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学校の人気者の小川望美は俺のモノ  作者: Masa(文章力あげたい)


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第53話 返り討ちに合う奥様 ーー望美視点

 さて。 中川さんに、借りた服を返さないとね。 


ーーそれにしても。 よくも昨日は、私の灯磨と白昼堂々と浮気してくれたわね? 私、全部見てたんだから。


 悪い泥棒猫に戦線布告に行きましょう。


 灯磨が私のためだけに用意してくれたこのドレスでね? ふふふ。


◇◇◇


 中川さんの家は、驚くほど片付いていた。


 私もメイドの端くれ。 この清潔感を常に保つ大変さは、理解している。


 ーーさすがは家事担当。 隙がないわね。 ふふ。 でも、必ずあるはずよ。 弱点がね。

 

「小川さん、お茶とお菓子、持ってきますね! ゆっくりしててください!」

「ええ、ありがとう。 ゆっくりさせてもらうわ……」

 

 中川さんが階下へ降りていく。 ーー好機。 私は、素早く行動を開始した。

 

 悪く思わないでね? 灯磨に手を出した貴方が悪いのよ。


 まず、机の上。 ーー教科書。 参考書。 可愛い付箋がびっしり。 灯磨に教えてもらったのね。 私だけの灯磨に。


 次に引き出し。 文房具が種類ごとに整頓されている。 


 クローゼット。 ーー服。 一部の以外は普通ね。

 

 そう、この飾ってある、Tシャツ以外はね!


ーーこのTシャツが彼女の個性。 つまり、灯磨を惑わす要因なのね。 私も、参考にしないと。

 

 最後に本棚を見ようとしたら、彼女が戻ってきた。


 「あ、見ましたか? 本棚の中……」

 

 背後で、声がした。 振り返ると、お盆を持った中川さんが立っていた。


「ちょっと、恥ずかしいです……」


 彼女は顔を真っ赤にして、そう言っていた。


ーーこれは、チャンスね。 絶対に彼女の弱点がここにあると見たわ。 


「ちょっと、見せてほしいな〜」

「駄目です。 きっと、小川さんには合わないです!」


ーーへえ。 合わない、ね? グヒヒ。


 私は、嫌がる中川さんを尻目に本を一つ取った。

 

『夜明けの空に』

 

「あ……」

「その本は駄目です!」


 中川さんは、私から本を奪うと、丁寧に本棚へ戻した。


 本の内容は知っている。 その本は、私が書いた本だった。


 「蒲川喪蔵」なんてペンネームを使ってね。


 中川さんは、本棚を守るように、私に立ちはだかった。


「私はどうなってもいいです。 でも、この本たちには手を出さないでください! お願いします! なんでもしますから!」

「中川恵。 女が、そんなことを軽々しく言っては、いけないわ。 ……わかったわね?」

「へぇ? はい、わかりました……」


 私は、中川さんへ。 説教をする。 そして、本棚からまたその本を取り出す。


「あ……」

「……この本をどうして貴方が持っているのかしら?」

「知っているんですか?」

「え? ええ……」


ーー私がそう言うと、今度は目を輝かせて私に迫ってきた。


「実は、私はこの人のファンなんです!」

「え? そうなの?」

「はい! この本はこの方のデビュー作でして……」


ーーいつの間にか彼女は、私から本を奪い取っていた。


「この物語は、幼馴染の彼と一緒にいるために、親元を離れることを選び、一人孤独なメイド修行に励む……全ては愛する彼のため……これは私が考えたこの作品のテーマで……」

「ギヤァ!!」


ーーやめて! 私のデビュー作を独自に分析して説明しないで!


 こうして、私は満身創痍で彼女の家から、逃げ出すように帰るのだった。

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