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第6話 食われたり食ったりって、そんな理不尽な……

 こんちには、町屋太郎です。

 今、「こんにちは」って読んだ人は注意力が足りません。

 それはさておき、俺は今ドラゴンに食われましたが、不味かったみたいで吐き出されました。

 あ、ゲロ吐いてる。

 ――ちょっと傷ついたぞ。


「なんでこんなところにドラゴンがいるんですのっ!?」

「俺が食べ残した肉を狙ってきたみたいですね」

「そうですのね。……ってなんで生きているんですの!?」

「生きているからです!」

「……もう、何も言わないでおきますわ」

「その方が髪の毛にも良いですよ。折角綺麗な金色なのに、考えすぎるとハゲますよ?」

「……はぁ。もうどうでも良いですわ」


 お姉さんが剣を抜く。

 と言うか、いちいちお姉さんって言うの疲れてきたな……。


「えっと、アイン・ソフ・オウルさんでしたっけ?」

「何ですのそれは? 妾はアエーシュマ・アンラ・マンユでしてよ」

「長いから『シュマ』って呼びます」

「……っ!!」


 シュマの顔が赤く染まる。

 やっべ、怒らせたか?

 まぁ、いいや。

 後でいくらでも殺されてやるから、今は許せ!


「シュマのスキルであのドラゴンは倒せますか?」

「隙さえあればおそらくは」


 流石は自分で「武人」と言うだけのことはある。

 すぐにテンションを戻して、俺の問いかけに答えてきた。

 面白いから、ちょっと煽ってみるか。


「じゃあ、なんで俺とコントしてるんですか」

「~~~~~~~!! ばーか!! ばーか!! あとで絶対泣かしますわ!!」


 シュマが剣を構える。

 剣道部の田中には負けているが、なかなか堂に入っている。


「……ふっ! スキル発動<毒使い>」


 シュマの剣が紫色の霧に包まれる。

 スキル名的に、あの霧をすったら死ぬんだろうなぁ……。

 シュマがそのままドラゴンに飛びかかる。

 おーすげえ。

 ドラゴンは4メートルくらいありそうなのに、上手いこと木を使って斬りかかってる。


「あ、そうだ! そう言えば新しいスキル覚えてたよな。ちょっと確認するか」


 俺は暇なので、久しぶりにスキルを確認する。


=========<スキルウィンドウ>=========

1.死者蘇生

 死んだ時点・地点で蘇生する

2.死亡回数表示

 「今まで何回死んだか」を表示する

3.危機察知

 「自分が死ぬ直前」に「自分が死ぬ」事が分かる

4.死因記憶

 「自分がどうやって死んだか」が記録される

5.指弾強化

 右手の人差し指でモノを弾くときだけ、パワーがもの凄くアップする

6.骨密度強化

 骨が強くなって、骨折しにくくなる

7.包丁研磨

 包丁の切れ味を極限まで研ぎ上げることができる

8.三枚おろし

 魚を完璧に三枚おろしにできる

9.盛り付け

 料理の盛り付けを完璧に出来る(味はそのままである)

10.料理人(SR)

 料理に関連する技能を完全にマスターする

11.石拾い:NEW!!

 良い感じの石を見つけられる

=============================


 相変わらずしょうもない。

 何だよ、「良い感じ」って。

 適当すぎだろ。

 これ考えたアホ女神は、3徹目くらいで思いついたんだろ。


<夜の10:00くらいでーす。ちなみにその後は7時間寝ました。途中で3回、トイレに起きてまーす>


 しらんよ。


「スキル発動<石拾い>」


 折角なので、試しに使ってみた。

 俺の目の前に「良い感じの石」が現れる。


「……マジで良い感じの石じゃん」


 俺はその石を左手に乗せる。

 そして右手の人差し指で弾いてみる。


「シュマっ! 避けろ!!」

「……っ!!」

「スキル発動<骨密度強化>。<指弾強化>」


 地味に人差し指なのが面倒だ。

 中指なら、「デコピン」の要領でもっと強く弾けるのに。

 ドラゴンの頭が消し飛んだ。


「おぉ! すげえっ!!」

「……タロウ・マチヤっ! 今! 何をしたっ!!」

「シュマ、口調が崩れてるぞ」

「そんな場合では無いっ!!」

「あ、剣を借りますね」

「おいっ!?」


 確か刀の失礼な言い方に「包丁」をつけた言い方があったはずだ。

 これは剣だけど、同じようなものだろ。

 多分。


「スキル発動<包丁研磨>。<料理人>」


 俺はドラゴンを解体していく。


「折角だから、美味しそうに並べるか。スキル発動<盛り付け>」


 無駄にデッケーから焼肉セットにするのに時間がかかっちまったぜ。


「さぁ、召し上がれ」

「……もうやだ。おうちかえりたい。かえれないけど」


 シュマさんが幼児退行してる……。

 ま、いっか。

 ドラゴンの肉、うんまぁっ……。

 うっ!!

 俺は忘れていた。

 シュマが毒を使っていたことを……。

 

<はい、ばーか>


 うるせえぞクソ女神。

 なんか知らんけど、ついでにもう一回死んだ。

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