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ベッドの上ではねてはいけません


「どういう事?」


宿に戻って食事をとりながらクロードにサイガにあったことを伝えた。話を聞くうちにどんどん不機嫌になるクロードに思わず小さくなる。


「今回も私が何も出来なかった事が原因だし自分の身を少しでも守れる様になりたいなって思って。」


「そんなの俺が教えてあげるよ。サイガに教わる必要ないじゃん。」


「話してたらなんか流れでそうなったのよ。それにクロード魔法の時もそうだけど教えるの下手じゃない。」


「俺感覚派だから。こう、やろうと思うと大概の事は出来るんだよね。」


自慢か。思わずジト目になってしまう。


「サイガと険悪だったはずなんだけどなんでそんなに仲良くなってるの?君は少し目を離すとすぐ変なやつと仲良くなるよね。」


変なやつってルシムとサイガの事かな。クロードも入る気がするけど。


「とにかく!たまにお城に行って教えてもらうだけだから危険もないし、ね!」


クロードは納得してないようだが無理矢理話を切り上げる。それにこれはいい機会だと思う。こういうことがない限り離れる事はないので押し通す。


(別に嫌な訳じゃない。ただ、共依存は良くないもの。)


私がそばにいるとクロードは私しか見ない。こんなのクロードにとっていいはずがない。


「それで、明日は冒険者組合に行くのよね?どんなところなのかしら。」


無理矢理話題を変える。本当は今日行く予定だったが流石に無理なのでガレオが上手く説明して改めて約束を取り直してもらったのだ。


「俺も知識はあっても行った事はないからなぁ。外観は普通のお店みたいな感じだけど。」


「なにか必要なものとかあるのかな?」


この世界って身分証明書みたいなものってないのかな?検問があるくらいだし何かしらある気はするんだけど。


「特にないよ。まぁ、覚悟しておいてくれれば大丈夫。」


「覚悟?なにかあるの?」


「大した事じゃないけど里香は気にしそうだから。行けばわかるよ。」


クロードはそれ以上教えてくれなかった。多分話をすり替えた私への当てつけだろう。

こちらも後ろめたいのでそれ以上は何も言えず食事を終えた。


部屋に戻るとユーリちゃんが私のベッドの上でゴロゴロしていた。


「いつの間に…」


「あ、おかえりー。もう遅いよ!」


「随分早く解放されたんだな。レイ怒ってただろ。」


クロードの言葉にユーリちゃんはゲンナリした表情を見せる。


「勝手な行動をした罰で減給な上に面倒な依頼押し付けられたわ…。ちょっと長期になるから顔出せなくなるのよ。あーもー!」


ユーリちゃんは手足をバタバタとさせて暴れている。私のベッドがぐちゃぐちゃだ…はぁ…


「自業自得だろ。さっさと行ってこい。」


「なんでそんな邪険にするのよ!クロードの顔見たくて一生懸命時間作って会いにきたのにー!うわーーん!!」


ベッドの上で立ち上がり今度は地団駄を踏み始めた。あぁ!ベッドが!ギシギシいってる!


「あ」


バキッという音を響かせベッドが折れた。私は無言でユーリちゃんを見つめる。


「えっと、その。」


キョロキョロ視線を彷徨わせるユーリちゃんをじっと見つめながらクロードに声をかける。


「これはユーリちゃんのお給料から引かれるかな?」


「そうなるだろうね。どう見ても故意に壊した様に見えたし。」


「う、うぅ。」


「減給の上にベッド代も引かれちゃうのか。まぁ、しょうがないよね。」


「…ごめんなさい。」


涙目になって謝るユーリちゃん。少しいじめすぎたみたいだ。

最初の登場はアレだったけど思った通り中身は結構素直ないい子みたい。


「ほら、一緒にソフィの所に行こう。謝るの私にじゃないでしょ。」


「…わかったわ。」


大人しく着いてくるユーリちゃんを連れソフィに謝りに行った。

ものすごく怒っていたけど元々古くなっていた所もあるからこの機会に老朽化を全面に押し出して入れ替えさせてもらえないか交渉する材料にしたいとの事で結局お咎めなしになった。

それを聞いたソフィちゃんはホッとした顔をしていた。


「……ありがとう。」


「別にこのくらいいいよ。私も助けてもらったし。ユーリちゃん遊びに来れなくなっちゃうの?」


「別にアンタに会いにきてる訳じゃないんだけど…まぁ、そうよ。私がいないからってクロードに手を出さないでよ。」


「ふふ、わかったよ。気をつけて行ってきてね。」


私の言葉に少し照れた様子のユーリちゃんはそのまま飛んで帰って行ってしまった。


(さて、どうしよう。)


ベッドが壊れてしまったので寝る所がない。しかしクロードのベッドに入れてもらうのもアレだし。あっ、そうだ。


「ソフィ、一緒に寝てもいい?」


「あぁ、そうよね。寝るとこないものね。もちろん構わないわ!」


ソフィは二つ返事で快諾してくれたので今日はソフィの部屋に泊まることした。

ただそれを聞いたクロードの視線はものすごく痛かったけど。



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