サキュバスとベッドの上で対決!なのにエロ無し?!
お待たせしました!
金土日と3話更新します!
○三人称視点○
サキュバスのレイラ・フローレアが白衣を脱いで見せた漆黒のマイクロビキニという勝負服に対して、レイジはベッドの布団に頭から潜って抵抗する。
「先生!着替えるのなら言ってくださいよ!」
「違うわよ!これは異性を落とすための勝負服なの!」
「ほとんど全裸じゃないですか!」
一瞬でも動体視力で全部見えてしまう自分が恨めしいレイジ。
「サキュバスは肌からフェロモンが出るのよ。だからそんな風に布団を被ったりしたら思う壷よ」
レイラはそう言うとレイジの入っている布団に潜り込んでいく。
「お姉ちゃんすごいっ!」
姉がレイジを追い詰める様子を固唾を飲みながら見守るラウラ。
「さあ、レイラの匂いを存分に吸うといいわ。ほーら、捕まえた」
布団の中で頭を掴まれるレイジ。
そしてそのまま豊満な胸の間に頭が押し込まれる。
「はううっ?!」
「さあ、どう?レイラの魅力、わかったかしら?」
「…はい。レイラ先生はとっても魅力的です」
「勝ったわ!」
そう言って布団から顔を出すレイラ。
続けてレイジも顔を出す。
「さあ、レイジくん。あなたはレイラと初体験したの。レイラが初めての女性だって覚えておきなさいね」
「なんの初体験ですか?」
「なんのって…初体験と言えばアレしかないわよ!」
「お姉ちゃん、ファーストキスとかも初体験だと思うけど」
「普通はこれでいちいち説明しなくても暗示にかかるはずなのよ」
「暗示だったんですか?それならたぶん効いてないと思いますよ」
「何で?!」
思わず飛び退いてベッドから落ちかかったレイラの手を掴んで抱き寄せるレイジ。
「あっ」
「先生、大丈夫ですか?ベッドの上でそんなに動いたら危ないですよ」
「あ、ありがと…なんで魅了が効いてないの?!」
「さあ?元々レイラ先生が魅力的だって思っているからとか?」
「それでもレイラの言いなりになるはずなのよ!」
「サキュバスの魅了って催眠術に近いんですね。魅力的だなって思えてはいるんですけど、言うことを聞かないといけないって気持ちにはならないんですけど」
唖然として固まっているレイラを尻目にレイジはベッドから出ていく。
「じゃあ、戻ろうか。ラウラの魅了は俺には効かないってわかったし」
「そ、そうね。じゃあね、お姉ちゃん」
立ち去る二人はレイラがレイジを見送りながら頬を染めているのに気づいてはいなかった。
「サキュバスの魅了が効かないなんて、なんてタフな男性なの!これはラウラ共々お嫁さんにしてもらわないと!」
サキュバスの世界では魅了の効かない男性と真の愛を育むのが至上とされていた。
つまりは、ラウラは逆にレイジに落とされてしまったのだ。
「ただいま」
「おかえり、レイジ。おかえりラウラ…あれえ?」
「どうした?」
「いや、何でもないよ(やっぱり逆にラウラを魅了しちゃったんだな。さっすがレイジ♪)」
…ということがあり、ラウラも問題なくレイジやはやてと牙-騎馬を組むことが出来るのだ。
そして放課後。
騎士戦の練習時間だ。
レイジ、はやて、ラウラの三人で馬を組むなら、本来なら力のあるレイジかはやてが前になるべきだがあえて前にはラウラを据える。
普通の組み方なら、ラウラの左右の手にそれぞれレイジとはやての手を繋ぎ、余ったレイジとはやての手をラウラの肩に置き、騎士役のアリスがその二人の腕に跨りつつ、両足をラウラと二人が繋いでいる所に載せる。
しかしレイジとはやてはラウラと手を繋がず、手の平を上にしてアリスの足の裏を鷲掴みにし、ラウラの両手は二人の手首をがっしりと掴む。
さらにラウラの肩に二人の残った手が置かれているものの、アリスの全体重はレイジとはやての手の平に集中しているため、ラウラはほとんどアリスの重さを感じない。
「これだとレイジとはやての二人だけでアリスを持ち上げているようなものよね?」
「そう。そして鐙である俺たちの手の平を二人でぐっと持ち上げると…」
身長が130センチしかないアリスがぐいっと上に押し上げられる。
「これで身長差の不利は解消できるのね。でも手の長さが短い分まだ不利だわ」
「さらにこの『槍』を使ってもらう」
「てっきり長い槍でも使うのかと思ったら、少し太いけど短い槍なのね」
「わたちにとっても少し短いの」
「騎士戦のポイントは騎馬を崩すと1点、武器を落とさせると2点、騎士を落馬させると3点だから、まずは武器を落とさせることを目標にする」
「武器を落とさせてからさらに落馬させると5点も入るからね?」
「いや、武器を落としたらトドメを刺さずに他の騎士を狙っていく」
「えっ?どうして?」
「チャンスなのに?」
「それはな…」
レイジの作戦を聞くとラウラとアリスは唖然としてしまう。
「そ、それは流石に無理じゃないの?!相手はEクラスよ!」
「そんなに簡単には無理なのら!」
アリスは興奮するとお子様言葉が進行して『○○なのら!』と言ってしまうらしく、思わずほっこりしてしまうレイジとはやて。
「そのために特訓するんだよ」
レイジは父にあらゆる武術の基礎となるものを教わっているため、槍術そのものは未経験だが少しその所作を見ただけで達人のような槍捌きを見せ、クラスメイトたちにその技術を教え込んでいく。
こうして着々とEクラスと戦う準備が進んでいくのであった。
その晩。寮のレイジとはやての部屋にて。
「やっぱりレイジは凄いね。初めて見る武術でもあれだけできるなら異世界へ行ってもチートとか要らないんじゃないの?」
「チートとかよりも魔法を覚えたいんだけどなあ」
「じゃあ帰ったらフィーネさんに教わったら?」
「そうしようかな?どうせならフィーネの故郷に行って覚えた方がいいかも」
「異世界なんだよね?!それならボクも連れて行ってよ!」
レイジと同室になって一緒の部屋で過ごすようになってからはやてはレイジの嫁たちのことを色々聞いていたので、フィーネの住んでいた異世界には興味津々だ。
「もちろんだよ!ところで…はやての『スペシャルな光線』って、魔法なの?それとも波○拳やかめ○め波みたいなの?」
「何だよ、そのネーミング?あれは体内のエネルギーを撃ち出すんだけど、呼吸に近い感覚なんだよ」
「呼吸?」
「ボクたちシェルディア星人は体を動かすエネルギーを自在にコントロールできるんだよ。だからあの光線も息をするくらいに簡単に出せるんだ。と言っても威力には限界があるけどね」
「頑張れば俺にもできるかな?」
「レイジなら本当にやってしまいそうだけど…暴発させないでね」
「暴発するの?!」
「小さい頃はコントロールが下手で、転んで泣いて周りに光線出しまくったりすることがあるんだよ」
「怖っ?!」
「あと、生まれつき体内のエネルギーが物凄く強い赤ちゃんは危険だから『ベターエナジーカプセル』と似た装置を使って危なくないようにエネルギーを奪ったりするんだよ」
「大変なんだなあ」
コンコン
「ん?」
不意にノックの音がする。
「こんな夜に誰だろ?」
「というか、今のノックって窓のほうだよね?」
はやてがカーテンを開けると、そこにはアリスの姿があった。
「アリス?こんな時間にどうしたの?もしかしてレイジに夜這いかけに来たの?」
「夜這いと違うもん!特訓の続きをしたいだけだもん!」
「こんな時間に?!」
「ヴァンパイアは夜行性だから、夜の方が特訓が捗るの!」
太陽の光は克服していてもやはり夜の方が体調がいいらしい。
「じゃあレイジ、行ってらっしゃい」
「え?俺ひとりで?」
「見回りが来た時、ボクならうまく誤魔化せるからさ」
「わかった。じゃあ行ってくるよ」
開いた窓から飛び出すレイジ。
「レイジ、ここ3階だから!」
「え?」
アリスが空を飛んでいたので、1階のように錯覚していたレイジは真っ逆さまに落下する。
くるん、すたっ。
回転して見事に着地するレイジ。
「あー、びっくりした」
「驚いたのはあたちなのら!」
「ごめんごめん。でもこのくらいの高さなら地面に叩きつけられても大丈夫だから」
「やっぱりレイジは怪物か何かなのら!」
「怪物は酷いなあ。それよりも、特訓を始めようか」
「学校ではいい所を見せられなかったけど、わたちの真の実力をみせてやるのら!」
森の奥の開けた所に少し欠けた月の光が射す。
そんな幻想的な所でレイジとアリスは槍の練習を始めた。
「たあっ!やあっ!」
「おっ?確かに昼間より力が強いな」
「その余裕もここまでなの!」
ヒュンヒュンとアリスの槍の速さが増し、力強さも増していく。
「じゃあ、これでどうかな?」
キインッ!
「えっ?今のはなんなのら?!」
渾身の突きを同じく突きで返されて驚くアリス。
普通槍の突きを捌くのならば払う動作をするものだが、レイジはアリスの槍の穂先に自分の槍の穂先を当ててきたのだ。
競技用の槍の穂先は危なくないように丸くなっているが、それにしても神業だ。
「どんどん突いていいぞ」
「そんな受け方ありえないのらっ!」
キインッ!キインッ!キインッ!
「突きが駄目ならこうなのら!」
槍は突くばかりではない。
払いや叩く所作もあるのだが、
キインッ!キインッ!ガキインッ!
それらは全てレイジの槍の穂先で受けられ、さらには足元を払おうとしたアリスの槍の穂先がレイジの突きで地面に押し付けられる。
「うっ、動かないのら?!」
「確かに今は夜だから力強くなってるけど、試合は日中なんだから、その事を考えて特訓しないとね」
「ううー。じゃあどうしたらいいのら?!」
「クラスメイトたちと動体視力鍛える練習しただろ?」
「うん」
「相手の槍を見切って受けることに尽力して、最後には相手の槍を打ち落とすことを目標にしよう」
「日中のわたちの力では槍を叩き落とすなんて無理なのら!」
「いや、できるよ。その短くて太い槍なら力は無くても自分に当たらないようそ逸らすことが出来るはずだ」
「逸らしたら騎馬に当たってしまうのら…あっ?!」
アリスがある事に気づいて声を上げ、それを見たレイジはニヤリと笑った。
「気づいたみたいだね。それが俺が言っていた作戦のひとつなんだ」
「……ヒィッ」
「うわーん、はやてー!」
「よしよし、ほら泣かないでレイジ」
優しくレイジの頭を撫でて慰めるはやて。
「うう、ちょっと笑っただけなのに、なんであんなに怖がられるんだよお!」
「アリスがおこしゃまだから仕方ないよ(レイジの笑顔はレイジ大好きな人にはキュンキュンするんだけど、そうでない人にはちょっと怖いんだよなあ)」
レイジの頭を撫でながら、これで一歩親友に近づけたかな?と思うはやてであった。
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