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学校の人気者の小川望美は俺のモノ  作者: Masa(文章力あげたい)


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第58話 執愛の終着点

 縁結び神社の次は、カフェよね!


 私は、お目当てのカフェに早速DMを送った。


『こんにちは。 ……この日を貸切たいです。 詳しくは、会って詳細を詰めてもいいでしょうか?』

『はい。 承りました。 お待ちしております』


 これでよし! 後は最後の予定ねーー


 神社とカフェ。 その後は、なにがいいかしら?


ーーうん。 やっぱり、崖の上よね! これで完璧だわ。


 それで、私はスタッフと一緒に事前に下見に来たわ。


 素晴らしいロケーションにオブジェクトね! ーーいくら鈍感な灯磨でも、私の愛を自覚するはず!


 そして、灯磨はいうのよ「望美! 大好きだって!」


ーー早速、サンプル写真を撮らないとね。 スタッフのマリモちゃん!


「望美はん。 ここ、なんかやばいですわ、ウチ寒気がしてもうて……」

「マリモちゃん? どうしたの? 大丈夫、かしら?」

「ガタガタ震えて、シャッターを押せませんわ」

「まあ。 こんな素敵な場所なのに……」


ーーしょうがない。 今度は、自分で撮影しようっと。


◇◇◇


 奇妙なカフェから出る。 ーーこれで解放されると思っていた。 


「ご主人様、もう一箇所」

「……まだあるのか」

「最後です。 行きましょう」

 

 海沿いの道を、一時間。 俺は言葉を失った。


 断崖の上に、朱塗りの鳥居が立っていた。 その向こうに、小さな祠。

 

 柵という柵に、赤い紐が幾重にも巻きつけられている。 解けかけたもの、色褪せたもの、まだ新しいもの。 その紐に、ハート型の木札が無数にぶら下がっていた。


 そして足元にも、紐。 地面を這うように、赤い糸が縦横に走っている。 

 

『縁結びの岬 ーー永遠の愛と執着の終焉の場所』


「さあ、行きましょう……」


 既に夕日が、水平線に沈みかけている。 不穏だ。 あと、終焉ってなんだ?


ーーなんと言うか。 不気味なオーラが漂っているというか。


 望美がここに俺を連れてきた理由を考えなくても、わかってしまった。


 一度、結論が出てしまえば、答えは簡単だったのだ。


ーーそう。 望美は今日。 ここで俺を殺すつもりなんだ。


 それなら、道中の行動にも合点が行く。 まずは神社で今回の計画の成就を祈っていた。


 次にカフェで俺に最後の晩餐を摂らせていたんだ。


 食事。 これには副次効果がある。 糖分の過剰吸収により、俺の血糖値を上昇させ、インスリンの発生を促す。 血糖値が低下した俺は、眠気などの判断低下を引き起こす。 判断力の低下した俺は、誤った判断を犯すーー


ーーつまり。 計画鵠沼灯磨殺人計画だな! QED証明完了だ。


 望美は柵に近づき、木札を一枚、手に取った。


「このハートの絵馬に願い事を書いて、赤い紐で結ぶの……」


 望美は、鞄からハート型の木札を取り出した。 既に、何か書かれている。


「持参したのか」

「はい。 昨日、書いておきました」


 望美は木札を胸に抱いていた。 その横顔を、俺は見ていた。

 

「望美」

「はい、なんでしょう。 旦那様……」


 望美が、こちらを向いた。 その顔は赤く染まっていた。


「今まですまなかったな……」

「! ……灯磨」

「俺を崖からつき飛ばしてくれ! 幸せになれよ、望美……」

「なんで?」


 俺はガクガク震えながら崖に近づいた。 さよなら、望美ーー


◇◇◇ 望美視点


「ブッ。 アンタたちさ〜 コント職人な訳?」

「コント職人? ……なによそれ! 失礼じゃない? 莉央!」

「だって、さぁアンタたち……ブッふふふ」

 

 帰宅後、屋敷の談話室。 私は部屋着に着替えてソファに沈み込み、腕を組んだまま、ずっと不機嫌でいた。


 隣で莉央が寝間着姿で座っている。 相変わらず胸元の二つの物体が、ユサユサ揺れて、私を挑発してくる。


 そんな彼女にさっきから、今日の出来事を話していたのよ。


「ブッ。 ……そ、それで……鵠沼劇団の今回のオチは?」


 莉央が吹き出しながら、話の続きを要求してくる。


「当然、止めたわよ。 私と、ドライバーの二人でね。 そうしたら灯磨の馬鹿、号泣して子供みたいにジタバタ暴れ出したのよ……」


 莉央はソファに倒れ込んで、腹を抱えて笑い転げていた。 人が本気で悩んでいる時に爆笑するなんて、フレンドエネミーかしら?


「あーもう、無理。 それで……のぞみっちは、どうしたの?」

「鵠沼家の当主たる者、不用意に崖に飛び込んではいけません!」

「……そこも普通に面白いんだけど……」

 

莉央は目尻の涙を拭いながら、身を起こした。


「つーかさ。 アンタたちは毎回、なんでそうなるわけ?」

「こっちが聞きたいわよ! ……今から思い出したら、灯磨はずっと探偵気取りだったし……」


 灯磨がドヤ顔した後になんか言ってたことを否定すると、シュンってするの。


でも、それが快感なのよねーー 本当にしょうがない馬鹿。


「……のぞみっち? ああ、駄目だし。 また、悦ってるし」

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