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魔法具店アレン


次の日、魔法について教わるために私はあるお店に来ていた。クロード曰く、ここの店主がそういうのに詳しいそうで言っておくから聞きに行くといいとの事。

クロードは用事があるとかで別行動だ。


(この世界に来て1人で行動するのは初めてだからドキドキするな。)


私の前にある店の軒先には一体何に使うのかわからないガラクタのようなものが木箱に入れられ置いてあり、中も薄暗そうで入るのになかなか勇気のいる外観をしている。


(ここであってるよね?)


地図通りに来れたと思うが字が読めないので自信がない。

間違っていなければ、目的地の魔法具屋アレンでいいはずだ。



「失礼しまーす‥‥」


静かに扉を開け、中に入ってみる。外から見た通り中は薄暗く控えめに壁につけられたランプが最低限の灯で室内を照らしていた。壁の棚には何に使うのかわからないものが溢れかえっており乱雑としている。

しかしよく見てみるとなかなか興味深いものばかりで円盤のようなものの中央にガラス玉のはまった物やら見る角度によって羽の部分がいろんな色に変わる羽ペンといった不思議なものがいっぱいで案外楽しい。

キョロキョロと見渡しながら奥に進むと小さな机に頬杖をついて居眠りをしている男の人を見つけた。濃い紫の髪はボサボサで腰あたりまであり、顔も覆っているのでよく見えないが多分30歳手前くらいではないだろうか。薄らと灯りに照らされた顔を見れば酷いクマで顔色も悪くとても疲れているように見えた。


「あのー」


起こすのも悪い気がしたが他に人も見当たらないので控えめに声をかける。しかし全然起きる気配がない。


「すみませーん!」


しょうがないのでもう少し大きめの声で声をかけるとビクッと肩を震わせやっと起きた。


「ふえっ?!あ、あぁ、すいません!」


「こちらこそ起こしてしまってすいません。えっと、アレンさんですか?」


そう声をかけるとえぇと頷き頭をぽりぽりと掻く。


「私がアレンです。里香さんですよね、よろしくお願いします。」


話は聞いてますとアレンさんは向かいにある小さな椅子を勧めてくれたのでそこに腰を下ろす。


「こちらこそよろしくお願いします。」


「えっと、なんか物凄いど田舎から出てきたそうで魔法についての知識が皆無で使い方もわからないから自らの手で獲物を狩って生きてきたとのことでしたけど‥‥‥本当ですか?」

この時代にそんな人いるんですね‥と若干憐れみも含んだ目で見られる。



おい、あいつなんて説明してくれてんだ。


(本当のこと言えないにしても原始人扱いはやりすぎだろ、あのやろう、『ピー』して『ピー』してやろうか!)


よっぽど酷い顔をしてしまったのかアレンさんが若干引き攣った顔でこちらを見ている。

おっと、思わず汚い言葉が出てしまった。危ない、危ない。


深呼吸して意識を切り替える。よし、あとで殴ろう!


「失礼しました。えぇ、ちょーっと田舎なもので魔法を教えてくれる人がいなかったんです。教えていただけますか?」


「あ‥はい。勿論です。ちょっと待っててくださいね。」


そういうとアレンさんは裏へと向かう。

その足取りはフラフラとしていて思わず心配になる。


「大丈夫ですか?」


「えぇ、大丈夫でっ!!?」


そう言いながらアレンさんは見事に目の前の箱に足を取られ思い切り転んだ。


(本当に大丈夫かな、この人‥)


私は転んだアレンさんに駆け寄り手を差し出しながらなんだかこの人放っておけないタイプだなと思った。




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