ここからスタート
シャルロッテちゃんが出て行った後、ジャックさんは私たちの対面に座り直すと説明を始めた。
「んじゃ、とりあえず登録する前に説明すっぞ。まず冒険者組合ではランク制を取り入れている。」
そういうと一枚の紙をテーブルに乗せる。
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Sランク→B〜Sの依頼の受注が可能。組合、国の強制要請あり
Aランク→B〜Aの依頼の受注が可能。組合、国の強制要請あり
Bランク→B〜Cの依頼の受注が可能。組合、国の要請あり
Cランク→C〜Eの依頼の受注が可能。組合、国の要請あり
Dランク→D〜Eの依頼の受注が可能。
Eランク→Eの依頼の受注が可能。
Fランク→Fの依頼の受注が可能。
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「簡単なランク表だ。見ながら説明するぞ。まずFランクな、これは子供でも登録可能で内容は簡単なお手伝いとかしかない。要は子供の小遣い稼ぎができるってわけだ。だから冒険者としての最低ランクはEからになる。見ての通り上に上がるごとに依頼は難しくなっていくわけだが上に上がるといろんな特権がついてきたり収入もあがる。だからみんな上を目指すが上がるためには昇級試験があるから簡単には上がれん。」
「えっと‥」
「里香読んであげる。」
全然読めなくて困っているとクロードが上から順に読み上げてくれた。んー、やっぱり文字読めないのは不便だな。
「あれ、Zランクは?」
読み上げてもらったがさっききいたZランクの説明はない。そういうとジャックさんは例外だから書いてないと言った。
「例外?」
「そうだ。Cランク以上から組合や国の依頼といったちょっとした制約が出てくるんだ。一応拠点を置かせてもらってるからな、無碍にはできんのよ。Aランク以上は強制になる。ランクが上がるごとに難易度、収入は上がるが制約も増えていくってわけだ。ここまでは分かったか?」
ジャックさんの言葉にこくりと頷くとジャックさんは話を進める。
「Zランクってのは実質Sの上にあたる。F〜Sランク全ての依頼を受けることができ、国、組合からの強制依頼は出来ない。特権はSランクのものを使える。本来定期的に依頼を一定数は受けなきゃいけない決まりも受ける、受けないは自由だ。つまり何事も強制できないし全て自由だが特権だけはあげてる状態だ」
「え‥それって大丈夫なの?」
なんの仕事もしなくてもって事だよね?それ所属させる意味あるの?
派手なマーク全開の私にジャックさんは困ったような顔をする。
「よくはないがな。それでも所属していてくれるだけで助かる場合もあるんだよ。今回の場合、依頼を受けてくれるっていう別の条件もあるしな。」
「?」
「勿論冒険者組合は組合員を守るがな。ギルド長が約束したんだ、何があっても全力で守るさ。」
「それならいいよ、約束は守る。」
私を置いてきぼりで話が進んでいる。クロードの顔を見るがぽんぽんと頭を撫でられただけだった。多分後で話すって意味だろう。
「簡単な説明は以上だ。」
そういうとジャックさんは小さな半透明の不思議な色をしたカードを私たちにそれぞれわたした。
「そこに一滴血を落とせ。それで登録は完了だ。」
クロードは腰のポーチから小さなナイフを取り出すと躊躇する事なく指を切り血を落とす。その後ナイフを私に貸してくれるが自分で傷つけるとなるとなかなか踏ん切りがつかない。
「俺がやってあげる。すぐ終わるから我慢して。」
クロードは素早く私の指先を小さく傷つけると血を落とす。
血を受け止めたカードはふわりと色が変わり真っ黒なカードとなった。白字で何か書いてあるが内容は読めないのでわからない。
「これで登録は完了だ。そのカードが身分証明にもなるから無くすなよ。」
「ありがとうございます。」
「とりあえず高難易度依頼はまだいいから2人で簡単な依頼から慣れていくといい。ようこそ、冒険者組合へ。」
ジャックさんが差し出す手を握り返す。
とりあえずここがスタートラインだ。守られ流されるだけじゃない、自分で踏み出すスタート。
正直まだ問題は解決してないし、私が知らない問題もあるみたいだけど自分がやれることをやるしかない。
隣を見るとクロードと目が合った。初めてあった時とは違う、人懐っこい笑みを浮かべてこちらを見ている。
(不安も多いけど頑張ってみよう。)
この世界を知っていく為に。
長くなるのでここで一区切りとして第1章お終いです。
簡単にその後、顛末等書いた後第2章に行きます。どうぞよろしくお願いします。




