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学校の人気者の小川望美は俺のモノ  作者: Masa(文章力あげたい)


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第71話 夢みがちな女子高生

 昼食が終わった後。 望美はんが、ふらふら立ち上がった。


ーーなんか、雰囲気や威厳がなくなったわ。 普通の女子高生みたいやわ。


「きょ、今日の掃除は、無しで、す。 私、は部屋で少し休み、ます……」

「望美はん、顔色が」

「大丈夫、です。 ガク……」


 それから、床のもう一人。


「マリモちゃん」

「先輩」

「ごめんだけど、晩御飯の材料買ってきて」

「ええですけど……」

「あ〜しの下半身、マジで終わってるから」

「言い方」


 七瀬先輩は、床に座ったまま、片手でひらひらとメモを差し出してきた。


 門を出た。 ウチは、思いっきり息を吸うた。 なんや、出所した気分や!


 昨日の朝、この門をくぐってから、まる一日以上、ウチは外に出てへんかった。


 その間に見たもんが、色々あったな。 世界って広いな〜


 空が青い。 蝉が鳴いてる。 道路にアスファルトがある。 自転車が走ってる。


 ーー全部、まともや。 ウチは、ちょっと泣きそうになった。 プリンでも買って食べたいわ〜


 スーパーは、歩いて十五分のとこにあった。 自動ドアをくぐった瞬間の冷房が、天国やった。 ウチはカゴを持って、メモを広げた。 


『鶏もも2 玉ねぎ にんじん じゃがいも 牛乳 バター パン粉 卵1パック』


 ウチは、店内を歩き回った。 野菜。 肉。 乳製品。 順番に放り込んでいく。


 ウチ、買い物も得意やねん。 実家で母ちゃんによう行かされたからな。


「あの」


 声がした。


 うちの横に、女の子が立ってた。 高校生ぐらいやろか。 


 ワンピース姿で、黒髪を、後ろで二つに編んで垂らしてる。 おさげや。 久しぶりに見たわ、本物のおさげ。


 背は、うちよりちょっと低いぐらいやな!


「すみません、あの屋敷の関係者ですか?」

「え? ……あ、そうやで?」


 なんでウチ、疑問形やねん。 その子は、チラチラしながらこう言った。


「メイドさんですか?」

「いや……掃除係やな」

「はい?」


 ウチの返答に、その子は目をぱちぱちさせてたわ。


「あ、ごめん! 実質メイドやな、ウチ」

「やっぱり……」


 女の子は、目を輝かせたわ。 ほんで、うれしそうに笑うた。


「私、小説みたいなメイドに憧れているんです!」


ーーええ子やな。 現実を知らん子や。


「あの屋敷に、灯磨……鵠沼さんが住んでいるんですけど、私、クラスメイトなんですよ! あ、私の名前は中川恵っていいます!」

「そうでっか……ウチは、土間真里……マリモちゃんやで! 理由はこれや!」


 ウチは、自分の頭をぽんぽん叩いた。 もう慣れたもんや。


「え、頭……」

「春に切ってん、 涼しいで」

「そうなんですか? 私、てっきり……あの屋敷でイジメにあったのかと」


 恵ちゃんは、真面目な顔で、そう言った。 なんちゅうか、思ったことをそのまま言う子やな。


「違うわ! 空想のしすぎや!」

「……よく言われます」

「せやろな」

「……でも、当たりますよ?」

「え」

「事実は、小説よりも奇なり、といいますよね?」


◇◇◇


 ウチらは、レジまで一緒に歩いた。 忙しい母親の代わりに晩御飯を作っているらしい。


 この二日で、ウチが聞いた話の中で、いっちゃんまともな話や。 レジを出て、袋詰めして、店の前で別れた。


「ほな、またな」

「はい。 あの」

「ん?」

「……また、会えますか」

「会えるやろ。 近所やしな」

「よかった」


 恵ちゃんは、ぺこりと頭を下げて、歩いていった。


 まさかこの子と、あんな形でまた会うことになるなんてなーー

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