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満月の夜は闇の者の本性をむき出しにする。

今日までの三日連続更新です!

寮の自室にて。


「ねえ、レイジ。明日は休みだからどこかに遊びに行かない?」

「えっ?明日って金曜だろ?」

「もう、レイジはまた聞いてなかったの?満月の日は学園が休みになるって先生が言ってたよね?」


そう言えばそうだった。

この学園は満月になると休みになるそうで、リアにその理由を聞いたら『魔族は満月になると本性が抑えられなくなりやすいからっす!』って教えてくれたっけ。


「明日が満月だったんだな」

「ボクはその話を聞いてからすぐに次の満月はいつか調べたんだけどね」

「俺は学園が楽しいから休みのことなんて全然気にしてなかったなあ」

「まあ、留学中はボクがこうやってレイジのフォローをするからいいけどね」

「さすがはやて!頼むよ!」

「うん、任せて!」


はやては満面の笑みで応えてくれる。


「で、遊びに行くあてってあるの?」

「旅行といえばこの本だよね!」


『地球のあるるぶ ルーマニア』


「準備いいなあ、さっすがはやて!」

「まあこのくらいは当然だよ」

「一家に一人ははやてが欲しくなるね」

「それほどでもないよ」

「ホントだってば…あれ?」

「どうしたの?レイジ?」

「そういえば、はやてって宇宙から来たんだよね?」

「うん」

「家族は?」

「居るよ。ここから10万光年以上離れてるけど」

「ええっ?!じゃあ地球で一人暮らししてるの?」

「そうだよ」


子供の時に一人で地球に来て、ベターエナジーカプセルを使って地球人と同じ姿になるように自分で調整し、戸籍とかも偽造ごまかして日本の社会にうまく溶け込んでいるらしい。


「子供って何歳の時?」

「10歳で地球に来てからはずっと一人暮らしだよ。学校とかには両親は海外出張してるってことにしてるけどね」

「うちと同じだな」

「ボクの場合、本当の親は地球に居ないけどね」

「じゃあさ、はやて」

「何?」

「うちに住まない?」

「ぶっ?!」


珍しくはやてが吹き出した。


「嬉しいお誘いだけど、そうするとお互いの家に遊びに行くとか友達らしい事が出来なくなるよ」

「あっ、そうか!それにお泊まり会とかもできなくなるな!」

「そうそう。広重とかも誘って友達だけでどこかに遊びに行くとかもしたいでしょ?」

「そうだな!うー、早く日本に帰りたくなってきた!」

「日本に帰らなくても、ここで出来た友達と遊べばいいじゃない」


おお、はやては天才か?!


「じゃあ、明日の休みはクラスの誰かを誘って街を案内してもらおうか!」

「いいね!」


そうなると満月の影響を受けない人間のクラスメイトになるな。


夕方月が昇るまでに帰れれば誰でもいいんだけど、何かあって遅くなると困るからね。


さてと、誰にしようか?


ちなみにFクラスには俺たちを除くと魔族が24人と人間が14人居る。


誰に声を掛けようか俺とはやてが悩んでいると、


コンコン


ふいにドアがノックされた。


「はーい」

「わたちよ」


あれ?アリス?

俺たちの部屋に何の用だろう?


「って、ここ男子寮だぞ!どうやって入ってきたんだ?!」

「寮の玄関で許可を取れば入れるもん」


えっ?そうだったの?


「相変わらず留学の資料とかも読まないんだね。あとで主な注意事項を教えてあげるよ」

「すまん、はやて」


まあ、それはさておき。


「で、何の用?」

「明日は休みだからチームの親睦を深めに遊びに行きたいの!」

「満月だけどいいの?」

「だからサキュバスのラウラはお留守番なの」


確かに本能のままに行動するサキュバスと遊びに行くのは遠慮したいな。


「アリスは満月でも平気なのか?」

「ふふん、すっごいヴァンパイアのわたちは衝動なんて楽勝で抑え込めるんだからね!」


と言って胸をドンと張るアリス。

相変わらずちんまい身長なのに胸だけは凄いんだな。


「(ぼそ)レイジ、どこ見てるのさ?」

「(ぼそ)だってアリスは3頭身で『頭・胸・その他』だろ?どうしても胸が目に入るんだよ」

「(ぼそ)それなら仕方ないよね」


よしよし、はやても納得してくれたようだ。


「それなら明日は3人で出かけようか」

「そうだね」

「やったー♪」





そして翌朝。


俺とはやてとアリスは街に繰り出した。




「わたちはハッピーセットで♪」

「なんでルーマニアまで来てマクドやねん!」


あちこち回ってお昼になったら、アリスのオススメの店がマクドナルドだった件。


「レイジ、そのエセ関西弁は何?」

「いや、ちょっと怒りを伴うツッコミ表現をしようかと。で、はやては何を頼むの?」

「ボクはフイッシュのセットで」

「じゃあ俺はビッグマックでポテトの代わりにナゲットのセットにするか」



ルーマニアのマクドナルドは大きさも見た目もあまり日本のと変わらないみたいだな。


「はやて、ポテトとナゲット交換しないか?」

「いいねえ!」

「わたちもナゲットほしいの!」

「じゃあポテトと交換で」

「ポテトはだめなのら。代わりにシェイクをひと口あげるの♪」

「こんなにあるのにひと口だけ?」


確かMサイズ頼んでいたはずだけど、凄くでかいんだけど。


ハンバーガーは同じくらいの大きさなのに、なんでシェイクだけ大きいんだろ?


ごくごく。

うん、味は日本と一緒だな。


「ねえ、レイジ」

「ん?なに?」

「それって間接キスだよね?」

「ぶごぼぼっ?!」

「あっ?!わたちのシェイクがあ?!」


はやてが変な事言うから、うっかりストローに吹いてしまった…。


「すまん、買い直してくる」

「今度はストロベリーにしてね♪」


ちゃっかりしてるなあ。

でもそういう所がおこしゃま…アリスらしいか。






「最後に、ここがミカエル公園だよ♪」

「さすが外国の公園は広いな!」

「湖に隣接しているから、なおのこと広く感じるね」

「花壇が綺麗で歩いているだけで気持ちいいんだよ♪」


俺たちが夕刻の公園の中をブラブラと歩いると罵りあってる声が聞こえてきた。


「なんだテメー!やるのか?」

「うるせえ!そっちこそやる気かよ?!」



「ケンカかな?」

「それにしては殺気混じりだな」


お父さんから武術を教わった時に殺気に気づく訓練もやったんだけど、あれは色々大変なのでクラスでは教えていない。


でもマスターすれば死角からの攻撃とか狙撃にも対応できるんだ。


「まずいのら!」

「どうしたんだ、アリス?」


おいアリス、興奮してまたおこしゃま言葉になってるぞ。


「あの男たちは二人とも魔族なのら!時間的にそろそろ満月がるから、このまま喧嘩になったら殺し合いになりかねないのら!」


けんかはもちろん、殺し合いなんて論外だ。

よし、止めてくるか。


「だめだよ、こんなところでケンカなんてしたら」


俺はそう言いながら一触即発の二人の間に割って入る。

二人とも大人だからとりあえず敬語敬語…いや、丁寧語か?


「レイジ!うかつに近寄ると危ないのら!」

「大丈夫だよ。レイジならちゃんとケンカを止めてくれるから」

「魔族の多くは満月に特殊能力が使えるようになるのら!そいつらはサソリ人間と狼男らよ!」

「もしかしてあいつらと知り合いなの?」

「違うの。これはヴァンパイアが使う『瞳術』のひとつで『鑑定眼』なの!」


術?サキュバスの魅了する瞳とどう仕組みが違うんだろ?

なんて考えるのはあとでいいか。


「みんなの公園だから、仲良くしましょうよ」

「黙っていろ、脆弱な人間め!」

「弱者が俺たちやみの者の闘いに水を差すな!」


満月が東の空から登り始めると、その光を浴びた二人の体がメキメキと変化し始める。


サソリ人間は全身が鎧のような外骨格におおわれていき、狼男は頭がオオカミに変わり、全身に長い体毛が生えてくる。


「お前の牙と爪で俺の鎧を貫けるかな?無理だろうなあ。何しろ、俺の鎧は鋼より硬いからな!」

「なんだと?!俺様の爪は鋼鉄でも引き裂くんだぞ!」


何だか最高の矛と最強の盾を自慢しあっているみたいな言い争いだな。


「ケンカする気なら、無理やり止めるよ」

「はっ?!寝言は寝てから言えよ!ひ弱な人間に俺の鎧をどうにか出来るのかよ?!」

「じゃあ、失礼して」


俺は自分の鎧に自信を持つせいで無防備なサソリ人間に近づくと、その両手首を掴んで『ジャイアントスイング』で振り回す。


「うおおおおおおおおっ?!」


全力で1分ほど回してから地面に下ろすと、サソリ人間はぐったりとして失神していた。


「馬鹿な?!振り回しただけで気絶させただと?!」

「どんなに外骨格が硬くても、遠心力で脳に血が行かないようにすれば気絶するんだよ」

「くっ、馬鹿なサソリ野郎め。取っておきの毒針を使わないでやられやがって」

「遠心力で俺の方に尻尾を向けられなかったんだよ」

「ふん、大したことの無い野郎だぜ!」

「じゃあ次はあなたですね」


俺が狼男に手伸ばすと、残像を残すくらいの速さで狼男は素早く避ける。


「おっと、ノロマのサソリ野郎と一緒にしてもらったら困るぜ。満月の狼男は超高速で動けるんだからな!」


ヒュンヒュンと超高速で俺の周りを回り始める狼男。


「こうなったらわたちが!」

「大丈夫。あんなのレイジの敵じゃないよ」

「でもパワータイプのレイジでは攻撃が当たらないのら!」

「大丈夫だよね、レイジ」

「ああ、任せとけ」


俺を信じてそう言ってくれてるはやての期待にちゃんと応えないとな。

お読み下さりありがとうございます!

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