酒をがぶ飲みし始めた。
他の大王たちもそれを見て、石猿たちから差し出された美酒を楽しみ始めた。
しばらくすると、酒席には杯を交わす音が絶え間なく響き、雰囲気は一気に活気づいた。大王たちの従者たちも打ち解け始め、最近あった珍しい出来事や生活上の面倒事などを語り合う。普段は話しづらい話題も、ここではすっかり本音で語られていた。
公敵たちの酒席での振る舞いは、なんと人間と何ら変わらなかった。人を持ち上げ、大言壮語し、酒を勧め合い、世間話に興じる。
李沐子は傍らの石段に座っていたが、気まずさを感じていた。こんな場で、自分は去るべきか留まるべきか、判断がつかなかった。どうやら自分は宴席に呼ばれてもいないようだ。
身分から言えば、彼は紙人の下僕であり、立場から言えば、公敵社会から逸脱した異端の存在だった。
李沐子がどうすればいいか分からず、そのまま死んだふりをして見逃してもらおうと願っていると――
どうやらついに、この熱気にそぐわない存在に気づいた公敵がいたようだ。主人に尋ねる。紙人は主位の隣に座り、その黒い空洞の口に食べ物と酒を詰め込み続けていた。
李沐子のことを尋ねられると、酔っ払った紙人はいくつかの仕草をしてみせた。すると、公敵たちは合点がいったように目を見開いた。
何ヶ月も訪ねて来なかった間に、大王たちはここに見知らぬ人間が増えていることに気づいたのだ。
その感覚は、まるで正月に親戚の家を訪ねたら、いつ来たのか分からない作業員や奇妙なペットが住み着いて、ただ飯を食い、居座り、しかも自分たちとはまるで姿が違うのを発見したようなものだ。
そりゃあ、何度も見てしまうだろう。
大勢の公敵が彼を指差し、奇妙な目で見つめ、じっくりと観察し、時には骨を投げて「食うか?」と試す。まるで友達が新しく迎えたペットに対する好奇心と、その場で粗相をするかどうか、奇妙な行動を取るかどうかを観察するかのような悪趣味。
李沐子は瞬間、爆発しそうになった。地面の隙間にでも潜り込み、この世界から即座に消え去りたいほどだった。
――だが、結局彼はそうしなかった。
酒池肉林の宴の後、公敵たちは爪楊枝で歯をほじり、残飯を打包し、お年玉を渡し、拱手の礼を交わす。
宴も終わり、そろそろ片付けて家に帰る頃合いだ。用のある者は残って雑談したり泊まったり、用のない者は荷物をまとめて帰る。
ようやくこの気まずい状況から抜け出し、普通の生活に戻れる——とはいえ、それは地獄のような日々ではあるのだが――
李沐子は胸をなで下ろし、長時間座っていたため汗で湿ったズボンをずらした。
その時、大王たちが連れて来た家族たちが、興奮した様子で何かを話し合っている。彼らが話題にしているのは、どうやら李沐子のことらしい。
彼らが時折向ける視線に、李沐子はたちまち居たたまれなくなり、逃げ出したい気持ちを抑えつつ、罰せられるのを恐れて、不安なままそこに座り続けた。
数人の幼い公敵たちが、李沐子を指差しながら、父祖たちに公敵語で言った。
「おお父、あの人間が欲しい」
そう言いながら、甘え、涙ぐんだ大きな目を潤ませ、大王たちの衣を引っ張って離れない。まるで「言うことを聞かないと承知しないぞ」と言わんばかりの様子だった。
幼い公敵たちの口調は、さも簡単に、両親に「あのおもちゃが欲しい」と言うかのようだった。
李沐子は公敵語は理解できなかったが、彼らの表情からおおよその状況を察した。怒りと屈辱、そして同時に、少しばかりの誇らしさのようなものが湧き上がるのを感じた。
自分がまるで品物のように扱われている。人間としての自尊心と傲慢が、そんな屈辱に耐えられなかった。
同時に、自分に価値があるかのような錯覚——誰かに激しく奪い合われる価値があるという虚構の幻想が、李沐子の虚栄心を満たしていた。
一人の大王が、自分の娘の作り泣きに心を動かされ、仕方なく石猿王に相談を持ちかけた。その態度は非常に低く、要するに「そのハゲ猿をうちの娘に譲ってくれないか? 値段はいくらでも出す」ということだった。
一人の父親が口を開くと、他の幼い公敵たちも次々と転げ回ったり、甘えたり、泣き真似をする技を使って、自分の父親を引きずり込んだ。
数人の公敵大王が石猿王に相談を持ちかけるが、その態度と口調は明らかに「お前が譲らないなら、お前を見下しているということだ」と言わんばかりだった。
石猿王・季はひどく頭を悩ませた。皆、血の誓いを交わした結拜の兄弟だ。誰に譲っても他の者を怒らせることになり、取り返しのつかない心のわだかまりを残すかもしれない。それは兄弟間の友情に影響する。
公敵の社会にも、人付き合いや義理というものがある。ただ殺し合うだけではない。人間関係をうまくやれない者は、公敵としてもまともにやっていけないのだ。
石猿王は兄弟たちの道徳的強要に直面し――
やがて、傍らで瓜子を食べながら見守っていた紙人を指差し、言った。
「お前たち、彼に聞け。彼こそがあの人間の主人だ。私には決められない」
すると、幼い公敵たちはすぐに紙人を取り囲み、「おじさま」「おじさま」と呼びかけ、李沐子をプレゼントとして譲ってくれるよう懇願した。
紙人は少し考え、李沐子を指差した。その彩色された瞳に、一瞬の知性が閃く。
一枚の小さな紙人形を取り出し、幼い公敵たちの目の前で、それを数枚に引き裂いた。
意味は——一人一片ずつ、争うな。さもなければ、ルールを破ることになり、和を損なうことになる。
最初に騒いだ公敵の姫が納得せず、同年代の者たちに向かって言った。
「完全な一個を譲るか、それとも一切譲らないかよ。子供騙しはやめて!」
他の仲間たちもすぐに賛同した。紙人は再び李沐子を指差し、仕方なさそうに尋ねた。
「お前たち、いったい彼のどこが気に入ったんだ?」
一人の公敵の姫が答えた。
「目よ。彼の目はとても綺麗。紫紺色で、まるで高価な宝石のように」
他の幼い公敵たちもすぐに賛同した。
しかし、その公敵の姫はすぐにためらった。目をくり抜くのも悪くはないけど……やはり彼女は首を振った。やっぱり完全な人間が欲しい、と。
紙人はさらに言った。
「それなら、お前たちで最終的な選抜者を決めろ。誰がこの人間を継承するか決まったら、私はこの贈り物を差し出そう」
公敵たちは互いに顔を見合わせ、それが理にかなっていると思った。そして、自分たちで集まって、どんな方法で選抜者を決めるかを討論し始めた。
六博? 弾棋? 鬼ごっこ? 双六? 捶丸?
幼い公敵たちは互いに相談し、慎重に自分の意見を述べては、またすぐに否定する。
これらの遊びはまだ難しい。別の遊びにしよう――幼い公敵たちの目には、自分たちが普段触れている遊びは、所詮あの数種類のものだった。カードゲーム、ボードゲーム、電子ゲーム。
知性を持つ公敵たちは、トランプだけでなく、囲碁や将棋もこなし、さらには電子ゲームさえプレイする。
封王塚には、人間界に劣らぬ賭博街やエンターテイメントシティがあり、外界には想像もつかないような特色あるゲームプロジェクトも存在していた。
競馬は低すぎる。野蛮人のやることだ。ゴルフは低級すぎる。成金のやることだ。
カーリングは悪くないが、退屈すぎる。
一攫千金、一戦ごとに巨億を費やすようなゲームも、彼らにとっては暇つぶしの娯楽に過ぎなかった。
将棋やチェスのようなボードゲームは、確かに知能と技術を試すことができ、勝てば高い社会的地位と名声を得られ、どこへ行っても崇拝され、様々なタイトルを得られる。
しかし、それでも彼らの目には下のものと映る。公敵たちにとっては粗鄙なものであり、大雅の堂には上らず、彼らの目にかなうものではなかった。
何しろ、一地域のトップ層として享受できる生活の質は、下層の平民には到底想像できないものだ。最も厳しい礼儀と技芸の訓練を受け、遊びでさえも常人にはできない極みを求められる。
常人には想像もできないこと、近づくことすらできないものを、彼らはいつでも手に入れられる。それでこそ、自分たちの社会階級の違いを示せるというものだ。
――よし、人間隠れんぼをやろうじゃないか?
一人の公敵の王子が、試すように提案した。
人間隠れんぼ――聞こえは可愛らしい。子供の知育ゲームのように。だが実際は、決して簡単ではない。公敵たちの間で流行する知力ゲームであり、新世代の公敵たちに人気のトップクラスの遊びの一つだ。
競技に参加する勢力は、それぞれ転生の資質を持つ霊童を何人か見つけ出し、幼い頃から育て上げる。莫大な資源と富を費やし、覚悟者へと導く。法力が高ければ高いほど、見栄えがする。
この程度のキャラクターでも、ようやくトップクラスの公敵二世たちの目に留まる程度であり、次の段階の駒へと進む。
大国の重要人物であればあるほど、身分を示すことになる。小国の人物であればあるほど、格を下げることになる。
最初に霊童を見つけられた勢力は、全てのトップ公敵二世たちから嘲笑される。
最後に見つけられた勢力ほど、見栄えが良い。
直接、公敵年間最優秀人物に選ばれるだろう。
このゲームのために、人間界で築かなければならない関係、費やさなければならない金は、常人には想像もつかない額である。
これは……
人間隠れんぼをやると聞いて、他の公敵の王子たちはたちまち黙り込んだ。
彼らは若いだけで馬鹿ではない。このゲームに費やさなければならないものが、今の李沐子が示す価値とは比べ物にならないことを理解していた。
もし本当にこのゲームをやるなら、あまりにも贅沢で浪費が過ぎる。
王子たちが自分の親父の金庫の総額を推測する限り、精々、低品質の霊童を数人購入し、小国のための中堅人物に転生させ、影響の少ない命令をいくつか下す程度だ。
大国間の駆け引きや意思決定に参加するには、まだ程遠い。
ゲームを提案した姫は、他の幼い公敵たちを嘲笑った。『できないならやるな』と。
他の公敵たちは顔を真っ赤にした。心の中ではやるという衝動に駆られたが、最終的に理性が勝った。
一人の幼い公敵が我慢できずに顔を真っ赤にして、李沐子を指差しながら言い訳した。
「私たちができないわけじゃない! この奴にその価値がないだけだ!」
彼は声を一段と張り上げる。まるで自分の言い訳に勢いをつけるかのように。
「そんな無駄金を使う余裕があるなら、数え切れないほどの人寵やおもちゃを買えるぞ!」
彼はくるりと振り返り、李沐子をじろじろと見渡した。そして、すぐに嘲笑を浮かべる。
まん丸い瞳には、ありありとした嫌悪感が浮かんでいた。口はへの字に結ばれている。
「この奴、綺麗な目をしている以外、どこにも特徴なんてないじゃないか」
彼は両手を広げ、実にさっぱりとした表情で、自分ではごく普通のことだと思っている口調で言った。その声は子供らしく澄んでいて心地よいが、そこには公敵が人間を見下す匂いが確かに漂っていた。
「俺たちを隠れんぼに参加させたいなら、この奴にその価値があるって証明してみせろよ。さもなきゃ、別のゲームに変えてもいいぜ。その時は喜んで相手になってやる」
他の幼い公敵たちも我に返った。そうだ、そうだ、と口々に王子の提案に賛同する。彼の言葉は自分たちの心の内を代弁していた。
「そうだ、そうだ!」
「俺たち、臆病者じゃないぞ!」
「まず証明させろ!」
……
集まった幼い連中は皆、ちびっこ体型でありながら、一人の人間を巡って議論を戦わせている。その声は澄んでいて心地よいのに、話している内容は目を覆いたくなるようなものだった。
傍らの公敵大王たちは、自分の子孫たちが議論に参加しているのを興味深そうに見守っていた。その瞳の奥には、満足げな、あるいは慈しみ、支持、そしてそれ以上の感情が浮かんでいる。数人の大王たちはその隙に雑談を交わし、李沐子に向ける目は危険な光を帯びていた。
傍らに座る李沐子は、この光景を見て、胸中は五味雑陳だった。悔しさと無力感、そしてどこか滑稽で馬鹿らしい気持ちが入り混じっていた。
自分が品物やおもちゃのように扱われ、勝手に評価され、意見すら表明する権利がないとは。
表面上は無表情を装っていたが、心の中で深くため息をついた。我が身の不運を呪うかのように。
学院にいた頃も、確かに見下され、虐げられ、陰湿な嫌がらせを受け続けてきたが、少なくとも最低限の人権は保障され、学園生活を享受することもできた。
今や封王塚の地で、一群の公敵二世たちの口の端に上り、掌の上で弄ばれる運命を待つだけの存在に成り下がっているとは。
人生の浮き沈みは、まさに驚きに満ちている。
李沐子がそう自嘲し、少し感傷に浸っていると――
自分たちの騒ぎでは足りないと思ったのか、幼い公敵たちは連れてきた近衛たちまで巻き込んで、人間の処理方法についてどちらが優れているか議論し始めた。
数人の公敵護衛たちも、一瞬戸惑った様子だった。自分たちに議論に参加しろと? 本気で言っているのか?
彼らにできることと言えば、斬り込み、戦うことくらいだ。そのうちの一匹でも、装備を整えた人間の中隊に匹敵する武勇を誇る。
総合力では人間の将軍たちにも引けを取らず、瞬く間に大勢の兵をなぎ倒せるだろう。しかし、主君のために策を練り、難題を解決してやるというのは、いささか彼らには酷な話だった。
王子たちに畳み掛けるように問い詰められ、威圧され、公敵護衛たちは途方に暮れた。すぐに救いを求めるような目を自分の主君に向ける。二世たちをうまくかわす答えを得るために。
しかし、返ってきたのは冷淡極まりない視線だけだった。中には、しっかりやれ、うまくやれば昇進させてやる、と伝えてくる者もいた。しかし、うまくいかなかった場合の話は一切しない――これこそが、上司たちの統率術であり、絵に描いた餅だった。護衛たちはますます頭を悩ませた。
主君の子孫が無邪気に「いいアイデアを出してくれたら、父上の金庫から褒美を取ってきてやる」などと言い放つのを聞きながら、この多くの命を奪い、手柄を立てて爵位を得た冷血な小将でさえ、思わず苦い顔をせざるを得なかった。
白金色の兜をかぶり、白金の鎖帷子を身にまとった公敵護衛は、冷たく整った白い顔に、複雑で苦渋に満ちた表情を浮かべた。彼が直面する難題は、あるいは大戦のるつぼから主君の子孫を連れて生きて帰るのに匹敵するかもしれない。
先ほど、主君から忠誠心を示すよう厳命され、自分は失望させない、今回も同じだ、ずっとお前を重用してきた……などと、上司が部下に語る寛大で持ち上げるような言葉をかけられたばかりだった。
冷血小将は知恵を絞り、必死に考えた。周りの護衛たちを見ると、彼らもまた多かれ少なかれ難しい表情を浮かべていた。彼らもまた、主君から必達の命令を下されているのだろう。
数人の幼い公敵たちがまだ議論を続けているのを見て――
冷血小将は深いため息をつき、必死に頭を捻り、絞り出した妙案を口にすることにした。
素早く片膝をつき、小主人に近づき、耳元で素早く囁いた。
「こうして……こうして……さらにこうすれば、大丈夫かと……」
幼い公敵は目を輝かせ、口を大きく開け、何度も瞬きをした。どうやらこの“妙案”に衝撃を受けたようだ。
彼は大きく咳払いをした。誰も構わないので、もう一度咳払いをする。今度はまるで咆哮のような大きさだった。
仲間たちの注意が自分に集まったのを確認すると、彼は思い出したように、自分の大王が命令を下す時の態度を真似て、声を高く澄ませ、よく通る、威厳に満ちた口調で言った。
「お前たち、騒ぐな! 我はもう解決策を思いついた。絶対に公平で、皆が退屈しない処理案だ。きっと満足させてみせるぞ」
両手を後ろに組んだ幼い公敵。その顔には、この世に自分を理解する者はいないという寂寥と感慨が浮かんでいた。
彼は間を置き、言葉を続けた。
「古来より、神州の大地において、英雄と梟雄の戦いは、最終的には必ずや義と志の戦いとなる。それが現実の次元に現れるならば、民心の多寡の争いとなる。故に、『民心を得る者は天下を得る』という至言・真理がある。さればこそ、諸葛武侯も五月に泸水を渡り、深く不毛の地へと入ったのである……」
数人の幼い公敵たちは顔を見合わせ、大王たちもまた顔を見合わせた。まさかこの男がこんな大それた道理を語るとは信じられなかった。普段は食うか寝るかしか知らないと思っていたのに、一気に普段のステレオタイプと今の意気揚々とした姿が頭の中でリプレイされ、彼らの印象は強まるばかりだった。
幼い公敵は傲然とした表情を浮かべ、世の中の者は皆、自分の仮面を見破れないと笑い、自分だけが世に忘れられたような哀愁に浸り、感傷に浸り、そして勢いよく手を振り、過去の自分を振り払うかのようだった。
その姿、その態度は、まるで舞台の上で将軍を演じる役者のようだった。その目の奥のやるせなさと奔放さは、誰の目にも明らかだった。
「そして今、我ら英雄諸侯の子孫が、この正体不明の人間を巡って、収拾がつかなくなり、家は乱れ、和を欠いている。これこそ、まさに古の言葉にある——」
ここまで語って、幼い公敵は胸を張り、気勢を上げ、周囲の者たちを見下す。まるで一つの時代の真の主が自らの軍隊を巡察するかのように。
一瞬、誰一人として彼の目を見つめる者はいなかった。彼の気勢は頂点に達し、人を畏れさせ、誰もまともに見つめることができない。全ての者が、最後の締めくくりの言葉を待ち、そして驚嘆の声を上げるだろう。
「その古の言葉とは——」
幼い公敵の様子がおかしくなった。目が落ち着かず、あちこちを彷徨う。言葉が詰まった。
「――とは……とは……」
吃り始めた。その言葉の力も、もはや確固たるものではなく、透き通ってもいなかった。
「――って、何だっけ?」
彼は頭をかいた。傍らで顔を引きつらせながら、元の姿勢に戻れと合図を送る冷血小将の方を振り返り、正確な答えを得ようとした。最後の締めくくりを完成させるために。
他の公敵たちは、このやり取りを見て、おおよそこの言葉が冷血小将に教えられたものだと理解した。
最後の答えが見つからず、慌てふためき、冷や汗をかき、みっともなくなりながらも必死に自分の高い人設を維持しようとする幼い公敵を見て、皆は思わず笑った。とても楽しそうに笑った。
その笑い声に気勢を削がれた幼い公敵は、ついにそのイメージを保てなくなった。
面目を失ったと感じたのか、彼は最後の一言を残して、一目散に逃げ出した。ただ、最後に付け加えるように叫んだ。
「だからよ、俺の意見は、御前演武をやろうってことだ!」
最後に冷血小将の背後に隠れ、顔を上げて皆の顔をまともに見ることができず、時折だけ目を開けて、場の様子を伺っていた。
「――『御前演武』?」
その言葉が出た時、公敵たちの頭の中には、瞬時に一連の生き生きとした光景が浮かんだ。地面には刀斧の古い傷跡と斑模様の血痕が刻まれ、武人の誉れを象徴する古びた演武場。そして観武台には数え切れないほどの花や拍手、称賛の声が溢れている。
君主の意志を代行して決闘を行う武士たちは、精一杯、この小さな方寸の地で比武を行う。武人の清らかな誉れと俗世の名誉を勝ち取るため、苦心して磨き上げた秘技と象徴的な技を、このわずか数十方寸の間で、幾度もの魂のぶつかり合いを繰り広げるのだ。
それは、文学と歴史の設定を横断した、虚実入り混じった武芸の試合だった。
「良い、実に良い提案だ――御前演武とは! 素晴らしい発想だ。我、黒羯羅、心から賛成する。諸公子王子たちの目を決めるに最も適した比武であり、武人にとって至上の褒賞と礼賛である」
これを言ったのは、公敵の誰でもなかった。声の発生源と声線を辿れば、明らかに女性が発言していることが分かる。
恐ろしい面相を持つ六大王の隣に立つ、黒衣の女性。これまで一度も発言したことはなく、幼い公敵たちと護衛たちの会話にも参加せず、ただ黙って大王の傍らに影のように佇んでいた。
しかし、公敵たちがためらい、迷っているこの瞬間に飛び出し、遠慮なく、これを「美しいデザイン」だと宣言したのだ。
一瞬、人々の視線が彼女に集中する。好奇心――どんな人物がこんな場で発言するのか。
様々な立場の者たちから向けられる、値踏みするような、疑念を帯びた、好ましくない、好奇心に満ちた視線を感じながら、女は周囲を見渡した。そして、悠然とその場に立ち、黒いフードの陰から覗く妖艶な唇に、ほんのわずかな微笑みを浮かべた。
誰もすぐに賛同したり、同意したりしなかった。数人の幼い公敵たちも、しばらくは何も言わず、ただ興味深そうに彼女を見つめ、展開を待っていた。
誰も相手にしないのを見て、女は怒ることもなく、ただその濡れた唇と舌を軽く舐め、喉の奥から一語一語、はっきりとした言葉を紡ぎ出した。
「これは失礼しました。どうやら私が役目を越えた発言をしてしまったようですね。これは困ったことです」
自嘲と苦笑いを帯びたその声には、しかし、悔しさや悩みは一切感じられない。むしろ、どこかほのかな得意げな色が滲んでいた。まるで、最初からこうするつもりだったかのように。
李沐子には、彼女が自分に向けた瞬間、視線が一瞬止まったように感じられた。何かを観察するかのように。
――気のせいだろう。そう、気のせいだ。だって、自分は彼女と面識もないし、こんな人物に接触したこともないのだから。
石猿王は他の公敵大王たちと視線を交わした。皆、疑問を感じているようだった。どうやらこの女は、自分たちの手下ではないらしい。
大王同士の集まりに参加する道中、この人物に気づかなかったわけではない。しかし、自分たちの兄弟の知らない部下だろうと思い、あえて尋ねることはしなかった。兄弟間の情義を傷つけるのを避けるためだ。
豚の面をかぶった大王が、女に最も近い六大王に尋ねた。
「これはお前の新しい愛人か? そうでもなさそうだが」
突然こんなことを言い出した豚大王には、根拠がないわけではない。
女の均整の取れた肢体は、黒い紗越しにもかかわらず、はっきりと見て取れた。豊かな双峰は眼前にそびえ立ち、まるで悪魔のような肢体の曲線とスリーサイズを描き出している。
黒い紗は決して身体を隠してはいなかった。
むしろ、神秘的な黒い絹紗の下に閉じ込められた未知の身体が、より一層、禁忌の誘惑を放っている。
黒いフードの下から覗く下半分の顔だけでも、すでに完璧だった。完全な顔を見ることができなくても、この女性が国色天香の風貌であることは明らかだった。
そして、十本の白く細い指と、そこに施された朱色のマニキュア。それらは今、静かに身の前に置かれ、美人の端麗で気品ある様子を完璧に表していた。まるで後家の未亡人のように。
そして、六大王の側にぴったりと寄り添う様子、発言の際に見せる優雅で美しい声色。
総合的に見て、このような目立つ女性が、ある公敵大王の囲われ者として寵愛されるのも、決して理解できない話ではない。だから豚大王は、皆を代表して疑問を呈したのだ。
俗人の目には、彼らの俗っぽく浅はかな認識では、なおさらそう映るだろう。
美女は英雄にふさわしい。英雄で美女を愛さない者はいない。ましてや一方を支配する大王ともなれば。
兄弟の疑問に対して、六大王はただ軽く笑った。しかし、露出した顔の皮膚のせいで、その微笑みはより一層恐ろしく、人を威圧するものとなっていた。
その地獄の深淵を象徴するような喉からは、かすかな笑い声が漏れた。そして、恐ろしい外見とはかけ離れた、明るく澄んだ声——ほとんど透き通るような美しい音色——で話し始めた。
「彼女は私の新しい愛人ではない。ただ、人間界の親密な協力パートナーの部下で、私のところに一時的に遣わされている。最近、私の信頼を得ている」
この一言で、すべての疑問が解決された。豚大王、そして他の大王たちの疑問にも応えた。
同時に、彼女の身分も明らかにされた――協力パートナーの部下、という立場。決して固い絆で結ばれた関係とは言えない。状況次第では、その部下は重く見られることもあれば、いつでも捨てられ、利用されることもある。しかし「親密な」という言葉が加えられれば、一時的にでも重視せざるを得ない理由がある、ということになる。
最後の「最近、信頼を得ている」という言葉は、つまり、将来的には信頼を失うかもしれない、ということを示している。時間が経ち、人間界の協力パートナーに利用価値がなくなったり、重大な変故が起これば、彼女はもう信頼されなくなるだろう。
要するに――兄弟たちの手前、彼女を大事に思わせているように見せかけているだけで、実際には地位を与えず、本当の敬意も払っていない。
大王たちは、六大王の言葉の裏にある意味を瞬時に読み取った。何しろ、一方の勢力の首領であり、一地方の主として、人を観察する術は多かれ少なかれ持っているものだ。
大王たちは即座に反応した。
最初に応じたのは豚大王だった。
「ふむ、そういうことか」
彼は軽く呟き、どう言えばいいか考えているようだった。
「はっはっは! それならば俺、老豚が勝手に、お前のことを六番目の弟妹と呼ばせてもらうぞ。気を悪くするなよ。こんな綺麗な弟妹がいるなら、連れて歩けば俺も威張れるってもんだ!」
豚大王は大笑いし、まるで遠慮というものがない。その大きなピンク色の手のひらが、黒衣の女・黒羯羅のその白い肩を覆い、肩全体をすっぽりと包み込み、まだ余裕があった。
豚大王の体躯がどれほど逞しく、常人をはるかに超えているかが窺える。そのサイズは、想像を絶するものだった。
大きな男にこんなに接近されても、黒羯羅の表面には嫌悪感は一切見られなかった。何層もの黒い紗越しでも、彼女の落ち着きと泰然自若とした様子が窺えた。
彼女は含みのある微笑みを浮かべ、非常に穏やかな口調で言った。
「爾朱様に弟妹と認めていただけるとは、私にとって十生分の福でございます」
そう言いながら、白玉のように白く、透き通るような滑らかで、一点の曇りもなく、まるで仙女のような清らかな手を差し出し、そのピンク色の大きな手の上を素早く撫でると、細く白い指がその恐ろしい手のひらの上で、いくつかの大小異なる輪を描いた。




