創造と破壊
宇宙歴20年、3月5日昼すぎ、巫女の神殿
アディス:「どうやらここが入り口のようだな。」
アディス達は、何の躊躇もせずに暗闇へと入って行った。
目の前が暗くなり、そして目が見えるようになると、
目の前に壁ではない物があった。
初めて見たものであるのに扉ではないかと思えた。
アディスは周りを見回した。
そこは四角い部屋だった。
5m四方というところだろうか。
他の壁には扉らしきものは無い。
エリーとエリスも辺りをキョロキョロと見回していた。
そんななか、マルスだけが、
その場に目を瞑って立ち尽くしていた。
突然マルスの身体が崩れた。
アディス:「マルス!!」
アディスは、マルスを支えるとゆっくりと床に寝かせた。
マルスの身体から真っ白い湯気のような何かが湧き出てくる。
なにが起こっているのか分からなかった。
3人は、その現象を無言のまま見つめていた。
マルスから立ち上る湯気は次第に大きくなり、
ゆらゆらと揺らめきながら扉の方へと流れて行った。
扉の前に集まる。
アディス達は何が起こっているのか分からず、
事の成り行きをじっと見つめた。
それは徐々に人型を形作っていった。。
色濃くなり、人間の肌の色に近くなっていった。
そして最終的に人に変わった。
アディス:「子供?」
そう、目の前に立っているのは子供にしか見えなかった。
???:(やっと出られた。)
頭の中に、声が響き渡った。
アディス、エリー、エリス:「!!」
アディス:「お前は何者だ?
マルスに何をした?」
???:(そう急ぐことも無いでしょう。
一つづつ話をしましょう。
まず、マルスですが。
彼は大丈夫です。
しばらくすれば目を覚まします。)
確証は何もないが、何故かその言葉は信じるに値すると思えた。
???:(私の名は、アイスです。
またの名をゼロスといいます。)
エリー:「ゼロス!?
ゼロスはモリー博士に中にいるのでは?」
アイス:(そう、ゼロスはモリーの中にいます。
私は、ゼロスと1つであり複数でもある。
ゼロスが黒であるなら、私は白。
ゼロスが0であるなら、私は1。
ゼロスが裏であるなら、私は表。
ゼロスが無であるなら、私は有。
ゼロスが破壊であるなら、私は創造。
まさにそんな関係です。
さて、まずは貴方達の事から話しましょう。
貴方達は遥か昔に未来を託された巫女なのです。)
アディス:「巫女?」
アイス:(巫女とは意識の集合体と繋がる事のできる者達の事を
いいます。
巫女と呼ばれますが、性別は関係ありません。
最初人間が全て女性のため、巫女と呼ばれました。
そう、遥か昔。
今の人類が始まる遥か昔のこと。)
アディス:「今の人類が始まる遥か昔?」
アイス:(シェリル、アリス、パインには驚きました。
正直言って、まさか完全封印が成功するとは、
考えてもいませんでした。
魔獣の去ったその後、
人類は滅亡の危機を幾度か迎えました。
その全てで私は人類の救済を行ってきました。
しかし残念ながら人類は、その反省を生かさず、
終わりを迎えようとしています。
そう星そのものを死の星に変えようとしているのです。
今となっては、完全封印が本当に正しかったのかは
わかりませんが、それは良しとしましょう。」
アディス:「ここは何処なんだ?」
アイス:「ここですか。
次元の狭間に作られた巫女の為の空間です。
神界、幻獣界、精霊界、人間界の隙間に作られました。
巫女にとっては最も安全な空間ともいえるでしょう。」
アディス:「人間界以外にも世界があるのか?」
アイス:「それを知るには、
世界の生い立ちを知る必要があります。
質問は全ての話を聞いた後にしてください。」
アイスから聞かされた話は、まるで神話であった。
=====
貴方達が想像すらできない遥か昔。
そう、この世界、この宇宙が生まれる遥か昔。
多次元空間とそこに漂う巨大な意識の集合体がありました。
意識の集合体とは、例えば貴方達5人が魂だけの存在であり、
それらが繋がっていると考えれば判りやすいでしょう。
それらは後に創造主と呼ばれる存在でした。
創造主は考え続けました。
肉体を持たない存在にとっては、
考えること以外にできる事は無かったのです。
ある時、集合体の一部で創造という考えが生まれました。
何もない空間に新たな物を生み出そうと考えたのです。
その考えは、人間では想像すらできないほど長い時間をかけて
光の速さで広まっていきました。
その間、創造主は考え続けました。
創造を欲する意識は、
ついに多次元空間を操る力を生み出したのです。
それは、それは身を削り発動する力でした。
これが後に原始魔法と呼ばれるようになり、
全ての魔法の起源となったのです。
創造主は原始魔法を使い、新たな空間を作り出しました。
その空間は後に神界と呼ばれる空間でした。
創造を欲する意識が一割を超えた頃に行動を起こしました。
創造を欲する意識は、神界に移り住んだのです。
後に人間は、移り住んだ集合体を神と呼びました。
神は後の創造を考え、新たな3次元空間を生み出しました。
次元を減らしたのは、その方が安易であることを
知っていたからです。
この空間が貴方達の存在する人間界なのです。
=====
3人は思った。
宇宙を作り出す?
まさに神話の世界の話だ。
到底信じることなどできようもない、と。
=====
神は手足となる各種精霊を生み出し、
創造の手伝いをさせようとしました。
しかし、多次元空間に住む者は、
3次元空間に長く滞在することができないことが分かりました。
そこで、精霊界を作り出し、
そこから創造を手伝わせることにしました。
物質の創造は容易く行えました。
次元空間を圧縮するだけで物質化したのです。
ここで言う次元空間とは、縦横奥行という次元の事で、
圧縮とは、その軸自体を縮めるという事です。
精霊達と共に、まるで絵を描くように恒星や惑星を
生み出していったのです。
次に神は自我を持つ生命の創造を考えました。
1つの惑星を選び、そこに生命を誕生しようと考えました。
自分達を構成する物質を基本とし、哺乳類、鳥類、爬虫類、
両生類、魚類、節足動物や植物等多くの生命を生み出し、
己と同じように自我を持つ事ができるかを見守りました。
形を変えたり、大きさを変えたりと様々な事を行いました。
しかし、ある程度の知能は持つものの、
自我を持つ生命は生まれませんでした。
神は考えました。
自我を持つ精霊に肉体を与え、地上に放つことにより、
変化を求めました。
肉体を持った精霊は、妖精と呼ばれました。
=====
妖精?
エリスは、ファンタジーに登場するエルフやドワーフ等を
想像していた。
=====
自我は個に求める必要があったため、
肉体を持つ者は他世界との繋がりを無くしました。
これはある程度の効果があり、
霊長類の一部に変化がありましたが、
自我を持つまでに至りませんでした。
神は悩みました。
精霊と同じように己の一部を使用するしかないのではないかと。
そこで神は最も自我を持つ可能性のある霊長類を元に
己の一部を使用したうえで作り直しました。
これが人間なのです。
=====
エリーは、1つの言葉が頭に浮かんだ。
『ミッシングリンク』
人はどのように進化したのか?
いわゆる進化論である。
ミッシングリンクは、生物の進化過程を連なる鎖として
見た時に、連続性が欠けた部分を指す。
化石の発見等により人間と猿の間の進化過程を
紐づけようとしたが、途中の化石が発見されることは
無かった 。
人間と猿の間には、明らかに欠けた部分が存在しているのだ。
=====
同時に人間の脅威となりうる巨大生物の多くを消し去りました。
多すぎる脅威は絶滅にもつながり、
少なすぎる脅威は創造の妨げにもなるのです。
=====
大型生物の絶滅。
巨大隕石や氷河期など、さまざまな説があるが、
そのような状況下で、人間は生き残れるものなのだろうか?
それはエリーの疑問の一つでもあった。
=====
神は、人間に期待しました。
いずれ己と同じ知識を持ち得るかもしれないと。
神の一部を使用したため、神と人間は繋がっていました。
この一部の事を人間達は精神体と呼びました。
しかし、神から知識を得ることは、
本来の神の目的とは異なるため、
一部の者達を除き繋がりを封じました。
繋がりを残した者達は巫女と呼ばれました。
人間は、両手を器用に使い、様々な物を作り出しました。
言語を生み出し、ゆっくりとですが進化していきました。
人間と妖精との関係も最悪なものではありませんでした。
価値観などの違いにより、住み分けは必要でしたが、
妖精の住処は、聖域とされ不可侵領域として認識されました。
妖精達は、その恩に報いる為、人間に魔法を教えました。
人間は武器や防具を作り、集団で行動することにより、
ついには食物連鎖の頂点に立ちました。
人間は国を作り、互いに争う様になりました。
この時、神は不思議な光景を目にしました。
争いの後、破壊された物は、より新しい物へと
変わっていったのです。
早い創造と新しい物への切り替えでした。
これほど早い創造は予想することはできませんでした。
神々は考えました。
そして、創造と破棄・破壊は人間にとって
表裏一体であることに気が付いたのです。
=====
創造と破壊。
ここまで聞いた時、3人は背筋にゾクリとする何かを感じた。
それはある種の予感であったのかもしれない。
=====
そして同時に気付いたことがありました。
それは欲が精神体の色を黒く変えることでした。
生物は精神体を生成しています。
その為、浄化ではありませんが、白色へと向かっているのです。
しかし必要以上の欲は精神体を黒く染めるのです。
人間が増えれば人間同士で争いを始める。
同じ種族での争いは、神の望むものではありませんでした。
そこで共通の敵を作り出すことを考えました。
神は、魔界を作り出し、神の半分は魔界へと移動しました。
魔界に移動した神は、後に魔王と呼ばれるようになりました。
=====
このとき想像は確信へと変わった。。
神と呼ぶ者、魔王と呼ぶ者。
それは基本的には同じものなのだと。
=====
魔王は精霊と同じように魔王の一部から魔獣を作り出し、
肉体を持たせた上で人間界に放ちました。
神の予想通り、人間と精霊は手を組み魔獣と戦いを始めました。
しかし、ここで想定外の事が起こりました。
魔獣が圧倒的に強かったのです。
人間側は急激に追い詰められていきました。
魔王は、これではまずいと考え、魔獣の力を人間の力と
拮抗する程度まで落としました。
=====
魔獣は意図的に力を弱められた。
つまり人間には到底勝てない存在であったことを言っている。
=====
しかし、人間側は魔獣の王を打ち破ることができませんでした。
そこで神と魔王は均衡をとる者の存在が必要と考え、
幻獣界を作り、幻獣を生み出したのです。
さらに魔獣の王の行動にも制約を付けました。
人間と幻獣の間に契約が結ばれ、
人間、幻獣、精霊.vs.魔獣の形が生まれました。
後に人間は、幻獣と契約した者を巫女と呼びました。
巫女と呼ばれるのは、この時契約したものが
女性ばかりだったからです。
この時、幻獣達と巫女達との間で壮大な計画が立案されました。
それは最終的に魔獣を永遠に封じ込める事でした。
魔獣を白く染める事により、
破壊という衝動を抑える事だったのです。
その為には、成し遂げなければならないことがありました。
一つ目は、魔獣界を作り出し、魔獣を魔獣界に封じ込める事。
これは、幻獣達が実行することになりました。
二つ目は、白い精神体を集める為の核となる存在の確保です。
長い時間をかけ、白い精神体を集め、
その膨大な白い精神体を魔獣界に流し込むことで、
魔獣界を白く染めようとしたのです。
これは、巫女と幻獣の共同で行う事になりました。
三つ目は、人間の精神体が黒く染まらないことでした。
これは、人間達が行う事になりました。
そして幻獣達により、最初の行動が実行されました。
幻獣達は、原始魔法を行使して魔獣界を作り、
魔獣達を封じ込めたのです。
神は驚きました。
まさか幻獣達が原始魔法を使うとは思っていなかったのです。
それは、己を滅ぼす程の行為だったからです。
幻獣達を人間界に残す事ができないと判断した神は幻獣界に
彼等を移し、人間との接点を巫女のみに限定しました。
これにより、幻獣や精霊達は、人間界を去る事になりました。
この時、幻獣ベンヌが人間界に残る事を望みました。
ベンヌのみであれば問題ないと判断した神は、
この望みを叶える代わりに条件を出しました。
本来の目的である、創造と破壊。
その為に、魔獣王を定期的に召喚し、
最終的に人間が勝利するように行動することでした。
ベンヌはその条件を受け入れました。
そして、その条件を成す為に、己を3つに分けました。
一つはベンヌ本体、一つはゼロス、もう一つは私です。
本体は、肉体を持ち、寿命を得ました。
ゼロスは、肉体を持たず、人間と魔獣の均衡を保つ者として、
魔獣の壺を作り出して定期的に魔獣の王の復活を行いました。
私も肉体を持たず、魔獣に対抗できるように導く者として、
表に出ずに人間を手助けしました。
神は魔獣が魔獣界に封印されたことにより、
神は新たな事実に気が付きました。
それは人間の肉体が寿命を迎えた時の精神体の振舞いでした。
白い精神体の多くは神界や精霊界へ、
黒い精神体の多くは魔界や魔獣界へと引き寄せられたのです。
=====
3人は別に宗教論者ではなかったが、
天国と地獄を思い浮かべていた。
=====
残った精神体は、結晶化し、魔晶石の元となりました。
ゆっくりとですが、魔獣界を黒く染めていったのです。
魔獣の破壊欲は増大していきました。
そしておよそ500年の歳月を経て魔獣の王は復活しました。
それは人間にとって最も過酷な戦いでした。
その最たる事は、魔獣の王の城の門番の存在でした。
門番は特化した力をもっており、
その特化した能力は魔獣の王を超える程の力でした。
東門には、強力な攻撃を誇る魔獣。
南門には、強力な魔法を唱える魔獣。
西門には、呪いを行使する魔獣。
北門には、鉄壁な守りの魔獣。
門番の魔獣を倒せたとしても時間経過によって復活してしまう。
これは、人間達にとって絶望を意味するものでした。
しかし、繰り返される門番との戦いの中で、
北門の門番である守りの魔獣は完全なる破壊ではないと
気が付いたのです。
そこで幻獣から一つの案が出されました。
門番の魔獣を味方にできれば、、、。
たとえ味方にできなかったとしても、
その場からいなくなれば、
戦況を変える事ができるのではないか、、、と。
方法は、守り魔獣の精神体を白くすることでした。
さらに壮大なる計画の二つ目である、
核になりうるのではないかと考えたのです。
巫女と幻獣達は、それを実行に移しました。
そしてついに守りの魔獣は、魔獣の王の元を去り、
白き魔獣と呼ばれる存在となりました。
北門の門番が不在となり、
魔獣の王の城の攻略は格段に下がりました。
あとは膨大な時間が計画を成功へと導くのです。
そしてついに魔獣の王の撃退に成功しました。
しかしそれは仮初の平和でしかありません。
いずれ魔獣の王は復活することを知っていました。
魔獣の王の撃退には巫女は必須でした。
巫女を絶やしてはなりません。
そこで幻獣の力により、未来に巫女を送る事を決断しました。
同時に幻獣は神に懇願し、この巫女の神殿を得たのです。
そして巫女は魔獣の王の復活までの間、
幻獣シヴァの力を借りて、長き眠りについたのです。
再び人間と妖精は、お互いの領地を犯さない約束をしました。
しかし、人間の発展は驚くべき速さで進みました。
国を大きくし、その周辺の地域を武力で制圧して行きました。
そして、聖域と接するほど大きくなった時に、
それは起こりました。
人間の寿命は妖精と比べると短く、
代を重ねるごとに約束は忘れ去られていったのです。
そしてついには聖地をも荒らすようになったのです。
最初に被害を受けたのはエルフでした。
エルフは人間に対して警告を発しました。
しかし人間は軍隊をもってそれに答えたのです。
人間対エルフの戦いが始まりました。
短命で繁殖力の高い人間と長命で繁殖力の低いエルフでは、
結果は火を見るより明らかでした。
エルフ達は徐々に数を減らし、
そしてついには人間界を去る決断をしました。
全ての妖精はこれに呼応し人間界を離れました。
これにより一部の精霊達は、人間に対して非協力となりました。
人間達は巫女の力を借りながら幻獣と魔法を駆使して、
魔獣の王の撃退に成功し続けました。
そしてついに時が満ちました。
白き魔獣が十分な量の精神体を蓄えたのです。
そしてパイン、アリス、シェリルの3人の巫女と3人の英雄が
魔獣の王を完全に封じ込めたのです。
神は、魔獣の存在しない世界で人間がどう進化していくのかを
見守る事にしました。
人間は科学に邁進しました。
同時に魔導士や巫女の子孫も激減していきました。
そしてついに魔法は忘れ去られ、巫女の子孫も
あなた方のみとなったのです。
人間は科学こそが人の幸せだとでも言う様に、
凄まじい勢いで発展していきました。
科学は同種族を殺傷する目的のためにも使われました。
人間は、己の知っている事が世界の全てだと思っているのです。
それが、『井の中の蛙』だとも知らずに。
ほころびは幾つも存在しました。
知らずに、あるいは見ぬふりをして進んだのです。
この行為により、人間は幾度も繁栄と衰退を繰り返しました。
時には島ごと海に沈め、ときには森林を砂漠に変え、
時には氷の中に封じ込められました。
=====
エリスは、記憶の中に思い当たることがあった。
それは過去の怪しげな記録だった。
海に沈んだと言われる伝説の島や砂漠にある謎の遺跡、
氷漬けになった遺跡などだ。
それはある意味オカルト系の話でもあった。
=====
その多くは科学の発展が招いたものでした。
人間は数を減らしたものの数度の絶滅の危機も乗り越えました。
これらを見て、神は気が付きました。
人間の欲は、発展の糧でもあり、滅びの糧でもあったのです。
そして今、この星の命まで奪おうとしているのです。
神は人間のさらなる進化を見たくなりました。
そこで新たな星に生命を作り出し、
そこへの移住を計画したのです。
=====
3人は、思った。
移住先、それは偶然発見された惑星だった。
調査期間も無かったとはいえ、先行調査もない惑星に
何の保証もなく船団を送り出したのだ。
そして異世界へと続くゲート。
全ては計画されていたことなのか?
=====
その計画はベンヌに託されました。
ゼロスは、モリーと共に魔獣の壺を元に、
エネルギー生成装置を作り出しました。
同時に魔獣界に繋がる門を作り出したのです。
そして貴方達の今があるのです。
=====
最後まで話を聞き、3人は言葉を詰まらせた。
そして気が付いた。
自分達が目にした魔獣、巫女の神殿、エネルギー生成装置。
そして実現しているかは分からないが、異世界へのゲート。
それらは奇跡としか言いようのないものだったということに。




