表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の剣  作者: Dai


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/49

番外編 侍と少年

◼️第九話「職質」

夜。

政宗はコンビニから出てきた。

片手には湯気の立つ肉まん。

「この肉まんという食べ物……悪くない。」

一口かじり、満足そうに歩き出す。

腰には、いつもの木刀。

その時だった。

「すみません、少しいいですか?」

二人の警察官が声をかける。

政宗は足を止めた。

「……何だ。」

「夜分すみません。少しお話を聞かせてもらえますか?」

「よかろう。」

警察官はメモ帳を取り出す。

「お名前は?」

「伊納政宗。」

「ご年齢は?」

「三百……いや、二十七だ。」

「ご職業は?」

「侍。」

警察官は苦笑いする。

「えっと……お仕事は?」

「だから侍だ。」

「……。」

少し気まずい空気が流れる。

一人の警察官が腰の木刀を見る。

「その刀は……木刀ですよね?」

「うむ。」

警察官は少し安心した表情になる。

「護身用ですか?」

「違う。」

「では?」

「鍛錬用だ。」

「そうなんですね。」

「人を斬るなら木刀でも十分だ。」

警察官の笑顔が止まる。

「……え?」

「昔はこれで何度も鍛えた。」

「そ、そうですか……。」

もう一人の警察官が話題を変える。

「住所を教えていただけますか?」

「橋の下だ。」

「……橋の下?」

「橋の下だ。」

「えっと、ご自宅は……」

「だから橋の下だ。」

警察官は困ったように顔を見合わせる。

「身分証はお持ちですか?」

「ない。」

「保険証や免許証でも……」

「ない。」

「マイナンバーカードは?」

「何だ、それは。」

質問はまだまだ続く。

政宗は大きくため息をついた。

「……めんどうだ。」

次の瞬間。

ダッ!!

政宗は一気に走り出した。

「えっ!? 待ってください!」

「逃げるなー!」

警察官二人も全力で追いかける。

しかし。

「速っ!!」

「なんだあの脚力!」

「全然追いつけない!」

木刀を腰に差した政宗は、夜道を風のように駆け抜けていく。

その頃。

買い物帰りのユウキは、スーパーの袋をぶら下げて歩いていた。

ふと前を見る。

「……あれ?」

先頭を全力で走る政宗。

その後ろを必死に追いかける警察官二人。

「止まってくださーい!」

「待てー!」

ユウキはしばらく無言でその光景を眺めた。

そして、小さくつぶやく。

「……何やってんだ、あの侍。」

政宗は一度だけユウキの方を見て叫ぶ。

「ユウキ! すまん、急いでおる!」

「急いでるじゃなくて、逃げてるじゃん!」

そのツッコミだけが夜の街に響いた。



◼️最終話 「置き手紙」

政宗が文房具屋へ行く。

店員 「何をお探しですか?」

政宗「紙を探している。」

店員「お手紙ですか?」

政宗 「遺書を書く。」

店員 「えっ」

政宗 「いや、置き手紙だ。」

店員 「どっちも怖いです。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ