面倒だなぁ
その後クロード視点です
面倒なのが来たなっていうのが正直な所だった。
レイからの連絡が遅かったことといいワザとだろうけどユーリには悪気は無いから対応に困る。
「私何かした?」
「いや、何も。ユーリは何も悪くないよ。」
「ならどうして?パートナーは私でしょ?」
本当に面倒だな。元々俺に入れ込んでいるのはわかってたし動きやすいから優しく接してきたけど今となってはただめんどくさい。
冷たく切り離すのも簡単だけど鴉との繋がりを切るわけにもいかないからそれは出来ないし。
「そうだね、俺たちはいいパートナーだったと思うよ。でも君もそろそろ独り立ちしてもいいだろう?いい機会だと思うよ。」
「そんな言葉で納得できるはずないじゃない!」
「俺には俺の人生があるし、それを否定する権利は君にはないよ。」
「そんな言い方しなくたっていいじゃない!なんの相談もなく切り捨てるの?」
「それは悪かったよ。でも今彼女のそばを離れるわけにはいかないんだ。」
相談したところで納得する気なんてないくせにね。だから、レイにだけ連絡を入れたんだ。
「どうしてそんなに彼女の事を気にするの?もしかして何か弱みでも握られてるの?…そうよ、そうでもなきゃ私にこんなに辛く当たるはずない。」
ユーリの言葉に思わず苛つく。里香の、そして俺の何を知ってるって言うんだ。彼女はそんな事しない。
「いつも優しいクロードが私を捨てたりするはずないわよね?私、協力するわ。あの女から解放してあげる。私達2人なら出来るわよ。いっそ殺して…きゃっ!?」
「面倒くさいなぁ。いい加減黙れよ。」
流石に我慢できなくてナイフを一本投げつけた。
「ク、クロード…」
「俺が優しいね。そりゃそうだよ、円滑に仕事をするには必要な事だろ?でももう関係ないし優しくする必要ないよね。」
「……」
「馬鹿だからはっきり言っとく、里香に手を出したら殺すから。」
「私を…殺せるって言うの?」
「うん、殺せる。」
何の迷いもなくね。そう断言するとユーリは信じられないものを見る様な目で俺を見つめていた。
別にユーリの事が嫌いなわけじゃない。仕事をする上でいいパートナーだったと思うのは本当だ。今はこんなだけど仕事はちゃんと出来るしやり易かった。
でも里香に手を出すならそんな事関係ない。全部壊すし殺すだけ。
長年一緒にいた情とかどうでも良いくらい彼女の方が大事。
それだけなんだ。
「全部嘘だったの?楽しかったのは私だけ?」
「言ったでしょ。いいパートナーだったと思うって。嘘ではないよ、ただ、優先順位が違うだけ。」
彼女が1番でそれ以外は2番以下。たとえそれが長年連れ添ったパートナーだろうと復讐の相手だろうと。
これがなかなか相手に伝わらない。なんでだろう、単純だと思うんだけど。
「私があの女より下ってこと…?」
「まぁ、そう言う事だね。」
なるべく波風立てたくなかったけどユーリの性格上それは無理だったか。さて、どうするかね。
「…そう、わかった。」
ユーリは下を向いてその表情は見えない。でも長年付き合ってきた相手だからこそ分かることもある。
「うん、わかってないでしょ。君の分かったほど信用ならないものはないよ。」
「ちゃんと分かってるよ。あの女が全部悪いんでしょ?」
ほらね。素直と言えばいいのか思い込みが激しいと言えばいいのか、どちらかと言えば後者だが。結局自分で納得できないとダメなタイプだ。
ユーリは今にも里香の元に行こうとしているのだろう。臨戦態勢だ。静かに、確実に止めなくちゃいけない。アレンに里香を連れて逃げてもらいたいところだが他の事をして隙を作ればすぐにでもここを離れるだろう。今ここにユーリを止められる奴他に居ないだろうし困ったな。
「これ以上ここで騒ぎ起こすわけにはいかないんだけどなぁ。」
殺すか、もう。レイには怒られるけどしょうがないよね。
里香にバレない様にしないと…
その時下の階から何か割れる様な音や悲鳴が聞こえてきた。
流石の事態にユーリの気もそれる。
「え、なに?!」
「…っ!!里香っ!」
ユーリに気取られていて反応が遅れた!
俺は急いで階下へと急いだ。




