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天邪鬼

ロロが潜って少ししてから水面がゆらゆらと不自然な揺れを起こした。そして下からせり上がってきたのは抱えて待つのも難しいくらいの大きな石だった。その石は一見バラバラのように見えてうまくかみ合っていき、最終的には隙間のない綺麗な石畳の橋となった。


「す、すごい!なにこれ!」


「ロロはここの橋の管理をしてるんだよー。必要な時はこうやって出してくれるから問題なしっ。」


そんな話をしてると水面からひょっとロロが顔を出して手をパタパタと振っている。


「里香しゃん、はしでたでしゅよ。どうぞでしゅ!」


「ありがとう、ロロ!あーもう、可愛い!撫でちゃダメかしら?」


「ちょ、ちょっとならいいでしゅよ」


そういうとロロは陸に上がってこちらに寄ってきてくれた。私はそっとロロの頭を撫でてみる。


(ふわふわだぁ〜、可愛い。癒される‥)


撫でられているロロは手をパタパタとしてなんだか恥ずかしそうでそれがまた可愛い。


私がそんな至福タイムを味わっているとロロの後ろからジト目のクロードが視界に飛び込んできた。

思わずびっくりして撫でる手を離してしまう。


「うわっ、びっくりした!」


「君を助けたのは俺なのに、君はロロの方が好きなの?俺は悲しい」


そう言ってわざとらしくいじいじと地面をつつく。いや、感謝はしてるけど好きとかそういうのはない。なに言ってんだこいつ。

そんな気持ちが顔に出てしまったのか、クロードはぷいっと顔を背け立ち上がると私に背を向け橋を渡り出した。


「あーあ。それならロロと一緒にいればいいよ、バイバーイ。」


「!待って、クロード!ごめんね、ロロ。ありがとう、助かったわ。」


「いえいえ、お気をつけて里香しゃん。」


小さな手をめいいっぱい振ってくれるロロに手を振りかえすと私は急いでクロードの後を追った。


「あのー、クロードさん?」


後ろから控えめに声をかけるが返事はない。本当にヘソを曲げているわけではないのだろうが気まずいのも良くない。私は精一杯知恵を振り絞って声をかけた。


「ロロはね、確かに可愛いわ。でもクロードはカッコいいからジャンルが違うと思うの。つまり戦う場所が違うわけよ、わかる?」


私の言葉にぴたりとクロードの足が止まる。しかしこちらはみてくれない。


「‥カッコいい?」


「!!ええ!クロードはカッコいいわ!今まで生きてきてクロード程顔のいい人は見たことないもの!それに簡単に私を逃してくれることもできるほど強くて凄いと思ってるわ!クロードがいなきゃ私はこの世界で生きていくことはできないでしょうね、ええ、絶対!」


私は追い討ちをかけるようにつらつらとクロードを褒め称えていく。嘘は言ってない。顔がいいのは確かだし、簡単に私を助け出してくれたのはすごいと思う。

まぁ、性格は天邪鬼でなかなか扱いにくいがそれはもちろん言わない。


「‥しょうがないなぁ、里香は!俺がいないとなんもできないもんね〜」


くるっとこちらを向いたクロードは満面の笑みで私の頬を挟み撫で回す。ちょっ、痛い、痛い!

あと顔近い!流石に恥ずかしいわ!


「ほら。もうちょっとで着くから頑張って。」


さっきまでの不機嫌はどこへ行ったのか。笑顔で私の手を引くクロードはとても無邪気に見えた。




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