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新選組トリップ奇譚  作者: 柊 唯
第十一章〜西国の豪傑〜

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いざ、出陣!

 かなたが屯所の玄関でぼんやり待っていると、屋敷の廊下から数人分の足音が聞こえてきた。

 振り返るとそこには、きっちりとした洋装に身を包んだ土方と山南が立っていた。


「わぁ! お二人とも、すごく似合ってますよ!」


「ありがとうございます」


 そう言って微笑む山南は、まるで執事のようだ。

 一方で隣の土方は、慣れない洋装に眉間へ皺を寄せている。


(アニメのキャラみたいだな…)


 そんなことを考えていると、土方が不満げにかなたを見やった。


「なんでお前は普通の格好なんだよ」


「私はあくまで小姓なので…」


 とはいえ、かなたの着物もいつもより上等な生地が使われている。

 正式な訪問ということで、近藤が彼女の分も用意してくれたのだ。


「三人とも、よく似合っているじゃないか」


 そう言って、近藤が廊下の奥から歩み寄ってくる。


「ああ、用意してくれてありがとよ。行かせられねぇのは申し訳ねぇが、あんたには屯所を守ってもらいたいからな」


「仕方がないさ。謝る必要はないよ、トシ。……山南くんに中村くんも、よろしく頼む」


「はい!」


 近藤は周囲に人がいないのを確認すると、そっと懐からあるものを取り出し、三人へと手渡した。


「敵意がないことを示すには、刀は持っていけないだろう。だから、何かあった時のためにこれを使いなさい」


「これは…」


 かなたは思わずごくりと唾を飲み込む。

 手渡されたのは、坂本が持っていたものよりも小型の短銃(ピストル)だった。


 自分の手に収まるそれはずしりと重く、まるで命の重みのように感じられる。

 安全装置が付いているとはいえ、緊張しながら、かなたはそれを懐へと収めた。


「使わずに済めばいいのですが」


 そう、にこりと微笑む山南のその穏やかな表情が、かえって少しだけ恐ろしく感じてしまい、かなたは「あはは…」と思わず、顔をひきつらせる。


「何から何まですまねぇな。じゃあ、行ってくるぜ」


「ああ、気をつけてな」


 こうして三人は、まるで戦へ向かうかのように表情を引き締め、屯所を後にした。

遂に100話目に到達致しました!

いつも見てくれる方がいるからこそ、ここまで書くことが出来ました!本当に、ありがとうございます!

これからもどうぞ、よろしくお願いします!

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