いざ、出陣!
かなたが屯所の玄関でぼんやり待っていると、屋敷の廊下から数人分の足音が聞こえてきた。
振り返るとそこには、きっちりとした洋装に身を包んだ土方と山南が立っていた。
「わぁ! お二人とも、すごく似合ってますよ!」
「ありがとうございます」
そう言って微笑む山南は、まるで執事のようだ。
一方で隣の土方は、慣れない洋装に眉間へ皺を寄せている。
(アニメのキャラみたいだな…)
そんなことを考えていると、土方が不満げにかなたを見やった。
「なんでお前は普通の格好なんだよ」
「私はあくまで小姓なので…」
とはいえ、かなたの着物もいつもより上等な生地が使われている。
正式な訪問ということで、近藤が彼女の分も用意してくれたのだ。
「三人とも、よく似合っているじゃないか」
そう言って、近藤が廊下の奥から歩み寄ってくる。
「ああ、用意してくれてありがとよ。行かせられねぇのは申し訳ねぇが、あんたには屯所を守ってもらいたいからな」
「仕方がないさ。謝る必要はないよ、トシ。……山南くんに中村くんも、よろしく頼む」
「はい!」
近藤は周囲に人がいないのを確認すると、そっと懐からあるものを取り出し、三人へと手渡した。
「敵意がないことを示すには、刀は持っていけないだろう。だから、何かあった時のためにこれを使いなさい」
「これは…」
かなたは思わずごくりと唾を飲み込む。
手渡されたのは、坂本が持っていたものよりも小型の短銃だった。
自分の手に収まるそれはずしりと重く、まるで命の重みのように感じられる。
安全装置が付いているとはいえ、緊張しながら、かなたはそれを懐へと収めた。
「使わずに済めばいいのですが」
そう、にこりと微笑む山南のその穏やかな表情が、かえって少しだけ恐ろしく感じてしまい、かなたは「あはは…」と思わず、顔をひきつらせる。
「何から何まですまねぇな。じゃあ、行ってくるぜ」
「ああ、気をつけてな」
こうして三人は、まるで戦へ向かうかのように表情を引き締め、屯所を後にした。
遂に100話目に到達致しました!
いつも見てくれる方がいるからこそ、ここまで書くことが出来ました!本当に、ありがとうございます!
これからもどうぞ、よろしくお願いします!




