↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
12/15

城戸(妹)、悶々。(番外編)




 お姉ちゃんが最近よく家に友達を連れてくる。


 葦沢綴っていう名前らしい。友達とは言ってるけど、お姉ちゃんと綴ちゃんは付き合ってると思う。

 お姉ちゃんと綴ちゃんは隠しているつもりなんだろうけど、正直全く隠せてない。


 いや、付き合ってるからってどうという事はないんだけど。でも流石に私の近くで普通にイチャイチャするのはやめてほしい。




 綴ちゃんがうちに来るようになったのがだいたい半年前。


 はじめてお姉ちゃんが綴ちゃんを連れてきた時は驚いた。お姉ちゃんが友達を家に連れてくるなんて。

 最初は綴ちゃんの事を警戒してたんだけど、いつの間にか普通に仲良くなっちゃった。数少ない年上の友達。


 お姉ちゃんと趣味が合わない分、趣味が合う年上の人は珍しかったから、綴ちゃんといる時間はすごく貴重だった。

 綴ちゃんが私のお姉ちゃんだったらよかったのになー、と思っていたのだが、どうやら本当にお義姉ちゃんになりそうだと分かって、かなり複雑な気持ちだ。




 二人が付き合ってるんじゃないかと疑い始めたのはだいたい二ヶ月ちょい前。


 飲み物を取りに自室からリビングに出てきたところ、普通にチューしてるのを見てしまった。


 前々からこの二人仲良すぎるなー、とは思ってたんだけど、これがきっかけで疑念は確証に変わった。

 お姉ちゃんのようなウブな軟弱者がただの友達相手にキスなんかするわけない。綴ちゃんもそういう事するほどパーソナルスペースがぶっ壊れた人でもない。

 となると、付き合ってるとしか考えられなかった。




 昨日今日で綴ちゃんが泊まりに来たのは本当に色々大変だった。


 とにかく二人の関係に気付いていないフリを私はしたかった。

 だから今まで通りに二人とは接するようにしたんだけど、それでも色々と厄介な事は多かった。


 綴ちゃんをゲームに誘って、自室からゲーム機を持ってこようと私が二階に上がっている間、二人はめちゃめちゃイチャついていた。

 私がもう用事を済ませて降りてきているのにも気付かず、に抱き着いて密着していやらしい顔をしている。

 隠す気あるのかよこいつら、と思ってちょっと腹が立った。

 このままリビングに入ると流石にまずいだろうと思った私は、一旦見なかった事にしてもう一度二階に上り、あえて大袈裟な足音を立てて二人に私の到来を気付かせることで事なきを得た。


 お姉ちゃんの小さい頃のアルバムを見せた時なんてヤバかった。

 綴ちゃんはお姉ちゃんの写真を見る度に「天使かよ」とか「可愛すぎ」とか、早口でまくし立てる。

 綴ちゃんは普段からこんな大袈裟な褒め言葉をお姉ちゃんに言ってるの?

 バカップルがすぎるんじゃないかと私は思った。

 夜ご飯食べてる時もずっとお姉ちゃんは綴ちゃんの食べる顔ばっか見てるし、この二人の将来がちょっと心配になった。


 一番驚いたのは、二人が一緒にお風呂に入ってたということ。

 私がお風呂を出て自室に行ってからから少ししてリビングに戻ると、そこには誰もいなかった。

 するのはシャワーの音だけ。

 絶対二人で入ってるじゃん、と私は呆れた。


 その晩はどうしても寝たくなかった。

 だって私が寝たらこの二人が何し始めるか分かったもんじゃなくて怖かったから。

 駄々を捏ねたんだけど、根負けして私は十時に寝ることになってしまった。

 で、十二時くらいに物音がして目が覚めた。

 隣のお姉ちゃんの部屋からだった。明らかに二人で寝ようとしているようだった。

 まあ、お風呂に二人で入ってたくらいだから今更全く驚かなかったけど。


 翌朝はもうお好きにどうぞという感じだった。

 話しかけられても適当な返事しかできなかったし、もう私の預かり知らぬところで好き勝手イチャついてくださいというような気持ちでいた。

 ちょっと様子見に行ったらお姉ちゃんの歯を綴ちゃんが磨いていたけど、これもそういう愛の形かと思って私は受け入れる事にした。

 もはや私に驚くほどの元気が残っていなかった。




 綴ちゃんが帰ったあとのお姉ちゃんもマジでめんどくさかった。

 なんかずっとため息ついてるし、ずっとクッションやらぬいぐるみやら抱きしめてるし。かと思ったらスマホ見てニヤニヤしてるし。


「お姉ちゃん、綴ちゃんとめっちゃ仲良いよね」


 私は興味本位で聞いてみた。


「へっ、あっ、まあ……そう、だね。友達……いや、親友だし……」


 ふざけるなよと思った。あんだけイチャついておいて何が友達だ何が親友だ。素直に隠さず恋人と言えばいいのに。

 私はぶっきらぼうに「あっそ」とだけ返して自室に籠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。