満月の夜の公園はケンカ祭り?いや、血祭り?(違)
おまたせしました!
週末は3日連続更新します!
はやてに期待されているから、地味な勝ち方じゃなくて少しは派手にやるかな?
大怪我させる気は無いけどね。
「はあっ!」
ドゴアッ!
「うわっ?!」
「わっ」
「きゃっ?!」
俺は激しく地面を踏みしめる『震脚』を使って大地を揺らし、態勢を崩した狼男に飛びかかる!
ガシッ
「捕まえたっと」
「くっ、こんな雑なやり方で俺様を捕まえるとはっ!」
「雑?ねえ、はやて。ちょっと地味だったかな?」
「十分だよ!こっちまで転ぶところだったからね!」
「ちょっと危なかったのら!」
「あっ、ごめん!」
はやてとアリスまで巻き添えにしてたんだ。失敗失敗。
「くそおっ!だが両腕が抑えられても足の爪があるんだぜ!」
靴の先から爪が飛び出してきたけど、この靴も闇の住人向け仕様なのかな?
「でも蹴る前にそれを言ったらだめだよ」
ギュムウッッ
「わおおおおおおおんっ!」
俺に両足を踏まれた狼男が叫び声を上げる。
「ぐ…ぐふふふ、かかったな?」
「何が?」
「俺の両手両足を押さえ込んだお前に、この牙を防ぐ術は無いのだあああっ!」
狼男は大きく口を開けると噛み付いてきた!
「じゃあこの腕でガードするね」
ガブウッ!
「ぎゃああああっ!」
思いっきり自分の腕を噛んでしまい悲鳴をあげる狼男。
「別に俺の腕が封じられてるわけじゃなくて主導権がこっちにあるんだから、相手の腕でガードするとか想像出来ないかなあ?」
「そうは言うけど、満月の夜の狼男は凄い腕力だから普通はそんな簡単にはできないのら!」
「レイジ、それは全然普通じゃないみたいだよ」
「あっ、そうなの?」
もうこのくらいでいいだろうと思い、両手両足を離して狼男を解放してやる。
「ま、まだ終わってないぜ!」
「腕を怪我してるから帰った方がいいと思うんだけど」
「馬鹿め!周りを見てみろっ!」
あちこちからすごい速さで集まってきたのは、何十人もの狼男たちだ。
「いつの間にこんなに大勢呼んだんだ?!」
「さっきの咆哮で仲間を呼んだんだぜっ!さあ、覚悟してもらおうか!」
「はやてとアリス…は退避してるから心配しなくても大丈夫か。さすがはやてだね」
「うん、ボクたちを気にせずに存分にやっちゃってね!」
狼男たちの輪の外からはやてが手を振ってくれている。
「よくも仲間を傷つけてくれたな?」
「この人は自分で自分の腕を噛んだだけなんだけどね」
「問答無用!覚悟しろ!」
全員がすごい殺気を俺にぶつけてくる。
「あーあ、あんなに殺気を放ったりして、これは終わったね」
「そんなことより早く警察を呼ぶのら!この公園には駐在所もあるから、直ぐに来てくれるのら!」
「警察を呼ぶとレイジのほうが捕まりそうだから呼ばないほうがいいよ」
「ほえ?」
さすがにこの人数相手なら正当防衛だろうけど、大怪我をしないように叩きのめしていくかな。
「やれ!」
「「「おう!!」」」」
周囲からと頭上から爪を振りかざして一斉に襲いかかってきた狼男たち。
全包囲攻撃の対処方法は多々あるけど、
「それじゃあ駄目だよ。攻撃のタイミングが合ってないから」
俺は一番近い相手の両手首を掴んで攻撃を止めると、そいつを振り回して次に迫っていた奴の爪に叩きつける。
「いだあああっ!!」
「うがあっ!俺の爪があっ!」
「ぽいっと、そして盾役を交代だ」
俺は狼男を次々に掴んでは振り回しあるいは投げつけて駆逐していく。
多人数を相手にする時はその相手を使えっていうのが綿山家の教えだよ。
「お、鬼だ!」
「こいつは人間じゃない!悪魔だ!」
口々に失礼なことを言いながら逃げていく狼男たち。
「レイジ、お疲れ様。はい、飲み物」
「はやて、サンキュ」
ごくごくと喉を潤していると、アリスが目を輝かせていた。
「す、すごいのら!強くてかっこいいのらっ!ううっ?!」
そう言うと、アリスが突然うずくまって苦しみ始める。
「アリス、どうしたんだい?」
「ま、まずいのら!闘いに興奮して本能が抑えきれなくな、るうっ!」
「本能?」
「う、うううぅっ」
ヴァンパイアの本能である吸血行為が抑えられなくなったのか?
でも、アリス自身がヴァンパイアはそんなことはしないって否定していたよな。
衝動も抑えられるって言ってたし。
もしかして戦いを見て興奮すると満月の夜の衝動には逆らえなくなるのか?
「アリス!血を吸うなら俺の血にするんだ!」
「ら、らいじょうぶなのらっ…自分で衝動を止めるのらっ!」
そう言うとアリスはどこからともなくハンマーと銀色の杭を取り出した。
「まさか自分の胸にヴァンパイアの弱点である銀の杭を打ち込む気?!」
「やめるんだ!俺の血なら吸っても大丈夫だから!」
「邪魔するなあーっ!」
止めようとした俺とはやてはアリスの思わぬ強い力で吹き飛ばされる。
「なんてパワーだ!これが満月の夜のヴァンパイアの力か!だけど止めてみせる!」
「レイジ、ちょっと待って!」
「え?」
ハンマーを振りかぶったアリスはそれを力強く振り下ろす!
カーーーーン!
カーーーーン!
「銀の杭をアスファルトの上に置いて叩いてる?」
「違うよレイジ!あれは銀じゃなくてアルミだよ!だからあんなに簡単に加工できるんだ!」
「加工?」
「うん、見ててよ」
アリスが叩いていた銀の杭…じゃなくてアルミの塊は叩き伸ばされてナイフのような形状になった。
「完成だあっ♪ふう、やっと落ち着いたあ♪」
「いったい何やってたんだよ?」
「金属加工をしたくなる衝動ってなんなのさ?」
「実はわたちはヴァンパイアと闇ドワーフのハーフなの」
「「闇ドワーフ?!」」
闇ドワーフってダークエルフみたいなものかな?
なるほど、アリスはドワーフの血が入っているから低身長なのか。
「満月の夜に起こるわたちの本能的衝動は闇ドワーフ特有の『鍛冶をしたくなる衝動』なの。だからどこでも鍛冶が出来るように加工しやすいアルミの塊とハンマーを持ち歩いてるの♪」
「「紛らわしいわっ!!」」
「それでね、満月の夜に強い人を見ると、この人の為に武器を作ってあげようって衝動が沸き起こるの」
「変わった衝動だな」
「まあ、他人に迷惑かけないならいいんじゃないかな?」
確かにそうだよな。
平和的な衝動なら問題なしだ。
「で、でも…わたちにはヴァンパイアとしての本能もあるって今気づいたの♪」
「え?」
「レイジが『愛しいお前のためなら俺の血なら吸っても大丈夫だぜ!』って言ってくれた時、凄くドキドキしたの!」
いやいや、そんな言い方してないからね。
なんで脚色されてるの?
「おねがいなのら…レイジの血を少し飲ませてほしいのら!」
上目遣いでそう懇願してくるアリスに対して、俺は…
ボゴオッ!
石畳を強打して手に傷を作りアリスに差し出す。
ポタッポタッポタッ
このぐらい血がしたたれば飲めるだろう。
「レイジ!それは○ムウの最期に血をあげるジョセ○のやり方だから!」
おお、はやてもジョジ○を読んでるのか!帰ったらお気に入りのシーンとか話しあおうっと!
「でも普通は首筋を差し出すよね?ほら、相手はこんなに可愛い女の子だし」
「だって、アリスって牙無いよね?」
「え?そうなの?」
「うん、最近のヴァンパイアは血を吸わなくなったから牙が退化したの。純血のヴァンパイアは満月の夜だけ吸血衝動が出て牙が伸びるんだけど、わたちはそうはならないみたいなの」
そして俺の手から滴る血をこくこくと飲むアリス。
「んふ、おいち。こくこく」
「ところで、レイジなら石畳を殴ったくらいでは出血しないんじゃないの?」
「ケガをするように手加減して殴ったんだよ」
「そういうのも手加減って言うのかな?さすがレイジ、器用だね」
「んくっ、んくぅ、ぴちゃ、れろお、んっ、レイジの血、すごくおいしいのお♪」
「おいおい手まで舐めるなよ!」
「というか、舐め方がいやらしいよね?ボクたちは高校生何だから節度ある吸血をしないと!」
節度ある吸血って何?
「だって、もう血が出ないんだもん。れろれろ」
「このくらいの出血なら1分で止まるからなあ」
「やっぱりレイジって人間離れしてるよね。まあ、そういう所も好きだけど…あっ、友達として好ましいって意味だからね!」
そんなに慌てて言い直さなくても、ライクがラブだなんて勘違いしないって。
俺とはやては友達以上親友未満なんだからな。
「んー、もっと飲みたいのに…うっ?!」
「アリス?!」
「う、うああああああああっ!」
突然胸を抑えて急に苦しみ出したアリス。
一体どうしたって言うんだ?!
「レイジの血であたったんじゃないの?」
「はやて、冗談言ってる場合じゃないよ!」
「血じゃないとしても、石畳殴った手を舐めまわしたから、お腹壊したんじゃないの?」
「それにしては苦しみすぎてない?」
とりあえずこんな時間にお医者さんあいてないだろうし、いや、そもそもそういうこと知らないから、救急車を呼ばないと!
「だ、大丈夫なのら、、、学園長に、おば様に連絡、を」
そういえば学園長の姪だって言ってたな。
「急いで学園長の所に連れていこう!」
「レイジ、先に電話しないと」
「じゃあ電話しながら走ろう!」
「歩きスマホは危ないから駄目だよ」
「大丈夫、俺がアリスを抱っこして、はやてをおぶっていくから!」
ひょいひょいっと二人を抱えたり背負ったりしてと。
「行くぞぉぉおおおおっ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「あははっ、まったくレイジったら。さあ、電話電話っと」
そしてアリスは無事学園長の元に届けることが出来た。というか電話中に着いた。
「さすが八蜜が見込んだ生徒だな」
そして学園長が俺たちに教えてくれたのはある衝撃の事実だった。
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