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学校の人気者の小川望美は俺のモノ  作者: Masa(文章力あげたい)


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第91話 失恋しちゃいました

 お昼前です。 朝食の片付けも終わりました。 今日は調子がいいです!


 それにしても、望美さんの姿が昨日の夜から見えません。


 莉央さんとマリモさんは、大学へ行ってしまいました。


 だから今は、誰もいません。 ーーもしかして、放任されているのかなぁ?


 もっと、仲良くなりたいのに。 その時。


 ーーぴんぽーん。 インターホンが鳴りました。 内線から警備員さんが連絡をくれました。


「はーい!」


 私は、慌てて玄関へ向かいました。 扉を開けるとそこには、着物姿の女性が立っていました。 


 淡い藤色。 白い花の模様。 黒い帯に、金の飾り紐。 髪は短くて艶やかです。


 綺麗。 まるで映画から出てきたみたいですーー


「えっと。 こんにちは〜 鵠沼屋敷へようこそ〜」

「貴方、誰?」


 彼女は、無表情で私を見ています。 


「はい、中川恵って言います!」

「そうなの? ……新人メイドさんかしら?」


 その人は、私を上から下まで、じっと見ました。 恥ずかしいな!


「私は、これを返しに来たんだけど……」


 そう言って、彼女は紙袋を差し出してきました。


 中を見ると、ジーンズと、Tシャツでした


「あ、この柄は……」


 ピンクのアヒル。 両手を広げて。 『かわいくて ごめんね』。


 私が水族館の時に望美さんに貸したTシャツと、同じですね!


 ーーあれ? でも、なんでこの人が? このTシャツを?


「……あの。 これ、どちらで?」

「借りたの。 鵠沼玄一郎様のパーティーの日にね」

「パーティー?」

「ええ。 そこで、私の顔にケーキを投げた人が、後で持ってきてくれたのよ」


 ーーけ、ケーキ? どうして、そんなことに?


「え、ええっと」

「あら、ごめんなさい。 新人さんには関係のない話だったわね」


 彼女は、無表情でそう言いました。 


「……そうですか。 どうぞ、こちらへ」

「ええ、上がらせてもらうわね」


 応接室にお通しして、私はコーヒーを用意しました。 ーー上手くできたかな。


「どうぞ」

「ありがとう」


 彼女は、カップを持ち上げて、一口。


「……悪くないわね」

「ありがとうございます!」


 彼女は、優雅な表情でコーヒーを嗜んでいます。 背筋が、まっすぐ。 所作が、綺麗で絵になるなぁ。


「ところで……今、この屋敷には貴方だけなの?」

「いえ、当主……鵠沼灯磨がおりますが」

「ふふ。 だったら、ここに連れて来て」

「え、あの」

「早く」


 私は、思わず後ずさりました。 なんだろう。 この人、凄い人なのかな?


「あ、あの! 失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


 彼女は、カップを置きました。 そして、こちらを見て言いました。


「花山院菜奈……将来は灯磨の妻になる女よ」


 ーーえ? 私は、その場に立ち尽くしました。 いま、妻って。


「……えっと」

「なあに」

「その、婚約者の方、ということでしょうか」

「違うわ」

「許嫁とか……」

「それも違う」

「だったら……」

「ふふ。 私はね、灯磨に私のすべてを見せたの……」


 そう言うと、花山院さんは全身をアピールし始めました。


 嘘だよね? え、そんなところまで? ーー破廉恥です!


「……これでわかったでしょ? 早く、呼んできて」

「……はい」


 私は、涙が出る中、灯磨の元へ向かいました。


ーー私、失恋しちゃいました。 私には、あそこまで見せる勇気がありません。

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