第二章:封王冢
教官に率いられ、王者グループの面々は自分たちの本当の実力を試す場所——竜眦崖へと足を運んだ。
学院の東北端に広がる、古の遺跡だ。
ここは、かつて人族の歴史に偉業を残した上古人皇が遺した修練の場。崖にはその王の武道真意が刻まれ、岸には王の洞府が残されている。後に禁城の管理委員会がこれを認可し、霸下学院の王子たちが王気を試すための試験場として提供されることとなった。
幾世代にもわたる増築と、若き王者たちの参拝を経て、竜眦崖を中心としたこの旧王の陵冢は、百里四方にわたって学院の機密区域、そして上級学员の修練聖地となっている。
内部には高級住宅や各種修練道場が設けられ、禁城直々の特別警備も配置されている。竜眦崖からの距離によって、核心区、一環、二環、三環、そして最外周の無等分人区に分けられている。
霸下学院の新入生たちを迎える宿泊施設と試練場は、その無等分人区に置かれていた。とはいえ『選王の地』と名高いこの場所、決して侮れるものではない。
地脈の節点に敷設された磁力軌道を走る浮遊列車を降りると、目に飛び込んできたのは、天を突くような巍峨たる山影。山頂は雲に隠れ、そこへと続く浮遊特急の軌道が設置されているが、学院上層部の許可なしに利用する者はいない。
山は荘厳で、幾重にも重なる樹々と点在する小規模な建築物が彩りを添える。白い雲霧が山肌を這い、遠くから見れば、山そのものが雲の中に溶け込んでいるかのようだ。
主峰・滄溟峰を最高峰とし、両側に九姝峰と瓊宇峰が伴侶のように寄り添う。生前と変わらず、永遠に王の側を守り続けているのだという。
伝えられる話では、主峰の背後には完全に隠された倒懸山が存在する。遠くから見ると上部が太く下部が細い異様な形状で、事故の危険があるため学员の立ち入りは禁止されている。
山脈の走向に沿って、古びた道観や古刹が次々と建ち並び、登りやすい場所をほぼ占拠している。山麓の一般生活区域に住む普通の貴顕たちとは違い、その中の住職や道士たちはみな、禁城里でも名の知れた存在ばかりだ。
李沐子は周囲の景色を眺めながら、心の中で密かに祈った。
「どうか、今回のテストでまた何か起きませんように……平穏無事に帰らせてください。俺は本当に、こんな試練には参加したくないんだ……」
誰かに脅されていなければ、とっくにこの学院を離れているのに。
そんな内心の愚痴を呟いていると、教官が一声かけた。
「着いたぞ」
選王の地の外側警戒線まで、あと数メートル。外から見れば、まるで墓地だ。実際、ここは墓地である——神魔陵園にも劣らぬ、偉大なる葬地だ。古人は『事死如事生』と言ったが、霸下学院はそれを完璧に体現している。
学院の規定により、強者たちの遺骸や遺物が満ちるこの墓地で、王者を選ぶ儀式が行われる。そして、学员の王者としての風格、指導者気質、指揮能力、王者としての資質など、総合的な素質を計測・評価する場でもある。
ここが、学院の選王の地の一つだ。
実に理にかなっている。霸下学院の設立趣旨と中核的価値観に合致している。
この場所は、もともと新入生の胆力や知力など六つの力を試すために設計されたものだ。選王の地で最後に得られた結果によって、学院内での序列や待遇が決定される。
だが、今のところ李沐子がここで得た収穫はと言えば、おんぼろの服、誰も欲しがらぬ人形、名も知れぬ焚き木棒、そして変な石ころばかり。他の学员たちがやる気満々なのとは裏腹に、李沐子の心は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
教官は足を止め、後ろの新入生グループに目で合図を送る。彼らの目前に広がる試験場——封王冢。無数の強者や落伍した王者たちの遺骸と遺物が眠る場所。そして、異常空間——西洋で言うニーベルングでもある。
巨大な古陵園が皆の前に立ちはだかる。陵園の門を成す二つの巨石には、青々とした蔓が絡みつき、生命力を振りまいている。
扁額に刻まれた【封王葬地】の文字には、誰かが引っかいたような痛々しい傷跡が走っていた。その痕跡は歳月の腐食を感じさせ、ぞっとするような無上の剣意が滲んでいる。きっと、非常に強力な剣修によるものだろう。
ただそこに立っているだけで、身に迫るのはあまりに古びた、あまりにもの哀しい土の匂い。冷ややかな殺気が混じっている。
一同は目の前の陵園を見つめ、それぞれが待ちきれぬ表情を浮かべていた。これまでの試験で甘い汁を味わい、次の試練で何をしようかとすでに計画しているのだ。
そして、この場所で自分が王者としての才能と資質を証明し、将来、一国の王として民を統治するための礎を築く。それが、この学院の本分でもある。
外界の者がどう考えようと、中にいる者たちはまったく気にしない。
封王冢の内部に存在する強大な存在たちにとって、人間の百年など、まばたきの間に過ぎない。彼らにとって時間はすでに意味を失っており、この地には、無数の年月の間に成王の道で散っていった修行者、能力者、神通者が葬られている。
その中には、山を断ち海を割り、千の軍を蹴散らし、一騎で万を相手にする伝説の強者もいれば、強大な勢力を築き上げ、古の王国を最盛期へと導いた偉大な王者もいる。彼らの従者や眷属は今もなお忠誠を誓い、彼らに付き従っている。
封王冢に蓄えられた富の総量は、とてつもなく恐ろしい数字だ。毎年、ここから流通する旧時代の貨幣総額を現代の金元に換算すれば、数十億にものぼる。これは小さな国の経済を左右するほどの巨額であり、彼らが生涯に蓄えた莫大な富の、ほんの一部でしかない。
彼らの真の富は、王者としての経験と継承、何よりも王道の継承者としての貴重な知識にある。これらは外界では決して手に入らない、彼らだけが知る暗号通貨であり、価値は計り知れない。
彼らは誰かに嵌められて、この地の地縛霊や遊魂となったわけではない。そうではなく——逝者自身の生前の意志により、後輩たちを試す存在として封王冢に吸い込まれ、霸下学院の新入生実力テストの重要な一環となっているのだ。
封王冢は広大な未開の新大陸であり、かつて王者の途上で敗れた者たち。彼らの伴生武器、伴侶、眷族、莫大な富、そして最も核となる本源すべてが、この異度空間に葬られている。
ただ、後から来る挑戦者たちが彼らの承認を得て、試練を乗り越え、彼らが託す力と悲願——王者または覇者としての王道と夢——を継承する日を待っているのだ。
同時に、新入生の王者能力を試す最も核心的かつ重要な場所として、封王冢での成績は、霸下学院の学生組織や団体が将来のメンバーを評価する際の主要指標の一つでもある。
なぜなら、霸下学院の学生リソースや学生福利は、すべての学生組織や党派、団体によって分け合われており、余分な分け前はないからだ。
彼らこそが、学生たちの在学中の生活の質や待遇を決定している。学力テストや検査週間の運営も、大部分は彼らの手中にある。
強くなりたいなら、良い待遇を得たいなら、彼らに加わるしかない。
学院はこれらの組織に高い自由度と内部での独裁権限を与えている。その理由は、そうすることで優秀な人材を選別できると信じているからだ。これが新入生にもたらす困惑や面倒については、上層部は一切無視する。王者たるもの、あらゆる危機に自ら対処できるべきだというのが彼らの考えだ。
学院内の小さな問題や困難すら乗り越えられないようでは、覇道や王道を語るなどおこがましい。王者の夢や覇者の夢を見るより、芋でも掘っていろ、というわけだ。
しかし、学院もまったく非情というわけではない。少なくとも新入生には選択の権利を与えている。
封王冢に入る権利——これこそ、一年生だけが享受できる学院最大の福利であり、他学年の学员たちが羨み、学費やシステムポイントを払っても手に入れたいと願う特別待遇である。
教官は、隅の寝椅子に横たわる老人に、入場の旨を説明した。老人は微かに手を上げ、目も開けずに、李沐子たちに入るよう合図する。
その後、再び枯れ木のようにそこに横たわった。
この老人の来歴については——もともと封王冢には、学生組織や学校の警備から完全に独立した武装勢力が存在し、封王冢のような学院の貴重な財産を守っていた。だが十数年前、突如としてその制度は廃止され、代わりにこの老人とその孫娘、そして一匹の犬だけが封王冢を管理することになったのだという。
学生たちは彼が何者か知らないが、ただ者ではないとは感じている。彼らは老人を『守陵員』と呼んでいた。
守陵員の許可を得た後、教官は一年生の王者グループ、李沐子の属する蘅芜班に向けて言った。
「お前たちは初めてここに来たわけじゃない。以降のことは俺が説明するまでもないだろう。
俺の教官としての役目は、お前たちを安全にここまで連れてくることだけだ。この後のテストと試練は、お前たち自身で乗り越えろ。これまでと同じように。
俺が唯一お前に与えられる助言は——王道を歩む修練者として、お前たちの道は他の者よりも必ず困難だということ。それこそが王者が越えるべき試練だ。
もしお前たちがこの学院に来た初衷を忘れていないなら、急いで強くなれ。時間は待ってはくれない。それが、教官としてのお前たちへの最後の忠告だ。
最後に——諸君の武運を祈る。」
一同は万全の態勢で出発した。地面の警戒線を一歩越えた、その瞬間——全身が未知の空間へと吸い込まれる。
天地が回転する感覚の後、李沐子が再び目を開けると、自分が異常空間にいることに気づいた。もはや正常な世界ではない。
周囲の空気には薄らと死灰色が漂い、遠くを見渡せば灰色のフィルターがかかったかのような景色。すべてが灰色に染まり、どこか腐敗した刺激的で心乱される匂いが鼻腔をかすめる。この空間に長くいれば、思考すら混乱してしまう。
灰色の世界では、周囲の造物さえも荒れ果てており、もの悲しい気配が漂う。
ここは、不気味な灰色の世界。
そして、この灰色の世界の空には、満天の星河が流れ輝いている。無数の白い光点が集まり、巨大な星河となって空間の中心へと流れ込み、そこを白昼のように照らし出している。
李沐子の位置からは、そこに巨大な宝光樹が立っているのが見える。地面にそびえ立ち、限りない光暈を放っている——まるで仏の日暈や月暈のように。
ただ見つめるだけで、魂までも吸い寄せられるような感覚に陥り、我に返ると背筋が凍る。
その光暈は、無限とも思える夜をいくらか明るくし、封王冢の中で人が物を見たり、探索したりすることを可能にしている。
その樹は果てしなく、天地を貫いている。北欧神話の世界樹のように、天・地・人の三界を貫き、無上の神力を宿しているようだ。
樹の具体的な姿ははっきりとは見えない。ぼんやりとしていて、暈光は限りなく、五色に彩られ、まるでこの世ならぬ最も燦然たる宝物のように。
だから李沐子はそれを宝光樹と呼んだ。その放つ光が、宝物の輝きそのものだからだ。
特に不思議なのは、普段は注意深く観察しなければならない天文星象が、ここでははっきりと観察でき、しかもより一層目を引くことだ。
北斗七星、二十八宿、十二星座の星々が、きらめき輝いている。この空間はまるで外界を模倣したかのように、星々の配置までもがそのまま再現されている。
星空は天辺にかかり、手を伸ばせば届きそうなほど近い。だが、どうしても触れることはできない。まるで夢幻の世界の造物のように。
無限の燦めく星々の下には、油絵のような怪物が描かれている。
空には無数の巨大な彩色の目がかかっている。まるで子どもの落書きのような、人間の目、獣の目、亜人の目、悪魔の目、天使の目、未知の目——さまざまな形や色が混ざり合い、天辺に貼りついている。あまりに奇怪でありながら、威圧感を伴っている。
それらの目は、一つの巨大な人型の怪物を形作っている。巨人はこの空の下に覆いかぶさり、すべてを見渡し、監視下に置いている。奇怪に歪んだ人型の黒いラインと、それが巨人の五体や四肢かどうかも定かでない三つの月、そしていくつかの巨大な浮遊発光体と相まって、それはまるでホラーゲームの最終ボスのようだ。神秘的な美しさと恐ろしい威圧感を放っている。
それらは、封王冢のすべてを常に見張り、この地の正常な運行を確保している。
それは何年も前から存在し、この第一層の真の支配者である。決して怒らせたり、目覚めさせたりしてはならない。
入るすべての学员には公式な注意が与えられる——あまり長くその目を見つめるな、魅入られるぞ。また、彩色の巨人に挑発的な行為をするな。特に、禁忌リストに載っている言葉を口にするな。
目の前は荒れ果てた廃墟。何年も人が住んでいなかった荒野のようだ。
「うわあ、また入っちゃったよ……。またここでしばらく隠れて過ごしてから出るしかないか」
李沐子は首をすくめ、まぶたを半開きにして、やる気のなさそうな様子でため息をつく。
全身から漂う、ありありとした『だめ人間オーラ』。
もう二度とこの不気味な場所に入るまいと固く決心していたはずなのに、物事はいつも予想を裏切る。今回もまた、無理やり入れられたのだ。
前回までの王者テストでは、いつも安全な場所に隠れて数日をやり過ごし、他の連中が本題を終えた後で、大部隊に混じって帰還。何も得るものはなく、評価はいつも最低だった。
「大丈夫、今回も同じだ。どこに飛ばされたかはわからないけど、手のマークがまだある。それなら問題ない」
手に描かれた黒い小さな亀の印が、ここに入ってからずっとインクを滲ませているのを確認し、その小さな尾が微かに震えているように見えて、李沐子はようやく安堵した。心の中で自分を必死に慰める。
この亀の印は、初めて封王冢に入った時に手に入れたものだ。封王冢の怪物に追いかけ回され、あちこち逃げ回った末、見知らぬ洞窟に駆け込み、そこで紙人に描かれたのだ。
あの時の危険を思い出すと、李沐子は戦慄する。もう少しで本当に死ぬところだった。
あの時は本当に怖かった。ただひたすら遠くの光る樹に向かって走った。後ろの危険から離れたくて。走れば走るほど、追ってくる怪物は増え、ついには波のようになった。そして赤土の土地に辿り着くと、後ろの怪物は追ってこなくなった。ところが、今度はさらに多くの、より強力な赤土の怪物が四方八方から集まってきた。もうへとへとになるまで走り続け、その途中で偶然にも隠れた洞窟を見つけ、思い切って飛び込んだ。中に危険があろうが構わなかった。
強力な赤土の怪物たちは、この洞窟をひどく恐れているようで、中までは入ってこなかった。しかし外で張り込みを続け、李沐子は出られなくなった。仕方なく、洞窟の奥へと探索を進めることにした。
すると、石の洞窟の中には神秘的な祭壇、石の王座、石造りの建物の数々、そしてそこに住む小さな石猿たち、さらには何とも言えない奇妙な紙人がいた。彼らは親しげに酒を酌み交わしている。
李沐子が彼らの縄張りに踏み込んだと見るや、石猿の王は冷たく一瞥をくれた後、手を振って部下に攻撃を命じた。
石猿たちは李沐子を取り囲み、手を出そうとした。李沐子は怖くなって土下座して許しを請うた。石猿王は王座に座ったまま口を開かず、ただ冷たくすべてを見下ろし、この不意の闖入者を排除しようとしていた。李沐子が猿たちに武器で八つ裂きにされそうになったその時——脇で座っていた紙人がそれを止めた。しかも、彼のためにとりなしをしてくれたのだ。伝達板を使って。
李沐子はそのおかげで命を救われた。
代償として、どうやら自分は紙人の僕になったらしい。期間は不明だ。
そのことを思うと、李沐子は悔しさを感じる。
自分はおそらく、最もダメな試練者だろう。封王冢で大暴れするどころか、紙人形の奴隷になってしまったのだから。
こんな話を外でしたら、笑われるだけだ。
李沐子は慎重に周囲の廃墟を観察し、身を隠せそうな場所を探す。すぐに目に留まったのは、比較的構造が残っている廃れた民家。李沐子は忍び足で、慎重にそこへ向かう。
民家に入り、扉を閉め、壁の最も内側に背を預ける。怪物に見つからないように、息をひそめる。
ようやく冷静になれた。ふと顔を上げると、天窓から夜空の緑の月が妖しい光を放っているのが見える。心臓がざわつく。
視線を再び下ろし、呼吸を整える。
彼は懐から、紙人からもらった不思議な墨の筆を取り出す。炭筆のようなものだ。紙人は「自分の排泄物で作った」と言っていた。気持ち悪いと思う気持ちを抑えながら、李沐子は壁に異界の門を描き始める。
門はひどく下手くそだったが、とにかく門に見える。ドアノブに扉枠、敷居といった部品、三つ目の奇妙な烙印、そしていくつかの装飾的な模様。おかしなことに——最後の線を描き終えると、墨が黒い光を放ち始めた。光は墨の門全体に広がり、瞬く間に門は実体化し、角や輪郭が現れる。
やがて、墨で描かれた門は、本物の扉となって壁に嵌め込まれた。まるで最初からそこに扉があったかのように。
李沐子は手をドアノブにかけ、外へと引いた。
ぎいっ!
木の扉がきしむ音。
扉の先には、異度空間が広がっていた。
李沐子は知っている。その先は、石猿たちのいる洞天だと。内心少し苛立っていたが、唾を飲み込み、勇気を振り絞って足を踏み入れた。
見慣れた洞天に戻ると、まだ一息つく暇もなく、どこからか声がかかる。
不気味な紙人が、石猿王と一緒に肉を焼き、酒を飲みながら囲んでいる。
実にのんびりとした、悠々たる様子だ。
彼らは李沐子を見ると、紙人が彼を手伝いに呼び寄せる。
焼き網を任され、李沐子が焼いた串焼き肉を何本か食べた後、紙人はようやくのんびりとゲップをし、手で口を拭い、油をぬぐった。
そして、李沐子に向かって手を差し出す。三本の紙の指を内側にくるくる巻きながら——「決まった納品をよこせ」という合図だ。さらに李沐子の手の印を指さし、「これがお前が僕である証拠だ」とばかりに。
脇で干し棗や杏、柿の干し菓子を食べていた小さな石猿たちも、歯をむき出しにして、胸を叩いたり、嘶いたりして催促する。
「早く出せ!」
李沐子は内心、憤懣やるかたなかった。自分に人権はないのか?
不承不承、猿たちが十八種類の武器を持ち出しているのを見て、ようやく自分の黄道内庭から、外で買い込んだ大量の酒や飲み物、スナック、日用品を取り出した。もちろん、全部自分の金で買ったものだ。
大量の品々が、近くの空き地に積み上げられ、小さな山のようになる。それを見て李沐子は心痛でいっぱいだった。
石猿王が天に向かって一声吼えると、その声は洞天中に響き渡った。遠くの石猿や洞窟の奥にいる石猿たちも、続々と集まってくる。
長老や年長の石猿に率いられ、きちんと列を作り、物資や生活用具の分配が始まる。
鍋を分けてもらった猿は、嬉しそうに飛び跳ねる。ケーキをもらった猿は、その場で口いっぱいにクリームを頬張る。おもちゃの車をもらった猿は、数匹の子猿とすぐに遊び始めた。
李沐子は横で付き合い笑いを浮かべながら、心の中で嘲笑していた——やっぱり畜生だ。人間のものを使っても、相変わらず獣のままだ。
すべての分配が終わると、紙人は手を振って、李沐子に「もう行っていいぞ」と合図する。
李沐子はようやく、短い自由を得た。
この洞天に滞在すること、猿たちの食べ残した果物や酒を食べること、そして洞天の奥を探索する権利が与えられた。
しかし、李沐子は遠くには行かず、ただ階段に座り込み、足元には猿たちが食べ残した傷んだ果物や猿酒が積まれている。遠くから紙人と石猿王の様子を眺める。
紙人が印を結び、術を発動させる。彼らの前に水幕が現れた。
猿たちの娯楽として。
巨大な水幕は十数枚に分割され、その中に映っているのは、李沐子の仲間たちや、まだ封王冢で探索を続けている他の者たちだ。画質は驚くほど鮮明で、まるで映画のよう。
あらゆる現代技術がほぼ効かない封王冢の中で、端末は使えず、最新の偵察機器も使えない。それなのに、ここでは他人の状況が見えるのだ。
学院の説明によれば、空の彩色の目は、封王冢の暴動を防ぎ、異変が起きた際に介入するための最終手段に過ぎない。
学员の行動には一切干渉せず、救助活動にも関与しない。その役目は別の者が担っている。
もし学员が危険に遭遇した場合は、心の中で呪文を唱えれば、すぐに誰かが救出に来る。だが、その時点でその者の試練は完全に終了となる。
画面の中の者たちは、自分の行動が誰にも見られていないと思っている。たとえ見られても構わないと思っている。だが、彼らは知らない——誰かが別の方法でそのすべてを見透かし、一挙一動を記録しているということを。
李沐子の目が光る。彼はこっそりとビデオカメラを使い、彼らの行動をすべて記録していた。
将来、何かの役に立つかもしれない——そう心の中で考えながら。
(終わり)




