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人殺しの助手  作者: レア
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「口煩いだけの奴にもあれだけ怒ってたんだから人殺しなんてもっての外、そんなのを庇う奴も同罪死んだ方が良いよね?」


「人殺しとか何を言ってるの!?私のお父さんとお母さんは何もしてないでしょ!」


「まだ惚けるの? 母親はともかくあんたと父親はれっきとした人殺しでしょ。それとも直接手を下してなければ殺しにならなとでも言うつもり?」


「何を‥‥」


「自分の父親と私のお母さんの関係をどこかで知ってあんたは恵まれた今の環境を守る為に父親の計画に加担したんでしょ。そりゃそうだよね、父親が他で子供を作ってたなんて知れたら家庭はめちゃくちゃ世間の見る目も変わるもんね、だから協力したんでしょ?」


「待って‥‥知らない、そんな事」


「あの時、お母さんが殺された時、私を病室から連れ出したのはあんただった。平穏を守る為に邪魔者を殺すのに加担したんでしょ?」


「お願い落ち着いて!」


「あの場に私が居たらどうにか出来たかもしれない、殺されなくて済んだかもしれない‥‥‥それをあんたが邪魔した!」


「違う‥‥話を聞いて!」


「何、また綺麗に飾った言葉で私を騙す?」


憧れてるとか友達だとか、外見だけじゃなく言葉も綺麗なものを使いたがる。

きっと内にある醜悪さがそうさせるのだろう。

汚いものが嫌いだから自分の中にある汚い感情を直視出来ない、認められないから過剰に飾って誤魔化す。


「もう潔く差し出したら? 自分達が生き残る為に意地汚く身内を売って助かりなよ、でないとあんたも母親も殺す」


ルキナはレティスの頭に銃口を向ける。

大事な大事な家族を切り捨てる、それは一生落とせぬ穢れになるに違いない。

家族を大事に思うレティスにとってその穢れは永遠に痛みを生み出し続けるだろう。


「そんなの出来るはずない」


それがレティスの答え。


「私は本気だよ。今すぐ退かないと初めに死ぬのはあんたになる」


けれどレティスは家族の前を離れない、両親に逃げろと言われても動こうとはしない。


「そんなに家族が大事なんだ‥‥‥だったら家族を奪われる悲しみがどれ程のものかも想像してくれれば良かったのに」


そしてルキナは引き金を引いた。

これで三人目、命の価値観も歪み始めて恐怖よりも復讐の快楽が心を支配し始めた頃。

狂気に呑まれて何でも出来る気でいた、けれどルキナの放った弾丸は掠めていっただけで終わった。


「お願い‥‥殺さないで」


声を震わせて訴えるレティスに対して再び引き金は引けずにいる。


「きっと誤解があるはず、だから話し合おう?」


レティスだって共犯、許せないはずだったのにここまでしても醜悪な本性どころか怒りすらも見せない姿に迷いが生じていた。

汚い部分を見せてくれたら躊躇うことなく終わらせられたのに身の危険が訪れてもずっと綺麗なまま潔白を訴え続けている。

本性を隠して演技をしている可能性だってある、でもそれを演技だと思いたくない自分がそこにはいる。

矛盾した感情が殺意を鈍らしていく。


「私はルキナを信じる」


いつもの待ち合わせみたいに親しみ深く、いつもの別れみたいにあっさりとした響き。

これだけの異常を全部無かったことにするみたいに友達だった頃の日常を漂わせる声でレティスは言ったが恐怖は隠しきれていない。


「だからルキナも私を信じて」


ルキナはレティスを信じることが出来なかった、その結果がこのどうしようもない今に繋がっているのにレティスは今でも友達の様に手を差し出す。

その手がルキナの憎しみの証である銃を優しく包み込む。震えているけど温かい、その温もりがじわりと伝わってきた次の瞬間、その手は強引にルキナから銃を奪い取った。


「‥‥‥ごめんなさい」


銃声、そして肩からは燃える様な痛みが走る。


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