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痴情のもつれじゃないんですが


「そういえばこの中ってお腹空くのかな?」


ユーリちゃんを放り込んだ後、ソフィに2人でお叱りを受け罰としてお店の掃除をすることになった。

特に壊れた所とかは無かったんだけど騒ぎを起こした罰としてとの事だ。

クロードが魔族ってことはこのお店の人達はみんな知っていたらしくそれは驚いては無かった。


この世界、コンロとかはあるのに掃除機はなくて箒と雑巾で掃除したんだけど流石にこの歳の雑巾掛けはきついものがあって隅々まで綺麗にした時にはクタクタだった。

ちなみに魔法は禁止と言われたのでクロードも頑張って道具を使ってたよ。


そんなこんなですっかりユーリちゃんのことを忘れてました。気づいたのは夜です。


「お腹は空かないと思うよ、時間が止まってるから。精神的にはキツいかもしれないけど。」


その言葉に私は慌てて小さく入口を開き中を覗いてみる。


(どこだ…)


ユーリちゃんに集中して探すと階段に座り込んでいるユーリちゃんが視界に映った。


「ユーリちゃん…大丈夫?」


私の声に力なく顔を上げるとキョロキョロ見回している。


「大丈夫に見える…?」


どうやらあちらからはこちらが見えない様だ。明後日の方向を見つめながらつぶやく様に話している。さっきの威勢はもうどこにもない。


「ごめんね!すぐ出すから。」


「もう暴れるなよー」


クロードの言葉にコクコクと頷いているのでわたしは手を入れてユーリちゃんを出してあげた。


「どこまでいっても真っ白だし階段と扉しかない…」


出てきたもののショックがデカかったのか放心状態で座り込んでいる。


「ごめんね、こんなに入れておくつもりはなかったんだけど忘れちゃってて。」


正直に話して謝るとユーリちゃんは信じられないものを見る様な目でこちらを見ていた。


「あんな所に放り込んどいて忘れてたの…?貴女なかなかヤバいわね。」


ごもっともです。本当に申し訳ない!

私は誠心誠意謝ることしかできなかった。


「そこが里香のいい所だろ。えっと…豪快ってやつ?」


褒めて…ないかな。多分。

でも突っ込める立場ではないので黙って受け止めた。


「えっと、それでユーリちゃんの御用は?」


私に逆らうとまた入れられると思っているのか大人しくユーリちゃんは受け答えをしてくれた。


「クロードが突然パートナーを解消するって言うから」


「パートナー?あ、仕事の?なんの仕事なの、そう言えば。」


「情報収集活動‥簡単に言えば情報屋だよ。」


そうだったのか。無期限で休むからパートナー解消を申し出たらしい。

そこまでしてもらってるとは思わず申し訳ない気持ちが出てくる。


「それって私のせいよね。ごめんなさい…」


「やっぱり貴女のせいなのね!」


「里香の所為じゃないよ、俺が決めたことだから。」


そういうとユーリちゃんは首を横に振って否定する。


「私達の所属している『(カラス)』は情報屋としては最大規模よ。その中でも私とクロードは長年エースとして働いてきた。なのにどうして?!」


ユーリちゃんの調子が戻ってきたみたいだ。言葉にしたら怒りが戻ってきたみたい。


「なんで急にそんなこと言うの!というか簡単に休職なんて出来ると思ってるの?」


「元々俺と君では条件が違うから別に問題ないよ。」


「それでも!ずっと一緒にやってきたのにっ。急になんで…」


「里香が1番だから。それだけだけど。」


「なによ…それ…」


クロードの言葉にどんどん尻すぼみになっていく。

なんだか可哀想だな。

というかなんか恋人と浮気相手の三角関係みたいな会話になってる。私が浮気相手で横槍入れてるみたいな…

状況的には間違ってない気もするけど。


「ねぇ、クロード。私は無理についてきて欲しいとは言えないよ?もとあと言えば私の問題だし。」


知らなかったとは言えユーリちゃんからすればパートナーが急に現れたぽっとで女に取られたと思ってもしょうがないと思う。


「いや、もう決めたことだし。なんなら里香が嫌がっても一緒にいるよ?」


「あ、そうですか。えっと、ありがとう?」


感謝でいいのか分かんないけどとりあえずお礼を言っておく。


「意味わかんない…なんでよ…」


ユーリちゃんはすっかり意気消沈している。可哀想だがはいどうぞって返すものでもないので困ってしまう。


「とりあえず2人でちゃんと話したら?私がいると話しにくいでしょ、私は下にいるから。」


「1人にするわけにはいかないよ。」


「大丈夫、もう夜だからアレンさんといる。ユーリちゃん、こんな事言えた義理じゃないけど、ごめんね。」




2人にそう告げると私は部屋を出た。


なんとも言えない変な気分だ。お酒でも呑もうかな…



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