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祝詞はコピペで十分だろ? ~落ちこぼれ陰陽師、京都のバグを1300年前の国家OSごと再起動します~  作者: ☆もも☆


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第四話 清水の舞台ー空冷ユニット

十一月の清水寺。

紅葉シーズン真っ只中。


観光客が「綺麗ね〜」と紅葉を楽しんでいる中、

アキトだけは仁王門の前で、滝のような汗を流していた。


「……暑い。何これ。

秋ってこんなに暑かったっけ。

これ、紅葉じゃなくて俺が『茹でダコ』になる演出?」


「文句を言わない。

あんたのその『無駄にデカい出力』が、

周囲の熱を磁石みたいに吸い寄せてるのよ」


隣で涼しい顔をしているカナ。

彼女はタブレットで、清水舞台をスキャンしている。


「いい? 清水寺は天平OSの『空冷ユニット』。

崖の上に組まれたあの舞台は、巨大な放熱板なの」


「え、あの舞台が?」


「でも、1300年分のエラーログがゴミとして詰まって、

排熱ファンが停止しかけてる。

このままだと、京都が物理的に『茹で上がる』わ」


「……それ、さっきの俺じゃないですか」


「ええ。あんたが縮図ね」


「……俺にどうしろって言うんですか。

大学の『冷却呪法入門』は単位落としたんですよ?

追試の時、気合入れすぎて教室のエアコン爆発させちゃって」


「知ってるわよ。

あんたの呪力は繊細さがマイナス。

でも、圧倒的な『吸引力』だけは国宝級」


---


カナが指示したのは、舞台の最先端。

地上から13メートルの断崖絶壁だ。


「いい?アキト。阿倍野家の禁忌、『因果逆転・大龍軸』

……別名、『大気排熱強制同期』。できる?」


「……名前長ぇわ! 了解、要は『全力バキューム』だな!

任せとけ、得意中の得意だ!」


アキトが舞台の端に立つ。


眼下には、遥か下の地面。

観光客がスマホを向けてこちらを撮影している。


「……これ、絵面がヤバくないか」


「いいから早く」


「……分かった! 行くぞ!!」


アキトが、喉が枯れるほどの声で叫ぶ。


「——おなしゃす! 冷えてください! マジで!!」


瞬間、清水寺の地下から

「ゴォォォォォ!」という大型旅客機が離陸するような爆音が響いた。


「……吸い出してる!

因果逆転・大龍軸、1000年ぶりに見たけどやっぱり凄いわね。」


カナの目が見開かれる。


熱風がアキトの体を通り抜け、一気に夜空へと放出された。


清水寺を包んでいた異常な熱が消え、

心地よい秋の夜風が吹き抜ける。


---


「……ふぅ。……腰にくるんですよね、これ。

怜さん、これ労災下りますか」


無線から、怜のやる気のない声が響いた。


「下りるわけないだろ。

むしろ舞台の木組みを1ミリ歪ませた修理代、

お前の給料から天引きだ」


「……マジか」


その時、隣でカナが——


「……ふふっ」


「え」


アキトは思わず振り返った。


カナが、口元を押さえて笑っている。

計算外の、小さな笑い声だった。


「……何笑ってるんですか」


「別に。……あんたの人生、楽しそうねって思っただけよ」


アキトは、その笑顔を見て——なぜか、少しだけ耳が熱くなった。


「……あ、そういえば。今日、兄貴が静かだな」


アキトは思いっきり背伸びをして


——腰を痛めた。「……っ、いたた」


「……ほら、言わんこっちゃない」


カナが呆れながらも、帰り道にアキトの湿布を買ってくれた。


---


カナが笑った。

たった一度。小さく、静かに。

——でも、アキトにはやけに大きく聞こえた。


ご覧頂き、ありがとうございますm(_ _)m

本日、第5話まで投稿します。


最後まで楽しんで頂けると嬉しいです☆



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