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俺はこの世界で満点を取る  作者: 武神パイガデッカイ


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8/9

7話

「なんでこんな事になってしまったんだ」


 0点。

 あれだけ上手く進んでいたのになんでここまできて0点を取ってしまうのか。

 あの日、テスト終わりの俺はタイムマシンと自分がタイムリープしていると書かれている紙が置いてあった。

 かなり困惑したが、字の形がは完全に俺の字だったので間違いはないだろう。


「はぁ」


 部屋で横になり俺はテストを見つめた。


「ははっ」


 前回は85点のはずなのに……


「……」


 取り繕う様な苦笑をしたあと瑛太の右頬に一粒の大きな涙が伝った。

 自分の不甲斐なさを

 自分の頭の悪さを


「おえっ」


 俺は床に吐瀉物を吐いてしまった。


「……はぁ、はぁ。うっ」


 再び吐きそうになるも手で必死に口元を抑える。

 襟元には少し吐瀉物がついた。

 気にせずに、俺はスマホを手に取った。


「あいつ、あいつに……」


 プルルルルルルル

 プルルルルルルル

 ガチャ


「もしもしー瑛太どうした」

 

 俺は頭の良い方の友人に電話をかけた。

 俺が0点を取り、もぬけの殻の様状態になった時に、一番最初に慰めてくれた。

 今も気を使ってくれているのか少しだけ声のトーンが優しく、低い。


「俺……俺……どうしたらいいのかなって……」


 泣いていて声が掠れながら喋る俺を友人は必死に聞いてくれた。


「お前はお前のままでいいよ、どこに行っても俺たちは友達だからさ、アイツも寂しがってたよ。いつものアイツじゃないって」


「……そうか」


「今はそっとしておいて欲しいだろう。元気になったらまた連絡してくれよ。おっと、タイムリープして俺達と離れる世界線とかには行くなよ!絶対に!」


 ガチャ


「……ありがとう…」


 吐瀉物と共に床に大粒の涙が落ちる。

 最後の最後まで俺を慰めてくれる、そんな友達がいて本当に幸せだった。


 バタン!


 友人の慰めに感化しているとドアを開ける音がした。


「ただいまー!」


 母だ。

 俺はゆっくりと階段を降り、母を呼んだ。


「母さん」


「…そうね、話が必要みたいね」


 母は俺が何を言いたいのかを察してくれた。


「リビングで話しましょう」


「うん」


 この時の母の口調はやけに優しかった。




 リビングの椅子に腰を下ろした。

 母と俺の静寂な空間。

 辺りはすっかり暗くなり部屋の電球だけが明るかった。

 俺は俯きながらゆっくりと話し始めた。


「俺は…これからどうすればいいのかわからなくて……」


 母の方を見る。

 今までの人生を思い出して俺は再び涙が溢れた。


「ごめん……ごめんなさい……」


 何もできない俺はただ謝ることしかできなかった。

 その時、母はぎゅっと俺のことを抱きしめた。

 暖かくて小さくて、なんだかとても懐かしい匂いがした。


「大丈夫。大丈夫!瑛太がえ元気なら私はそれでいいから!」


「うっ、う、うぅ……」


 その言葉を聞いた時、涙でぐしゃぐしゃになりながら俺の心は動いた。

 母にならこの事を言っても信じてくれる気がする。


「まだ少し……こうしてもいい?」


「勿論平気だよ」


 母の暖かい胸の中で俺はひたすら泣いていた。




 母の服が涙で濡れてきた頃、僕は母にそっと話しかけた。


「母さん、実は……」


「……」


 母は何かを察したのか黙ったままだった。


「大丈夫。言いなさい」


「実は…タイムリープしてるんだ。俺。」


「……ふふっ」


 母はニコッと笑った。


「なんだかお父さんみたいだね」


 帰ってきたら答えは俺の想像とは違うものだった。


「どういうこと」


 俺は首を傾げる。


「お父さんの職業を覚えてる?」


「研究者…だっけ?」


「そうそう」


 母はニコッと笑ったまま続けて話した。


「研究者。お父さんは今、タイムリープの研究をしているの」


 衝撃の事実に俺は思わず唖然とした。


「え?」

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