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まさかの展開だ


「ここの国王はするつもりだよ。俺はそれに従ってるだけ。」


「なるほど、ルシムはやる気はないんだね?」


「‥‥」


私の言葉に無言を返す。どうやら私の言葉は図星らしい。


「ねぇ、ルシムの目的は何?どうせここから出してもらえないんでしょ。教えてよ。」


回りくどい言い方をするよりストレートに聞いた方が答えてくれる気がしたのでそのまま伝える。


「‥本来なら王位が回ってくるはずじゃなかったんだ。」


「え?」


「20年前、クロードがこの城を焼いた時、唯一生き残ったのが父上だ。クズで臆病な野郎だから真っ先に命乞いして他の王族の事を余す事なく全部喋って見逃してもらったんだよ。…殺す価値もないって思われたんじゃないか?」


「‥‥」


「結果、城にいなかった他の直系まで全滅。父上に王位が回ってきてしまった。」


予想外の展開に思わず無言になってしまう。


「それで舞い上がって周りに乗せられてこんな事しでかしてる。でもさ、上が無能なのって領民には最悪だろ。生活かかってるんだから。」


その通り…至極真っ当なこと言ってる‥


「だから父上を引きずり下ろさなきゃいけないんだよ。聖女は父上を裏で操ってる奴らへのの対抗の為にいてもらわなきゃ困る。これでいいか。」


「は、はい。」


まさかの真っ当な人間だったよ。ちゃんと考えてたのか、甘やかされたチャランポラン王子じゃなかったわ。


「そもそも魔族は対話だってちゃんと出来るのになんで敵対しなきゃいけないんだ?今回の件だって過去の二の舞だろ、どう考えても。」


なんか愚痴みたいになってきた。これ相当溜まってたのでは?


「そうだよ、なんで…くっ。」


急にルシムが額に手を当て押し黙る。その顔は苦痛に歪んでいる。


「どうしたの?頭痛い?」


「いや、問題ない…」


どうしよう。大丈夫と言う割に大丈夫には見えない。


(あっ、そうだ。)


今まで怪我しなかったから使ったことないけど使ってみるか。


両手を組んで祈るポーズを取る。


「えーっと、痛いの痛いの飛んでけー」


言葉に特に意味はないけど、イメージしやすい様に声に出してみる。

淡い光がルシムを覆ってキラキラしている。その光は特に頭あたりで光るとすぐ消えた。


「どう?良くなった?」


「あぁ、なんかスッキリした。なんだこれ?」


頭の痛みは引いたらしいが今度は困惑している。


「どうかしたの?」


「魔族を嫌う理由なんて無いじゃないか…。対話もできる、現にシュクルドは、共存してる。」


「?」


何を当たり前のことを言ってるんだろう。


「シュクルドと手を組むっていう選択肢だってあってもよかったはずだ。なのに魔族はダメ、信用ならないと思い込んでいた?なんだこれ…」


ルシムの言葉に既視感を感じる。


「ねぇ、それはいつからそう思い込んでたの?」


「多分ここ最近だと思う…」


ルシムの様子は私やクロードに似ている。一体これはなんなんだろう?誰かの掌の上で踊らされてる…そんな気がして気味が悪い。


「王様も思い込まされてるのかな?」


「いや、父上は元々偏見の塊だから。特にクロードとの事もあるし昔から魔族嫌いだ。」


「あ、そうなんだ。じゃぁ、どうしようもないわ。」


バッサリとルシムは切り捨てる。父親のこと嫌いだな、これ。


聖なる祈りがこんな事にも効くとは思わなかった。え、なんだ。自分に使えば良かったじゃん‥‥


「ルシムにその気があるならガレオに連絡取る?知り合いだし。」


「やっぱり繋がりがあるのか…。あいつには知られたくないし頼めるか?」


「あいつ?」


「お前を連れてきた奴だよ。最近来たのに何故か親父のそばにいるきな臭い奴なんだ。身辺調査は済んでるし怪しいところはないんだがな…お前に会いたがってるのもアイツだよ。確認したいことがあるとかで。」


「聞いた感じだとあんまり会いたくないな。」


攫っておいて今更何を確認したいのか。まぁ私も確認したい事があるけど。


「今は出掛けてる。知り合いに会いに行くそうだ。」


「知り合いか…」


そういえばアレンさんは大丈夫かな…

すぐ気絶させられちゃってあの後どうなったのかわからない。


(クロードも来てくれるかな…)


「里香…?」


「あっ!」


いつもと違う感じを感じ取ったのかウルリがポケットから顔を出している。私は急いで隠したがルシムの目はどう見てもポケットを見ている。


「なんだ、それ。」


「…なんの事?」


「なんだ、それ?」


圧が強い‥‥目が大きいからかな?目力が凄いです‥


(多分大丈夫だろう…)


話した感じ悪い人ではないし私は渋々ウルリを手のひらに乗せて持ち上げた。


「これは生き物か?」


「ウルリだよ!」


「喋った?!」


私はウルリについて掻い摘んで簡単に説明する。その流れで聖女じゃない事もバレてしまった。こんな事聖女でも出来るはずないだろ、アホって言われた……


「成る程。お前色々規格外だな。」


「えっと、どうもありがとう?」


「褒めてはないからな。でも、そうか…」


何やら考え込んでいる…なんだろうな。嫌な予感がする。

こういう勘は当たるんだよなぁ。


「よし、わかった。そうだ、結局お前の目的はなんだ?」


「え?あ、他の聖女さん達が心配で。あと帰る方法もわかれば嬉しいなーって感じだけど。」


「よし、ならお前が協力しろ。そうしたら聖女達全員解放しよう。帰り方は調査中だからなんとも言えんが努力は続ける。」


「え、いいの?出来る事なら手伝うけど…」


「大丈夫、簡単な事だから。」


平和的解決が出来るならそれに越したことはない。無いんだけどなんだろう、ルシムの笑顔がキラキラと輝いていて嫌な予感が半端ないのは。


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