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昭和レトロ自販機来客簿〜迷えるお客様の癒しの夕食〜  作者: 地野千塩


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エピローグ

 ここはベンダーショップ・天国の中だ。昭和レトロな自動販売機の無人店舗だ。


「よいしょっと」


 店主の男は店に入ると、使用済みのプラスチックの器を片付け、軽く掃除をした。毎朝、出勤後のノーティンだったが、店に何の異常はない。自動販売機も確認し、商品の在庫数なども見ていくが、売れ行きも好調だ。自動販売機も元気に稼働し、店主の口元が綻ぶ。


 客が自由に書き込めるノートも確認。このあたりは自殺スポットがある。ヘビィなお悩み相談も書き込まれていたので、店主も気になっていた。他の客も返信を書いていたようだが、例の客は家に帰ったらしい。ブルーハワイのかき氷を食べ、ちょっと復活した。そうノートに書いてあったのを読む。


「そっか。まあ、よかった」


 店主はノートを閉じると、かき氷の自動販売機を見つめた。もう全国ではほとんど稼働されていない貴重な自動販売機だ。店主が見つけた時はぼろぼろだったが、どうにか手間暇かけて復活させた経緯がある。


 今はカレーの自動販売機もメンテナンス中だ。手に入らない部品も多く、自分で作っていたりもしたが、楽しい。カレーの自動販売機も元気に復活し、お客様を楽しませている様子を想像すると、さらに口元がゆるんでしまう。


「さあ。今日も仕事だ。色々と仕込みもあるし、忙しい!」


 店主はそう呟くと、裏の厨房に周り、今日の仕事を始めていた。


 厨房の窓からは朝陽が降り注ぎ、明るい。小鳥の鳴き声や風の音も爽やかだ。新しい一日の始まりだった。

 

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