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穀潰しですいません


外に出ると丁度同じタイミングでクロードも出てきた。いやぁ、まさかドライヤーもあるとは。髪も乾かせたので湯冷めもしなさそうでよかった。


「さ、帰ろうか。買い物とかは明日にしよう、疲れたでしょ?」


「うん、ありがとう。あの、でもお金がないので申し訳なくてさ。わたしの服とか売れるかなぁ?」


荷物なんかは多分元の世界に置いてきてしまっているしあるものといえば着てきたスーツぐらいで。今着てるのはクロードが用意してくれた服だ。流石に世話になりっぱなしというのも気が引ける。


「売れるとは思うけどおすすめはしないかな。ちょっと珍しすぎるから。変なの寄ってこないとも言えないし。お金は気にしないでいいよ、別に」


「いや、そういう訳にはいかないよ!クロードにおんぶに抱っこ状態のままでいる訳にはいかないし。」


流石に迷惑をかけている自覚はある。ただ、この世界でお金を稼ぐ手段というのがまだ思い付かずどうしようもない。


うーん、うーんと悩んでいると何も言わず黙ってわたしを見つめていたクロードはボソッと何か呟いた。


「そんな事言われたのは初めてだ。」


でもその言葉は他の人々の声にかき消され私に届くことはなかった。


「え、なに?」


「いや、なんでもないよ。そんなに気になるならおいおいなにか仕事でも探してみようか。でもとりあえず今は俺に甘えておくといい、ね?」


思いのほか優しい声で言われてしまって何も言えなくなってしまった。

(なんだか調子が狂う。)

クロードの事だから何倍にもして返してもらうとかいうと思っていたのでびっくりしてしまった。クロードの中で私は気まぐれで助けた人間から顔見知り、よければ友人くらいには格上げできたのだろうか?


(それなら嬉しいな)


なんだかむず痒いような不思議な感覚で思わず笑みが漏れる。日が暮れ始めた街はオレンジ色に染まり出し、1日の終わりを告げ始める。

(この世界に飛ばされて、色々あったけどどうにか頑張れそうかも。)

そんな風に思えるのはクロードのおかげで、そこは素直に感謝しなければなと思いながら黙って帰路についた。






一部クロードのセリフを変えております。申し訳ありません。

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