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人殺しの助手  作者: レア
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「話が違うじゃないですか!!」


いじめないって言ったのに、と非難がましい目つきでレアリスの迫る。


「向こうの出方次第だと言っただろう」


「どこが気に入らなかったんですか? ルキナはちゃんと反省してたじゃないですか!」


「自分を犯罪に導いた奴を未だに神聖視していた。次にまたそいつと出会ってそそのかされでもしたら何をしでかすか分からんから洗脳を解いてやろうと思っただけだよ」


「それなんですけど本当にそんな人存在するんですか? 力を与えるとか現実的じゃないというか‥‥それならルキナが生まれつき持っていたって言われた方がまだ信じられます、超能力みたいな感じで」


「社会一般的には魔女と呼ばれている。そういう奴らは基本表には出てこないが確かに存在している」


「魔女って‥‥そんな‥‥」


「創作物の中の話、とでも言いたいんだろう? だが数年前にもそういう存在が関与したとされる事件だって起きてる」


レアリスは机の引き出しからファイルを取り出しアリアの前に広げる。

そこには切り抜かれた新聞が綴じられてその見出しには大きな字で魔女の文字が書かれていた。

とある小さな村が一夜にして焼失、村人は皆殺し。

あまりにもおどろおどろしい顛末は当時まだ子供だったアリアにも大きな衝撃を与え記憶にも残っている。


「覚えてますこれ! 色々捜査されたけど手掛かりも見つからなくて事件は解決しないままで子供ながらに怖かったんです、それをした人が近くにいるんじゃないかって‥‥‥そういえばこれってまだ犯人も捕まってないですよね、もしかしてこの犯人が!?」


「ああ、お前たちからすれば魔女と呼べる存在、それが関わっている」


その名詞は謎が残されたまま解決の兆しがないから周りが勝手に魔女なんていう不可思議な存在の名を当てはめただけだと思っていた。

きっと誰も本当に魔女の仕業だなんて思っていないはずだ。


「現代文明の発達によって魔術よりも魔術らしい品物がそこら中に溢れ返り神秘なんてものに意味を見出す者が少なくなった。お陰で元々日陰の存在だったのがより暗い場所に追いやられたが確かに存在している」


冗談みたいな話なのにそこにいつものふざけた調子は無い。


「そんな暗がりにいる魔女がどうしてわざわざ表に出て来てルキナに力を与えて犯罪を犯させたんです?」


「仲間集めさ」


仲間集めなら力を与えるだけで十分なはず、わざわざ犯罪を犯させる意味がアリアには分からない。


「その魔女にとっての仲間とは人を殺せる事が条件なんだ」


「なんでそんな!?」


「魔術は現代技術に追いやられ始めた、けれどそんな魔術にも有用性はある。今回のルキナの件もそうだが魔術だなんていう常識外の方法で行われた犯罪は罰することが出来ない。被害者が透明人間云々と訴えてもまともな警察なら相手にしない」


まともなを強調したのはリジルを意識してのことだろう。ルキナの件を所長に持って来たのがリジルだから。


「つまりそいつは罪に問われることなく人を殺せる。人を人として繋ぎ止めておく法という縛りから解き放たれた結果そいつにとって殺人とは罪じゃなく作業と変わりそれがいつしか趣味となる。そんな頭のいかれた奴が趣味と実益を兼ねて始めたのが殺し屋。報酬を受け取って殺人を肩代わりする仕事だよ。そこに加えるのに殺しの出来ない人間なんて必要無い」


「そんな‥‥」


アリアはそれ以上の言葉が出せなかった。

魔女の次は殺し屋、空想上の存在が突然輪郭を持ってアリアの現実に出現した。

自分の見ていた世界の狭さを改めて思い知らされた気分、けれど拡がった視界に移るのは荒野に近い殺伐とした景色。


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