表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

9話 誘拐 3

➖???➖

―津堂伊月視点―


 雨歌が誘拐されていた場所が森の奥にある洞窟の中とは思っていなかったのだが? しかも狭いから進むのもしんどいってどうゆうことだよ。30分くらいは地図通りに進んでいるが見えてこないのは何故だ? 騙された可能性もあるがそれはないと信じたい。


 狭い洞窟を抜けた先には似合わない建物がポツンとあった。狭い空間を抜けたらあるなんてどこかの研究所みたいだな。おそらくは“アイツら”の研究所に棲みついたのだろう。嫌なところを住処にしやがって……雨歌に何かあったら皆殺しにしてやる。


『着いたみたいだね。鍵は開いてある』

「あぁ……それと10分後には特別課が来るからな」

『それはありがたい。ボクとしては来てくれないと雨歌くんのことを教えれないからね』


 コイツは一体なにを知っているんのかをすぐにでも吐かせたいが雨歌の無事が最も重要なことだ。ここに来る前に敵の情報は全て貰った。一番の障壁になるのは“ギフト”持ちだな。一人は転移能力らしいが距離は長くないらしいから対応は可能だ。


 もう一人が狙撃に関するモノを持っているらしいが細かい事は仲間にも教えていない。ただ防犯用の物が斬られていたと考えると……他の“ギフト”持ちがいる可能性があるんだよな。敵の詳細は全く分からないが。


『君なら知っているかもしれないけど依頼主っているのさ』

「お前らがどういった組織かは知らん」

『何でも屋さ。砂孤(さこ)って依頼人は知っているかな?』


 知ってるさ、ものすごくな。砂孤とは雨歌の元苗字だ。しかも戸籍上の元父親は雨歌とその生みの親を実験体として認識していたらしい。そのおかげで雨歌は俺以外からは距離を置かれていたから良かったのだがな。


 その父親は生物を次へ進化させる為に研究していたらしいがそもそも所属していた組織自体が最悪なモノだった。亜人や獣人、俺らみたいな妖怪に分類される者たちと人間の融合を積極的に行っていた。原点種の複製体も作っていたそうだが、ほとんど原形はなかったらしい。


『いやぁ驚いたね。彼が生きてるとは』

「火災で死亡した筈だ」

『だからボクも不思議に思ったさ。本人ってことは確認出来たよ』

「生きていたのか……それとも転生したか」

『ボクは圧倒的に後者だと思うね。警察のデータベースをハッキングしたけど、死亡だったよ』


 おい、ハッキングはするなよ。まぁそれのおかげでアイツが同級生ではないってことは確定したから良しとするか。いや……確定したって決めつけるのは良くないか。巷では憑依って形で同級生になる可能性があるって聞いたことがあるな。小説の内容ではあるがな。


 誰にも話せない内容だな。依頼主くらいなら眩寺さんに言うくらいならいいとは思うが、あの男って可能性は限りなく低い。苗字ってだけで砂孤はそこそこいるらしいしな。他県ではあるが砂孤って苗字を聞くと逃げ出すって聞いたこともある。


「住所とかって分かるか?」

『残念ながら分からない。そもそも防犯がガチガチなのに危ないのだけを狙って破壊しているからね』

「それって斬られていたとかは分かるか?」

『真っ二つにされているものもあったらしいよ』


 って考えると転生者か。“ギフト”であの家の防犯システムに引っ掛からずに他の物だけを壊せるってどんなヤツなんだよ。・・・どこから入るんだよ。このままぶち壊すってのは簡単だが雨歌に何かあるかもしれないからそれだけは避けないとな。


『おっと、出入口は窓が二つあると思うんだが?』

「歪な形してるんだよ。どこなんだ」

『ボクに言われても困__敵だね』

「おい……そこで何をしている?」


 虎の獣人か。さてと中位種って言っても身体能力は普通に高いからなぁ。翻弄される可能性は十分にあるって考えて行動しないといけない。トランシーバーとかは無さそうだな。俺の種族が使う能力は不可視の縄を出して相手の首を絞めるってだけなのだ。


 俺が原点種だからかは分からないがそれだけではなく不可視の縄を自由自在に操れる。その制限は今のところはない。通常は1つなのだがほぼ無限に出せるから便利だ。誰にも斬られたことなんてないから少しだけは傲慢でいたい。


「お前は……津堂伊月か。捕まえて闇市場に出すか」

『それが出来たらね。君じゃ無理だろ』

「やはり件、裏切り者だったか」

『猫ちゃんにバレたとしても怖くはないね』

「ならお前を先に始末してからにしよう」


 隙を作ってくれたかは分からないが大きな油断がうまれたから四肢を縛ることが出来た。獣人は勘が鋭いものだと思っていたがそうでもないみたいだ。緋華が特別鋭いだけだと思っておこう。同格や格上にはまだ出会ったことがないから分からないが不可視だと思っておこう。


「な、なんだ!? 動けない」

「さて……雨歌の居場所を吐けと言いたいがそんなのはいいから眠っとけ」

「まっ___」


 入り口が分からないので獣人を壁に叩きつけて入れる場所を作る。大きな音がしたのでおそらくは敵がこちらに来ると思うが、関係ない。全員をここで行動不能にすれば雨歌と件を安全に助けれる。電話越しから何やらうるさいが全てスルーする。


 さっさと雨歌を助けてお祝いしたいんだよ。だから視界に入ったと同時に縄を身体のどこか一部に巻き付けて壁や天井などに叩きつけて動けなくする。転生者はただの人間だった場合は死ぬかもしれないが正直どうでもいいんだけど、その手で雨歌に触れたくない。


「ゴロ……お前ら、侵入者を殺_ゴボッ」

「大丈夫ですか!! ボ__ぐるじぃ」

「舐めるなよぉ! ガg_」

「ふん、距離をつめるからだ。俺みたいに離し__うがぁぁぁぁ」

「・・・私には何もしないよね? 女だよ?」


 残したのは人間の女だった。流石に何かするのは気が引けたが電話越しの言葉で一切の慈悲がなくなった。『彼女が攫ったのさ』と無機質に言い放たれた言葉を聞いた瞬間、俺は女の顔面を床に思いっきり叩きつけて気絶された。


『容赦ないね』

「俺の雨歌を直接誘拐した奴だからな」

『原形は保っているのかねぇ』

「知らん。特別課が来るだろうから無視で行くぞ」

『彼の下まで案内するよ』


 行動不能にしたから安心して雨歌を探しに行ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ