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学校の人気者の小川望美は俺のモノ  作者: Masa(文章力あげたい)


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第81話 宴会場は騒動の定番

 宴会場は、豪華だ。 ーー当然だ。 俺が手配したからな!


 見よ、シャンデリア。 白いクロスの円卓がぎっしり。 そこに生花のアレンジメント。 並んでいる食事も、当然こだわりがある。

 

 そこに客が三百人はいる。 鵠沼の名で繋がった関係各所が、揃って頭を下げてくる。 実に素晴らしい光景だ。 


「本日はおめでとうございます。 玄一郎会長には、いつも」


 俺は、その一つ一つに応じた。 鵠沼家当主足る者、それができずにどうする。


 その背後には望美が控えている。 俺が女から名刺を受け取ろうとする前にすっと手が伸びて回収する。


「望美。 飲み物のお代わりをくれ」

「ゴクッ。 はい、どうぞ」


 俺のグラスが空けば、中途半端な量の飲み物を渡して来る。

 

 おい! 飲みさしかよ。 ーーなんなんだ、コイツは?

 

「灯磨、来い」

 

 主賓席から養父が呼んだ。 その隣に、男が立っていた。 仕立ての良い礼服。 柔和な笑み。 だが、目だけが笑っていない。


ーー猛禽類の類いだな。 危険だ。 俺は、なんとか心を沈める。


「挨拶しろ」

「はい! 鵠沼灯磨です。 お目にかかれて光栄です……」

「初めまして。 花山院家当主、花山院清嗣と申します」

 

 俺は頭を下げた。 少し深く、丁寧に。


「いや、これは。 噂に違わぬ好青年だ。 玄一郎さん、良いご子息をお持ちだ」

「ふん。 ただの不埒な義理の養子だがな」

「……っ」

 

『お前ごときの代わりなぞ幾らでもいる』


ーーそう言われている気がして仕方なかった。


「はは、ご謙遜を。 ……ところで灯磨君」

「はい」

 

 花山院氏が、身を屈めるようにして、声を落とした。


「後ほど、少しお時間をいただけますかな。 ……娘のことで」

「…………」

「ああ、そう構えずとも。 私はね、無理強いをするつもりはないのですよ。 ただ、あの子がどうしてもと聞かなくてね……」

「……はい」


 その言い方に、俺は妙な引っかかりを覚えた。

 

 その後。 俺は、壁際まで下がって息をついた。


「……お前、一言も喋らんな。 清嗣氏と知り合いだったんだろ?」

「今の私は、使用人ですので……」


 望美は後ろで手を組んで、そう言った。 そんな望美の視線が、俺の後ろへ映った。 俺は振り返る。


「こんばんは、灯磨くん❤️」

「……」


ーー花山院菜奈。 絵に描いたような令嬢だった。 しかし、その顔は無表情だ。


「やっと会えたね〜」

「……花山院」

「もう、菜奈って呼んでって言ってるのに〜」


 彼女はこちらを見上げてきた。 ーー距離が、近い。


 というか、接触している。 俺は反射的に後ろへ下がった。 


「ねえねえ、どうして下がるのかしら?」

「……当たり前だろ」

「ふ〜ん。 おませさんなんだ?」

「……」


 彼女の表情は変わらない。 ーーその時。


「そ〜れ!」

「キャァ!」


 花山院菜奈の顔面にケーキが投げつけられた。


ーー犯人は、望美である。


「はい、菜奈。 綺麗になりましたね〜 素敵ですよ〜」

「望美! 貴様……」

「撮りますよ、はい、チーズ!」


ーーパシャリ。 望美がカメラでその様子を撮る。


 シャッターの音が無音になった、会場に響いていた。

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