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雛鳥じゃないんだから


「私は突っ込んだ方がいいんでしょうか‥?」


「そうですね‥半ば諦めている所はあるんですが出来るならツッコミが欲しい所です‥」


冒険者組合へ行くことに決めた後、クロード経由でガレオに改めて中継ぎをお願いした。

今日はその返事をアレンさんが持ってきてくれたので下の食堂で食事を取りがてら話す事になった。のだが食事を一口ずつ切り分けて私に食べさせているクロードをみてアレンさんは頭を掻きながら困惑した様子を見せた。


私だって困惑している。何故こうなったのか‥

口に放り込まれる鶏肉のソテーを咀嚼しながら思わず遠い目をしてしまう。その様子はまさに親鳥が雛に餌をやっているようだ。

これでも膝に乗せようとしたのは全力で拒否っているのである。それよりはマシだと大人しく食べさせられてる訳だがいい大人なのでご飯くらい自分で食べられる。

あぁ‥周りの目線が痛い‥‥ソフィもニヤニヤしてないで助けてくれてもいいのに。


「クロード‥子供じゃないんだから辞めなさい。」


「別にアレンには関係ないじゃんよー。ね、里香?」


「いや、辞めてってさっきから言ってるじゃん。この歳でこんな羞恥プレイかまされるとは思わなかったよ。」


誰もツッコミを入れてくれないから助かった。クロードはブーブー言いながらもやっと食事を返してくれた。

ポケットにいるウルリにパンを千切って渡すと嬉しそうに食べていた。


「はぁ‥それで話はついていますので明後日組合の方に顔を出していただけますか。」


「わかりました、ありがとうございます。」


「クロードも‥大人しくしてくださいね。」


「いつでも大人しくしてるつもりなんだけど信用ないなぁ。」


どの口が言っているのか‥


(あれ?)


「アレンさん、髪切ったんですね。」


私の前の席について紅茶を飲むアレンさんの髪は短く切られ随分スッキリしていた。


「えぇ、城への出入りが多くなってしまったので流石に切りました。人前であの髪型でいるわけにはいきませんし。」


「アレンは魔法技師なのに仕事内容が側近に近いことやらされててそれが嫌だから俺について出てきたんだよ〜」


「え、なんでそんな事に?」


「あまりにも乱雑な方が多かったもので世話を焼いていたらいつの間にか‥」


つまり押し付けられていたのか。なんだかホント難儀な人だなぁ。


「引きこもりのくせに世話焼きだからこんな事になるんだよ。嫌なら嫌っていえばいいのに。」


「目の前に仕事の山があるとついやってしまうんです。本当につい……」


「…真面目なんですね。」


そんな私の言葉にアレンさんは困った様に笑っていた。


とりあえず用件は済んだとアレンさんは帰っていった。なにやらやる事がいっぱいで忙しいらしい。それなのにちゃんと顔出してくれるなんてやっぱりいい人だ。


部屋に戻ると窓辺に黒い鳥が止まって窓を嘴で突いていた。


「?」


クロードは手慣れた様子で窓を開けると鳥を招き入れる。鳥の足には何か結び付けられておりクロードがそれを外すと鳥は外に飛んでいった。


「なに、それ?」


「手紙だよ。」


折り畳まれた紙を開いて中身を読むクロード。その眉間には皺が寄っている。


「うわぁ。」


「どうかしたの?」


「……逃げるか。」


「え?きゃっ!」


クロードはそう呟いて素早く私を抱き上げた。


「何?!急に!」


その時何の前触れも無く扉が勢いよく開いた。


「クロード!!」


「あー、もう連絡が遅えよ」


そこには仁王立ちした女の子が立っていた。歳は18くらいに見える。黒く長い髪をポニーテールにしていてその背中には小さなコウモリの様な羽根が付いていた。


女の子はクロードと抱っこされている私を視界に入れると固まってしまった。


「えっと‥?」


「その女誰よーー!!」


固まっていると思ったら今度はキーンと響く様な高い声で叫び声をあげる。誰ってそれはこっちのセリフなんだけどな。



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