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人殺しの助手  作者: レア
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昨夜、迷子の猫を探して行方知れずとなった助手を探して危機的状況に陥ったアリアは一夜明けた今現在も危機に陥っている。


「私は言ったよな、気にせず勉強して早く寝ろと」


「はい、言いました」


「それならどうしてこいつを探しに行くなんて馬鹿な真似をした? そのせいで危険に巻き込まれたんだろう」


床に正座させられて頭から降り注ぐ説教の嵐にひたすら耐える。

昨日色々あったけど今日は気分を入れ替えて頑張ろうと今朝、意気揚々と訪ねた私はさっそく所長に捕まり入れ替えようとした昨日の話題を持ち出された。

何故こうなったのか? 原因はもちろん助手だ。

昨日起きたことを一から百まで丁寧に説明してくれたおかげで今アリアの隣で同じ目に遭っている。

嘘をつかない純粋さはとっても素晴らしいことだけど世の中にはついてもいい嘘もあると教えてあげた方が良いのかもしれない。


「そもそもアリアには危機感が足りない。自衛の手段を持たないのなら危機感知能力を鍛えるべきだ、それに知識も必要だな。事件事故はどんな場所でも起こり得る、しかしその中でもここは特に起こりやすいという場所は確かに存在する、そんな箇所をしっかり把握しておくべきだ」


言ってる事は間違いではないのかもしれない。それが所長の言葉なら反省と共に胸に刻み込んだだろうが隣で同じく正座させられている助手に言われるのは少々納得がいかない。


「連絡も無しで夜中までぶらぶらしてる誰かさんを探してでもなきゃあんな場所近づこうとも思わなかった」


「ぶらぶらではなく捜索だ。活動が夜中まで及んだ程度で報告の必要性が発生するなど聞いていない」


「聞いてなくても普通はするの。心配するんだから」


「私の普通とアリアの普通は一致していない」


「ああ言えばこう言う。私の普通が普通なの。大した取り柄もない、目を惹く美貌も持ち合わせてないただの一般人の私が言うことよ普通以外何があるってのよ」


放った言葉はそのまま自分に返ってきてグサリと心に突き刺さる。

助手のような特別が近くにいると自分の普通さがより濃くなる。

だからといって憧れはしない、多少秀でた何かがあればと思わなくもないが概ね私は私で満足している。両親から貰ったこの全てが私の誇り。それに今は普通に見えても将来どうなるかなんて分からない、定まっていない未来の可能性に期待して嫉妬心はどこかに置いてきているので光が強ければ影も濃くなるなんて事あり得ない。


「確かにアリアは普通の人間か」


自分で自覚して言っちゃったりもしてるけど人に言われるとちょっとカチンときちゃうの不思議。


「私には未だ出来ないことは多数存在するし美貌とやらも持ち合わせていない、総合的に見て私とアリアではアリアの方が上だろう。ならば普通以下の私がそちらに従うのが道理か」


「‥‥‥」


前言撤回、影は深く濃くなった。

これは怒るところ?

とんでもない身体能力にそのご尊顔を持ち合わせて普通以下だなんて‥‥謙遜? 謙遜も行き過ぎれば嫌味になるとはまさにこの事。


「そいつは自分の欠点しか見ようとしない。常にマイナスだから一応プラス点の普通のアリアが自分よりも優れて見える、悪気は無いんだ許してやれ」


アリアの表情から読み取ったのか所長が言う。

助手に悪気が無いのは分かってますけどそれをにやけ顔で言う所長からは悪気がびんびん伝わって来る。

アリアが全力で抗議を口にしようとすると助手とアリアの両方に手刀が落ちてきた。


「それより今は私の説教の時間だ、無駄口を叩くな」


ささやかな抗議すら許されずその後小一時間みっちり詰められて心は疲れ果て足は痺れて大変だった。


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