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ウルリに決定

次の日。

とりあえずまた妖精さんをポケットに隠してアレンさんのお店に来ることになった。とりあえず相談してみようということになったので。


「これは‥」


「お水を出すはずが妖精さんが生み出されてしまいました‥」


私があったことを簡潔に説明するとアレンさんは物凄く驚いていた。


「生み出したって‥‥クロード、説明してください。」


「‥えー?」


「えーじゃない。ちょっとこっち来てください。ごめんね、里香さん。状況がよくわからないからちょっと詳しく聞いてきます。」


悪いけど店内でも見ててください。

そう言うとアレンさんはすまなそうにぺこぺこ頭を下げながらもクロードの首根っこを捕まえて奥へと行ってしまった。

ちなみに顔色は今日は悪くなさそうだったので安心した。


しょうがない、暇なので妖精さんとおしゃべりでもしよう。

ポケットから出ておいでと声をかけると嬉しそうに妖精さんは飛び出してきて近くの棚に座った。

「ごめんね、窮屈な所にいれてしまって。えっと、名前ってあるの?」


妖精さんは、首を横にフルフルと振る。可愛い。


「それもそうか。それならつけてもいいかな?」


ずっと妖精さんって呼ぶわけにもいかないし。

そう言うと妖精さんは嬉しそうに頷いた。


「どんな名前がいいかなぁ。お水みたいだよね、見た目は。」


多分水を意識してたから見た目も水に近くなったんだろう。


「うーん、ウルリはどう?」


理由?水だから潤ってるからとったけどなにか?

そんな安直な名前だが気に入ってくれたようだ。くるりと小さく飛んで喜びを表してくれる。


「ありがとう、りか!とってもうれしいよ!」


「それは良かった。あれ、なんだかおしゃべり上手になってるね。」


「うまれたばかりだからうまくしゃべれなかったのー。なれてきたのー。」


なるほど。昨日生まれたばかりなのにお喋りできるだけ凄いけど慣れるとかあるんだ。


「ねぇ、ウルリ。貴方を生み出したのって本当に私なの?」


「そうだよ。」


ウルリ曰く、いままでも空気中に存在はしていたらしい。ただ、個々の意識等はなく、ただ漂っている存在だったそうで、それが急に強い力に引っ張られて急速に意思が生まれ、いろんな事がわかるようになってきたそうだ。そして気がつけば身体ができて私の前にいたとの事。


「りかがのぞんだから、わたしはここにいるの。だからりかといっしょにいる。」


「そっか、ありがとう。」


丁度話の区切りがいいところで2人が戻ってきた。


「お待たせしてすみません。」


「里香ー、アレンにいじめられたー、慰めてー」


そう言うとクロードは私に抱きついてくる。く、苦しい……


「いじめてなんてないでしょうが‥でも、まぁ、わかりましたよ。珍しい事もあるもんですね。」


アレンさんは納得はした様子だがなんだか同情とも違うなんとも言えない瞳を私に向け、そして目を逸らした。


「‥さて、状況は分かりましたので妖精の話をしましょう。」


「まず、妖精さんとお話しさせてもらっていいですか?」


「はい、さっき名前をつけたんですよ。ウルリって。」


「ウルリだよ、よろしくね。」


ウルリはパタパタと羽を羽ばたかせアレンさんの前まで飛んでいく。


「アレンと申します、よろしくお願いします。」


そう言うとアレンさんはいろんな質問をウルリに投げかけていった。時には小さなガラスの玉を持たせてみたりウルリ自身が魔法を使う事が出来るのかまで確認していく。


質問を繰り返すアレンさんの瞳はキラキラしててとても楽しそうだ。

この前の寝不足事件といい珍しいものが好きなんだろう。


色々質問を繰り返し、メモを取る。ある程度繰り返しそれが終わると少し考えをまとめたいとの事でまた後日話し合いをすることになった。


「誰にもウルリの姿を見られないよう気をつけてくださいね。」


「わかりました。」


「クロード、わかってますね?あまり離れないように。」


「わかってるよー」


それじゃ、また。そう言うと心配そうに見送るアレンさんに別れを告げ帰路に着いた。

アレンさんやクロードが心配する気持ちもわかるがいろんな種族のいるこの世界でウルリの存在はそんなに珍しいものなのだろうか?


私はまだことの重大さに全然気が付いていなかった。




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