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新選組トリップ奇譚  作者: 柊 唯
第二章〜初めの改革と決意〜

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悪夢

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 芹沢を討った翌朝、隊士たちに「芹沢鴨と平山五郎が不逞浪士に押し入られ、殺害された」との通達が下された。

 その知らせに、隊士たちは動揺を隠せず、さまざまな噂が飛び交った。


ーー土方たちが暗殺したのではないか

もちろん、そういう声もあった。


 それでも、表向きには大きな混乱もなく、芹沢と平山の葬儀は静かに執り行われた。



 かなたはその後も、淡々といつも通り雑用をこなしていたが、その様子はどこか元気がないように見えた。


 あの時の芹沢を討った感触は、今も鮮明に残っている。


 幹部の何人かには、自分が芹沢を討ったことが伝えられているのだろう。みな一様に気を遣って、優しく接してくれる。


 ありがたい...。だが、今は何も考えたくない。ただ黙々と手を動かし、心を空っぽにすることだけが、唯一の救いだった。


 それから、どれくらい時が過ぎただろうか。


 かなたはあれから眠る度に芹沢の夢を見るようになった。夢の中の芹沢は、何度刺しても、何度刃を突き立てても、死ななかった。


 だが、本当に怖かったのは夢の中の自分だった。

 何度刺しても死なない芹沢を、肉が潰れ、血が飛び散ろうとも、ただひたすら無心で刺し続けていた。


(早く...殺さないとーーー)


 目が覚めると、決まって息は荒く、体は汗でびっしょりと濡れていた。季節はもう秋だというのに、夏の夜のような熱にうなされる。


 まるで芹沢が、自分に呪いをかけているかのようだった。


 それでも朝は来る。

 日々の生活が、いつも通りかなたを待っている。


 血の匂いが染みついた記憶とともに。

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